“私のワクチン接種体験記” 東毛ワクチンセンターにて 2021.6.8
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経過観察会場は不安と安堵が・・・。 |
群馬県の東毛ワクチンセンターが太田市安良岡町の旧韮川西小学校に設置され、6月1日(火)から65歳以上を対象にした新型コロナワクチンの接種が始まりました。スマートフォンで予約の取れた私は、この日に1回目の接種を受けてきました。
スマートフォンの操作が得意でない私に夫が、「コロナの予防接種をするなら、LINEで友だち登録できたかい。おれはしたよ」と得意そうに言いました。
「自分で予約する」と決め、何度か試みて5月25日にLINEの群馬県デジタル窓口で友だち登録し、受信設定も済ませました。29日に、「東毛ワクチンセンター予約開始のお知らせ」と、「ただいまみどり市に住民票がある接種券のある方について予約できます」のメッセージが入りました。ドキドキしながら予約開始の10時に接種券を手に無言で入力を開始。予約内容を確認し、予約完了ができたのが10時15分でした。その場にいた友人に「私にも6月1日11時で予約できた!」と思わず伝えました。その友人はスマートフォンではなくガラケーのため、予約は直接医療機関で行うようでした。
接種当日は、予約時間に遅れてはいけない、忘れ物はないかと書類も確認し、余裕を持って自宅を出ましたが、国道50号の阿左美で2か所の道路工事があり、一車線通行で渋滞に巻き込まれました。それでも受付け10分前には会場入口に到着でき、検温して受付番号を受け取りました。「11時受付」の看板の脇に並べられた椅子には35番までありました。
着席すると、スタッフから「予診票に未記入がないか確認してください。免許証等の身分証を事前に用意し、接種券を出して順番を待ってください」と聞かされ、同時に渡されたのは新型コロナワクチン接種後の注意点の印刷物。他のスタッフからは「本日は初日の接種で取材が入ります」と、取材の了解を求められました。
「モデルナとファイザーの副反応の違いはあるのかな」「集団接種でよかったかな」「副反応がでたらどうしよう」と、順番を待つこの期に及んで自問しました。うしろの席に笠懸在住の顔見知りのご夫婦がいて、「基礎疾患がありみどり市の65歳以上の予約受付を待てないので、今日の接種の予約がすぐ取れよかった」と話していました。
接種券と本人確認、予診票の確認、医師の接種許可、ワクチン接種、接種後15分から30分の経過観察の待機会場へ、スタッフと矢印の誘導で会場となっている教室を順に進みました。経過観察会場では、テレビモニターで新型コロナワクチン接種後の注意点を説明していました。そのモニターの上の壁に、このために用意したであろう大きなデジタル時計があり、その時刻を見ながらファイルに記載された時刻を待ちました。
「どうか副反応がありませんように」と祈りながら、ただただ待ちました。周囲の人々も同じ気持ちなのか、入室し着席した時の不安そうな姿と退席する時の不安が消えた安堵の姿が、経過観察会場で交互に繰り返される不思議な空間でした。
「まわりの方で具合の悪そうな方はいらっしゃいませんか。気分の悪い方はお声かけください」と肉声が聞こえ、気付かされた他者の存在でわれに返りました。「2回目の接種は29日。本日の時間と同じ時間です」と印刷された用紙が手渡されました。1回目の予約で自動的に次回の予約も済んでいました。
出口の縁石に心配そうなようすで腰をかけている桐生から来たという婦人がいて、「主人といっしょに予約をとろうとしましたが、ほんの少し時間がずれただけで主人は今日の接種ですが私は明日になりました」と話していました。2人なら安心なのでしょうか、夫婦連れが多く見えました。
接種は、検温から退場までおよそ30から40分で何事もなく終了しました。接種3日後の現在、腕の痛みは、治まりました。
遠方の息子家族と私たち家族は、感染予防を徹底するため外食もせず、外出も控えて、来客も断っていました。食物アレルギーで、アナフィラキシ―の既往歴がある孫もいます。職業ゆえに家族感染のリスクが高く、その不安が日常的にありました。私は今回、勤務先や周囲への感染を避けるために集団の予防接種を希望しました。
東毛ワクチンセンターでは、初日は100人接種を済ませたそうです。これから本格適用されると一日当たり1,000人の接種を目指すそうです。