岩宿博物館が開館30周年 〜記念式典と岩宿文化賞授賞式 2022.11.15

須藤市長、来賓、受賞者らが記念写真。
記念講演を行う須藤隆司さん。

 日本列島の人類史を書き替えた岩宿遺跡の発掘資料などを展示している岩宿博物館が開館30周年を迎え、記念式典と令和4年度岩宿文化賞授賞式が11月5日(土)、同館展示室で行われました。

 岩宿博物館は平成4年10月1日に笠懸野岩宿文化資料館として開館しました(平成18年に「岩宿博物館」に名称を変更)。常設展示や企画展示を始め、岩宿の里米っこクラブや岩宿探検隊などの体験学習、岩宿フォーラム、郷土史講座などの幅広い取り組みを行ってきました。

 記念式典では、須藤市長のあいさつに続き岩宿文化賞の表彰が行われ、第23回岩宿文化賞(本賞)が須藤隆司さん(高崎市)に贈られました。また、研究奨励賞学生部門では、優秀研究賞が小学生の部2点、中学生の部1点、高校生の部1点に贈られ、そのほかユニーク研究賞1点、努力賞9点が表彰されました。

 来賓あいさつには、相澤忠洋さんの妻で相澤忠洋記念館館長の相澤千恵子さんも訪れ、「相澤の功績が岩宿博物館とともに忘れられないことをうれしく思う。末長い発展を願う」とあいさつしました。その後、受賞者や関係者でくす玉を割り、30周年を祝いました。

 式典に続いて岩宿文化賞を受賞した須藤隆司さんの記念講演「日本列島最初の岩宿人が見えてきた〜岩宿遺跡と香坂山遺跡〜」と学生部門優秀研究賞4人の発表が行われました。須藤さんの講演は、岩宿遺跡や香坂山遺跡(長野県佐久市)で発掘された石器と中央アジアやアフリカの遺跡で発掘された石器との関連についてのもので、岩宿遺跡の持つ重要性を再認識させる興味深い内容でした。学生部門4人のうち最後に発表した曽根旺介さん(芝高等学校2年、東京都)は母親といっしょに表彰式に参加しました。曽根さんの研究テーマは縄文人と稲作についてで、「縄文人の立場になって考えた。自然との共存など縄文人に学ぶことが多かった」と発表しました。

 各賞の受賞者は以下の通りです。(敬称略)

〇岩宿文化賞 須藤 隆司(すとう たかし)64歳 群馬県高崎市在住 明治大学黒耀石研究センター

〇岩宿文化研究奨励賞・学生部門
1.小学生の部優秀研究賞

 秋葉 璃七奈(あきば りなな・みどり市立大間々南小学校6年)
   『みどモスといっしょに岩宿時代へ行ってみよう!』
 伊藤 心結(いとう みゆ・伊勢崎市立赤堀南小学校4年)
   『旧石器時代ってどんな時代??』
2.中学生の部優秀研究賞

 篠原 優花(しのはらゆか・群馬県立中央中等教育学校3年)
   『遺跡から知る人々の暮らし〜みどり市の遺跡をひも解いて〜』
3.高校生の部優秀研究賞

 曽根 旺介(そねおうすけ・芝高等学校2年)
   『縄文人にとって稲作とは何だったのか』
4.ユニーク賞

 江村 誠徳(えむらまこと・群馬大学共同教育学部附属中学校3年)
   『岩宿遺跡の魅力を探る』
5.努力賞

 齋藤 はな(さいとう はな・みどり市立笠懸北小学校6年)
   『石器の材料と種類はなあに?』
 津久井 こころ(つくい こころ・みどり市立大間々東小学校6年)
   『縄文時代と弥生時代の違い』
 石原 百萌(いしはら もも・令和3年制作時みどり市立笠懸東小学校6年)
   『岩宿時代にLet’s Go!!』
 藤生 夏喜(ふじう なつき・令和3年制作時みどり市立笠懸東小学校6年)
   『縄文人ファッション!!』
 峯岸 花歩(みねぎし かほ・令和3年制作時みどり市立笠懸東小学校6年)
   『令和3年創刊第1号岩宿新聞、付録竪穴式住居!』
 関田 比真里(せきた ひまり・群馬県立中央中等教育学校3年)
   『時代とともに変化する石器〜当時の暮らし方から考える石器が変化した理由〜』
 鹿沼 愛俐(かぬま あいり・前橋市立桂萱中学校1年)
   『日本の歴史を変えた旧石器の発見とその時代に迫る
      〜ガスも電気もない時代に旧石器だけを使った人々の生活とは〜』
 相川 幸嬉(あいかわ さき・館林市立第一中学校1年)
   『岩宿時代と縄文時代へタイムスリップ』
 畑澤 実玖(はたざわ みく・桐生第一高等学校1年)
   『縄文人のおしゃれ〜縄文時代の衣服大辞典〜』

(学生部門応募数385点)