前月へ 翌月へ 以前のPreface/Monologue(index)に戻る ホームページに戻る 頁末尾へ
ここまでのCover Photo:八幡平、朝の黒谷地湿原
1 Aug 2018
富士山の5合目より下を歩くのが人気だとか。
駿河湾の波に足を付けてから、とか、
日本橋から、とか、下から歩き出して山頂まで、
というのは耳にしたものの、
純粋に、山頂を目指さない山歩きだとのこと。
史跡は5合目以下に多く(人間の生活圏に近いのでそれはそのはず)、
高度を上げるに従い林相が変わるのも愉しいらしい。
なにより、あの渋滞登山をしないで済む。
富士山は眺める山だと決めていたけれど、
今夏とは言わないものの、いつかはもう少し麓を歩いてみようかと。
いまのところ、青木ヶ原を少し歩いた程度なので。
5 Aug 2018
ダメだ暑すぎる。
7 Aug 2018
先日、史上稀な奇矯さの台風12号が来たと思ったら、
もう13号が接近中。
今回も関東目がけてやってくる。
おかげでやや涼しくなったのはいいけれど、
雨が降るのもいいけれど・・・
すこし回復時間をくれないかなあちこちに。
10 Aug 2018
自分の目先の利益ばかり求めるのがやたら目立つ昨今。
そりゃ昔からいただろうけど、いまは恥も外聞もなく。
そして寄らば大樹の陰。
これが彼らの目指していた”活力ある社会”ってやつなのかな。
どういう活力って、たぶん、人を押しのける活力なのでしょう。
とくに弱い立場の者を。
11 Aug 2018
本日は山の日。
天候不順の予報が出ていたので、じっと家にいた。
少し先の夏期休暇の予定を考えたりする。
夕方、家人が買ってきてくれたスイカを食べた。美味かった。
昨年は食べなかった気がする。
季節モノは、その季節に。
16 Aug 2018
録画していたNHK『霊界百名山』。
実際に経験したひとの語る怪異。
百名山と言いながら7山しか出てこないし、
地方の、初めて名を聞く低山も多い。
しかし引き込まれる。
霊山白山で無人小屋に入り込んできた錫杖だけの音。
大峰山系の僅か15分の、それも下り道を1時間もワンデリング。
富山の山里に四十二代続く温泉宿で走り回る座敷童。
最初のこの3エピソードが秀逸。
3人がかりでようやく開けた立て付けの悪い扉を勢いよく開けて、
鈴の音だけが入り込んでくる恐怖。
しかもその前に小屋の屋根の上を杖で突き鳴らした上で。
なぜ下り道なのにワンデリングする?
二人で歩いていて、二人が二人とも、
世界がセピア色に変色していくのを体験してもいる。
そのとき、二人はいったいどこを歩いていたのだろう?
お客がみな出ていったあとの宿の大広間、ぱたぱたと走り回る足音、
意を決してそっと戸を引いてみると、着物姿の少年少女が一瞬。
いまはもう足音が聞こえない。帰ってきて、と山に叫ぶ女将。
じつはこれら怪異に出会えたことは幸運だったのかも。
いやテレビに出られる機会が得られたからではなく。
なにか、世界の豊かさみたいなものを知ることができたという意味で。
さてもさても、
水の美味い、山菜が豊富な温泉宿の、
座敷童が走り回っていた広間に、行ってみたいものだと。
19 Aug 2018
栃木にある高原山の一峰、鶏頂山へ。
これが、
・登路を間違えて大回りになる、
・すべての立ち寄りポイントに立ち寄る、
・そもそも近ごろ登ってなくて体力筋力が低下
という諸条件が重なり(自分で重ねている気もするが)、
昼前には着くはずの山頂到着が昼もだいぶ過ぎてからに。
周囲はガスが上がって展望なし。
そうか夏山か。
夏山ならそうなること・・・ガスが上がってくることは、予想してしかるべきだった。
高原山の最高点である釈迦ヶ岳も立ち寄り予定にしていたけれど、
大展望のはずが何も見えないのではと、中止に。
疲れていたのでちょうどよい言い訳にもなったかも。
高原山、侮り難し。
しかし新たな再訪先が増えたのは喜ばしい。
涼しくなったらまた考えよう。
20 Aug 2018
日曜日に高原山に登る前日、
宇都宮に出て、美術館に寄っていた。
そこでの企画展は、わりと観念的なテーマが。
水平に放射されていた視線の歴史のいっぽう、
高みからの垂直方向に注がれる視線も存在し、
かつ新たな展開も生まれていることを示すというもの。
遙か上空からの/上空への目を意識する試みなので、
展覧会タイトルが「天気予報」なのだろう。
ちなみに天気図は展示されていなかった。
本展での目玉と思えるのは、一つは半世紀近く前、
アメリカのソルトレイク湖に造築された”螺旋状の突堤”、
spiral jettyのドキュメント映画。
「ランドアートの記念碑的作品」だそうだが実物を現地に見に行くのはキビしい。
なので大画面で上映されるのを目の当たりに出来たのは意味があった。
重機で造営された突堤が、光り輝く湖面に浮かび上がり、傾き、広がるのが、
ヘリのなかから見下ろされる。
しかしなにせ1970年に16ミリで撮られたもの。
画面の褪色は覆うべくもない。
また、「これってじつは環境破壊では?」という懸念も、
見ているあいだじゅう。
同じランドアートであれば、
札幌のモエレ沼公園のほうが安心。
こちらは再生の物語であるし。
さて、もう一つの目玉が、下記写真。
(フライヤーの下部のみ切り取り。)
これはとある日本のダムの写真。
見上げる角度での、壁面全体を覆う写真が展示されていて、
スケール感が得られてかなり満足。
ちなみにこの作品『花ざかり』は、アーチストの設計に従って、
ダムの表面の汚れを落として花を表したものだという。
残念ながら、2008年に作成されたものの、
わずか3年ほどで元に戻ってしまったとか。
遠くはプトレマイオスとかコペルニクスとかの世界を俯瞰した図版など並べ、
天文学や地理学とアートとの協働が少なかった旨のキャプションがあったけど、
宗教的観点での考察はすくなかった気が。
神の視点であれば、古代からいくらでもあったはずだし、
なにより、ナスカの地上絵とか、イングランドのホワイトホースとか、
世界的に著名なものは言及してもよかったのではと。
展示品は基本的に会場の栃木県立美術館所蔵のものが多く、
学芸員のアイディアと気概で面白いものがつくれるという見本だった。
とはいえそこここに掲示されたキャプションは、
高踏趣味というか、衒学気味というか、
とっつきがよくなかったけれども。
(かくいう自分もかもね)
ここ数年、こういう、
観光(街巡りとか美術館巡りとか)と山行を掛け合わせた企画が多い。
かつては休み初日の早朝から家を出て、
めいっぱい山に時間を割いていたものだけど。
遠出したくなる理由は多いほどよい。
現地滞在日数は増えるけど。
よく言えば多趣味化、悪く言えば体力と意欲の低下かも。
23 Aug 2018
仕事帰りに映画館に立ち寄って、『オーシャンズ8』。
女性ばかりがチームを組み、1億5千万ドルもする宝石を、
NYのメトロポリタン美術館で催されるイベントのさなかに
盗み出そうというもの。
自信に溢れた女性たちが多い中、
崖っぷちデザイナー役のヘレナ・ボナム=カーターと、
盗みの道具にされる女優役のアン・ハサウェイが、
いちばん血が通って見えた。
とくにアン・ハサウェイは唯一の汚れ役で、なおのこと目立つ。
ところで、タイトルに”8”とあるのに、実行犯は7人。
どういうこと?と思っていると、そう来るか、というオチが。
前半やや中だるみしかけた気もするけれど、
爽快な映画ではありました。
29 Aug 2018
帰宅時、
夜でも(街灯にだまされて)喧しく鳴いていたセミの声が、
もういっさい聞こえない。
そのかわりに耳にするのは秋の虫。
三通りくらいは聞き分けられるけれども、
どれがどれだか。
今月7日の立秋は遠く、すでに23日の処暑も過ぎ、
秋分まで一ヶ月を切っている現在でも、
まだまだ暑さは続く。
前月へ 翌月へ 以前のPreface/Monologue(index)に戻る ホームページに戻る 頁先頭へ
Author:i.inoue All Rights Reserved