自校方式の学校給食を守りたい! 〜保護者らが勉強会 2021.7.27

笠懸公民館で開かれた勉強会。

 みどり市教育委員会が、設備等の老朽化が課題になっている笠懸地区の学校給食について、将来的には「センター方式が望ましい」と決めたことから、「おいしい自校方式を守りたい」という保護者らが中心になり、7月20日(火)、笠懸公民館で教育委員会の職員を招き勉強会を開きました。

 現在建設が進められている笠懸西小学校には給食室が作られず、大間々給食センターから届けられることになっていることや、教育委員会が「みどり市学校地区学校給食提供方式検討委員会」の報告を受けて検討した中で、将来的な方向としてセンター方式が望ましいと決めたことから、保護者や市民の中に自校方式の学校給食を守れないかという声が多く聞かれていました。「何とかしたい」「まず勉強から始めよう」ということで、小学生を持つ根岸佳世さん(40)らが呼びかけて勉強会を開催したもので、保護者や学校給食に関心を持つ市民ら25人が参加しました。また、コロナ禍で公民館の各部屋の利用定員に制限が設けられていることから、Zoomミーティングを利用して自宅からでも参加できるという対応もとられました。

 今回の勉強会には、教育委員会から正田教育総務課課長、小倉大間々給食センター主査、黒澤教育総務課課長補佐の3人が出席し、検討委員会報告の概要に沿ってみどり市の学校給食について、提供方式の比較、概算費用の比較、検討内容の評価、総合評価などの説明が行われました。

 提供方式の比較では、@栄養バランスに配慮した美味しい給食、A安全安心な給食の提供、B食物アレルギーへの対応、C食育の推進、D概算費用等、について検討されていて、それらの評価では、自校方式は@Cで優位、センター方式はABDで優位とし、総合評価では、「食の安全を最優先」に考え「運営経費を抑え持続可能な給食施設運営」で優位ということから「センター方式を採用することが望ましい」と結論付けています。教育委員会では、検討委員会の報告を受けて検討を重ねた結果、笠懸地区全体の学校給食提供方式としてセンター方式とすることが望ましいと判断したこと、将来的にセンター方式に移行していくことについて市民を対象とした説明会を開催するなどして理解を得ていきたい、ことなどが説明されました。

 説明後の質疑では、コストの算出についてや検討委員会委員の男女比(委員は男9人・女3人)についてのほか、「検討委員会を傍聴したが、センター方式中心の資料のように感じた」「アレルギー食対応で一番間違いやすいのは“人”。センター方式の方が事故が起きやすいのではないかと心配」「一番大切なのは食育。作っている人が見えることが大切ではないか」など、自校方式の継続を訴える意見が多く出されていました。「自校方式の余地はあるのか」の質問に対し職員からは、「センター建設が決まったわけではなく、これまで以外の観点からの意見を聞きながら検討をしていきたい」との話があり、「これから説明会を開きながら市民の合意を得ていきたい」と話しました。

今後も勉強会や議会への請願などの取り組み

 勉強会が終わり根岸さんは、「今後も勉強会を続けるとともに、議会に請願も出していきたい」と話し、参加した保護者や市民から賛同の声が出されていました。笠懸地区の学校給食がこれからどうなるのか、大きな関心が寄せられています。

 →説明資料「『みどり市笠懸地区学校給食提供方式検討委員会』報告書の概要整理」(PDF)