桐生公設市場余剰地にベルクが進出か、各界に大きな波紋 2023.3.21

現在の桐生地方卸売市場。

 桐生市が所有する桐生地方卸売市場(みどり市笠懸町阿左美)の余剰地(17,997u)の利用について、桐生市は公募型プロポーサル(企画提案)方式で事業者選定を進めてきましたが、3月14日(火)に行われた市議会常任委員協議会において、食品スーパーのベルクが最優先候補者に選定されたことを明らかにしました。

 これを受けて、みどり市内の経済界や市場関係者などからは様々な声が上がっています。それというのも、大型ショッピングモール「アクロスプラザ」が数百mの距離にあること。アクロスプラザの周辺人口は、ショッピングモールを運営する上で、ギリギリの数しかないといわれています。そのため、大手デベロッパーは、「ベルクが来ても共倒れになるだろうし、アクロスプラザで周辺施設の誘致を行っていて、複合施設にするのは難しいだろう」という判断をしています。

 このような背景の中での桐生市の動きに、経済界からは、「そもそも桐生市と笠懸村(当時)双方の利益になることを前提に、桐生市に土地を売却した。桐生市に賃貸収入が入れば良いのか」といったものや、市場としての機能は残ることから、「市場とバッティングする食品業者は避けてほしいとお願いをしていたが、聞き入れてもらえなかった」と市場関係者からは諦めの声も聞こえました。

 桐生地方卸売市場は国道50号に面した平坦な土地で、商業的価値が高いほか、岩宿駅南口に面していることから、桐生市とみどり市の合併話が持ち上がるときには、市庁舎建設の第一候補に挙がるほどの好立地です。地元住民からは、「桐生市とみどり市がともに発展するためにはどういった施設が良いのか、両市で検討してほしかった」「これで合併はなくなった」などの声も聞かれました。

 地元経済に大きな影響を及ぼす可能性がある今回の事業者選定、桐生市がみどり市内に所有する土地だけに、桐生市にはみどり市の地元住民や各界にていねいな説明が求められます。