ワークショップで計画づくり 〜西鹿田グリーンパーク計画 2022.9.20

参加した市民からは多彩な意見が出されました。

 みどり市が進める西鹿田グリーンパーク計画について、住人の声を反映した実施設計を作るためのワークショップが9月8日(木)午後6時半から、桐生大学グリーンアリーナのサブアリーナで行われ、地区や団体から推薦された参加者が4つのグループに分かれて意見を出し合いました。

 西鹿田グリーンパーク計画は、西鹿田グランドの北東側のくぼ地を埋め立てるなどしてサッカー場と家族連れなどが憩える公園を整備しようというもので、これまでに地元説明会やスポーツ関係者による懇談会を開いてきました。市では、今年度まとめる予定の実施設計に住民の声を反映させるため、都市計画課と社会教育課の合同でワークショップを企画したもので、第1回は「公園全体の使い方について」をテーマに開かれました。

 ワークショップの参加者は、スポーツ協会やスポーツ少年団などのスポーツ関係者、公園利用者として子育て世代や高齢者・身障者、地元地域の笠懸8区・9区・10区、などの団体や地域から推薦された32人。4つのグループに分かれ、最初に事務局から計画の概要の説明を聞いたのち、この計画の実施設計を受託している(株)建設技術研究所の社員がワークショップの司会と各グループのファシリテーターを務め、話し合いに入りました。

 話し合いの時間は約60分。テーブルの中央に用意された図面に、出された意見を書いた付箋を貼ったり、イメージを書き込んだりしながら進められました。参加者からは、「暑さ対策で日陰が必要」「きれいで安全なトイレを」「子どもが遊べる遊具を」「イベントもできる芝生広場があれば」「バリアフリーに配慮して」「サッカー場としての機能をしっかり整備してほしい」など、多彩な意見が出されていて、特に子育て世代の参加者からは「みどり市には家族連れで遊びに行ける場所がないので、大室公園(前橋)や市民のもり(伊勢崎)にいっている」という具体的な声もあり、家族連れで楽しめる公園に対する要望が多く出されていました。話し合いの終了後、各グループから約5分ずつ発表を行い、司会者が意見の傾向をまとめてワークショップを終了しました。

 終了後、参加者からは、「活発に意見がでていて楽しかった」という意見のほか、「意見交換で要望は膨らむが、適正な規模や内容の公園にしてほしい」「要望を聞くというだけの取り組みにしないでほしい」などの声が聞かれました。また、事務局の説明の直後に参加者から、「これだけの資料をその日に渡されて、口早に説明されても十分理解できない。事前に配布してほしい」と事務局の準備に苦言を呈する意見が出され、これに対して事務局からは「次回からはそのように努めたい」との回答が出されるという一幕もありました。

 市では、ワークショップのようすをまとめた『公園づくり通信』を市内各家庭に回覧するということです。第2回は10月5日(水)に「利活用ゾーン・スポーツ施設の使い方について」をテーマに、第3回は11月1日(火)に「公園全体の機能ついて」をテーマに、笠懸公民館で開催されます。

最近多いワークショップを用いた計画づくり

 近年、まちづくりの分野でもワークショップの手法が多く用いられています。様々な立場の住民が集まり、少人数のグループで話し合うことで、いろいろな意見が活発に出されやすいようです。参加者も、他者と協力してものごとをまとめていくことで当事者意識や達成感を持てるといわれています。

 今回のワークショップ第1回の話し合いの時間は1時間程度、合計3回のワークショップでせいぜい数時間の話し合いでは、意見を出しただけで「あとはお任せ」にならないか心配されます。また、ワークショップの対象になっている計画区域の全体面積は9.7ha、うち既存区域(西鹿田グラウンド)が3.3haで新設区域が6.4haです。新設区域は、丘陵地に盛土で造成される土地で、形は細長いく大きな高低差があります。基本計画(素案)の図面を見る限り、サッカーコートとその付属設備、駐車場を除いた残りの面積は広くはないように見えます。事業目的にいう「幅広い年齢層を対象とした憩いの広場」をどうしたら作れるのか、立地なども含めた各種の条件を視野にいれて、じっくりとした議論が望まれます。