なつかしい群響の“移動音楽教室” 3/28にパルで 2021.2.23

 
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 3月28日(日)午後3時から、笠懸野文化ホール〔 PAL〕で、群馬交響楽団(群響)の「もう一度、移動音楽教室〜そして未来へ〜」が開催されると知りました。“移動音楽教室”その言葉の響きが懐かしく、半世紀以上前、小学校の講堂の床に腰を下ろし、目の前で演奏される楽しい音楽や美しいメロディーに、緊張しながらも心躍らせ聞き入っていたことを思い出しました。

 移動音楽教室は第1回が1947年(昭和22年)5月29日に安中市で行われました。1982年に「3年に1度オーケストラを聞く」という群馬独自のシステムができあがり、2019年までに642万人以上の児童・生徒が鑑賞しています。ちなみに令和2年5月1日付県統計による群馬県内の小学校は312校、中学校は168校です。昨年、今年と新型コロナウィルスの影響で演奏会が開けない状況ですが、群響事務局によると例年は移動音楽教室として小学校・中学校を対象に年75回ほどの演奏会を開くそうで、午前午後の2回の演奏会を行うこともあるとのことです。演奏曲としては、ヴェートーベンの交響曲第5番『運命』の第1楽章や、2017年までは『八木節』、2018年からは『草津節』が定番曲とのことでした。70年を超える県内各地での演奏活動は群馬県の文化の象徴として、県民に幅広く認知・支持されています。

 そんな“移動音楽教室”と銘打ったコンサートは楽しいこと間違いありません。「昔、学校の体育館で聞いたけど、その後はクラシックに縁がないなあ」という方も、久々に群響の音楽に触れてみませんか。詳しくは笠懸野文化ホールまで( 0277-77-1212)。

群馬交響楽団(群響)は1945年、高崎市民オーケストラとして創設。翌年、群馬フィルハーモニーオーケストラと改称、1963年に現在の名称になりました。群馬県外の方々には1955年、群響をモデルとした映画『ここに泉あり』で広く知られ、その後2003年にNHK「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」で群響の草創期、「第九への果てなき道〜貧乏楽団の逆転劇」が紹介され、改めて全国的に知られました。2020年に創立75周年を迎え、定期演奏会の拠点が2019年10月から群馬音楽センターから同年9月に開館した高崎芸術劇場に移りました。

一昨年行われた移動音楽教室のようすです。右側は笠懸野文化ホール〔PAL〕で行われたときのものです。(写真提供=群馬交響楽団事務局)