阿左美アンダー、いつになったら供用開始? 2022.8.30

工事が止まっている阿左美アンダー(北側)。

 当初は今年5月末の完成を目指して工事が行われていた「阿左美アンダー」の工事は、8月末になっても完成の目処が立っていません。その背景を調べてみました。

 阿左美アンダーは、東武線の北側と南側をつなぐ地下通路で、地域住民だけでなく、笠懸東小学校へ通う多くの小学生や水田への農作業に通う農家などが利用する重要な地下通路です。阿左美バイパス拡幅のため、線路の北側の位置や構造の変更をすることとなりました。

 工事が着手された令和3年に桐生警察署から、「阿左美アンダーを一方通行にする」との連絡が地元区長らに連絡されました。これを耳にした区長らは猛反発し、これまでのように信号機をつけた交互通行を主張しました。12月に入り、警察は地元説明会を予定しましたが自らキャンセル。「検討する」と方向転換しました。

 完成予定時期が大幅にずれ込んだ今年7月に入り、警察からは、「線路南の道路幅が狭く、ガードレールを改修しないと信号機がつけられない」と桐生土木事務所とみどり市に連絡が入りました。これに対して土木事務所は、「線路南に関しては一切関わっていないので手が出せない」、また、「信号機を設置するなら配線等の工事も必要で、どういった構造にしたら良いのか」と頭を抱える状況です。みどり市は、「ガードレールの付け替えには予算組みをしなくてはならない」と、こちらも困ったようすでした。

 工事が遅れているほかの理由としては、阿左美アンダー側道の下水道工事や、県道の水道本管工事なども遅れていることも一因のようです。

 阿左美アンダーが使えない現在、子どもたちは信号機のついた県道を渡って笠懸東小学校に通っています。子どもの安全のためには一刻も早く阿左美アンダーを使えるようにすることではないでしょうか。

 なお、今回の取材にあたり、当事者でもある桐生警察署にも取材申し込みを行いましたが、「区長に説明した後でないと答えられない」とのことでした。