陸上競技場からサッカー場に変更!? 〜グリーンパーク計画 2022.6.21

大ホールで行われた説明会。

 西鹿田グリーンパーク整備事業に関する地元説明会が6月15日(木)にグンエイホールPAL(笠懸野文化ホール)で開かれ、事業の概要が市民に示されました。

 説明会場の座席は、8区、9区、10区、その他市外と区域ごとに分けられていて、50人ほどの市民が説明を聞きました。

 計画されている事業は、西鹿田グランドを含め、今後その北東側のくぼちを埋め立てるなどして整備する9.7haの総合運動公園で、これまで(仮称)西鹿田グリーパークと称されていましたが、今回はこの(仮称)が外され、メインを陸上競技場として説明されて来たものがサッカー場に計画内容を変更して説明されました。

 この点について説明を聞いた住民からは、「これまで陸上競技場の必要性を、県内11市の内で陸上競技場がないのはみどり市だけだとか、高齢者や障害者のスポーツ活動の充実を図るために軽スポーツの場が求められているとか、各地の地域公民館に人を集めてこまごまと説明してきた市が、なぜ突如基本計画を変えるに至ったのか、前計画で訴えていた必要性はどこに行ったのか、高齢化、人口減少化の中で、こうした施設はランニングコストの面から“お荷物施設”となる可能性が高いし、できあがったら早々に県に移管すべきだ、との指摘が従来からされていた中で、内容を変えてまで、ゾンビのように大型公共事業だけが綿々と生き続けるのはどうしてか」との質問が出されていました。これに対して市からは、「市内17の大規模運動施設の稼働率や維持管理費、利用団体からの意見などを踏まえ、統廃合を目的とした再配置検討で近隣自治体の施設整備状況などを考慮して『サッカー専用グランド』となった」とだけ回答し、検討された内容やその必要性、施設の持続性などの疑問には触れず、若干モヤモヤ感の残る後味の悪い説明会となっていました。

 市の説明によると、「西鹿田グリーパーク整備事業」は、「防災機能を備えた公園」「幅広い年齢層を対象にした憩いの広場」「スポーツを中心にした総合公園」、などを事業目的に据え、詳細は、主要施設をサッカー専用グランドとして今後基本計画の中で仕様を検討するとしています。事業区域は全体で9.7haになり、西鹿田運動場2.9haや連絡通路0.4haなどを含めた既存が3.3ha、サッカー場を中心にした新設が6.4haとなっています。

 メイングラウンドとなるサッカー場の大きさは、成人用で日本サッカー協会規格である105m×68m、少年用コートは同グラウンドを使用し68m×50mの2面のピッチを確保することができるとしています。西側に設置する芝生スタンドには観客約800人の収容が可能な規模とし、夜間照明を6基設置します。フィールドは人工芝または天然芝で、競技団体などの意見を踏まえて今後選定していくとしました。しかし担当者は、天然芝は休養期間が必要になることなどから人工芝になるだろうと後に話していました。

 これまで200mトッラックのサブグランドを計画していた北側のエリアは、広い屋外空間を生かした自然空間として、今後市民の意向を把握して具体化を検討するとし、駐車場は120台分を確保し、クラブハウスには管理室やトイレ、ロッカー、シャワー、休憩室、談話室なども設置するとしました。

 既存エリアである西鹿田グラウンドについては、基本はサッカー専用とし、状況に応じて野球との併用を図り、防災面では、避難場所等としても位置付けがあり、多目的な活用を継続するとしています。

 今後のスケジュールでは、今年度中に基本計画策定や実施設計を行い、盛土造成工事を6月以降に令和6年度中の完了を目指して実施し、総合公園施設工事を令和6年度から始めるとしています。また、土砂の搬入に当たっては、周辺環境と土地造成地盤の安全を確認するため学校関係者や地域住民、関係機関などからなる連絡協議会を設置し、現地の盛土状況や周辺環境の安全を確認しながら進めるとしています。なお、全てが完了し開園する時期については、市は明らかにしていません。

 平成27年度から始まった事業計画は今年で8年目。長い年月がかかりましたが、まだまだ完成までには時間が必要なようです。一方、市民からの関心や期待は依然として低いようで、これまで議会でどのような討議がされてきたのかさえほとんど伝わっていません。こうしたことから、地権者の多い8区区民の中からも事業に疑問の声がくすぶり続けていて、この大型公共事業にこのまま突き進んで良いものか、今一度じっくり考えてみる必要がありそうです。