論理学 ―その孤独な散歩道―
例題の解答
例題1 「論理学の単位下さい!」(祈願文?あるいは、命令文)、「君はなんて頭が悪いんだろう!」(感嘆文)、「論理学の勉強に意味があるんですか?」(疑問文
ただし「意味ないじゃん」という意味で使われた修辞疑問文である場合は話が別かも)など。
例題2 「君の頭が悪いから、こんなのも分からないんだよ。」(「僕が分からないのは、先生の説明が悪いせいです」ということも十分考えられるので、実際に調べて見ないと因果関係は確定できない。だから理由を表わす接続詞は真理関数として処理し難い。)など。他にも、下に出てくる、「〜は必然である」「〜と信じる」なども同じ。
例題3-1 試験に出したりする可能性もあるので、略。
例題3-2 (A⊃B)⊃B 答えを見ずに、これが分かったら偉い。
例題4-0 (「ならば」で前件が偽のとき真理値が真になるのはなぜなのか、答えなさい。)
近々書きます。
例題4-1 簡単なので略
例題4-2
A | B | A⊃B | (A⊃B)⊃A | ((A⊃B)⊃A)⊃A |
1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
1 | 0 | 0 | 1 | 1 |
0 | 1 | 1 | 0 | 1 |
0 | 0 | 1 | 0 | 1 |
例題5 A≡B は (A∧B)∨(¬A∧¬B) と書き換えられるから、
A≡B
/\
A ¬A
B ¬B
になることは分かるだろう。(以下略)
例題6a
A⊃Aの証明(書くのが面倒なので、略)
例題6b
ルカシェヴィッツの公理系Lによる、A⊃Aの証明
1 (A⊃((A⊃A)⊃A))⊃((A⊃(A⊃A))⊃(A⊃A)) 公理2
2 A⊃((A⊃A)⊃A) 公理1
3 (A⊃(A⊃A))⊃(A⊃A) 1と2に推理規則1
4 A⊃(A⊃A) 公理2
5 A⊃A 3と4に推理規則1
例題7−1
A A⊃B A A⊃(B⊃C)
B B⊃C
C
A⊃C
(A⊃B)⊃(A⊃C)
(A⊃(B⊃C))⊃((A⊃B)⊃(A⊃C))
例題7−2
¬A ¬A⊃¬B
B ¬B
人
¬¬A
A
B⊃A
(¬A⊃¬B)⊃(B⊃A)
例題7−3 A∨(B∧C)⊃(A∨B)∧(A∨C) の証明
略
例題7−4
A
A∨¬A ¬(A∨¬A)
人
¬A
A∨¬A ¬(A∨¬A)
人
¬¬(A∨¬A)
A∨¬A
(同じ仮定を二度使って二度矛盾を導くのは、この形の基本的なテクニック)
例題7−5
((A⊃B)⊃A)⊃A (パースの法則)も同様にして証明できる(面倒なので、略)。
例題8
無矛盾性の証明は、そう難しくない。
まず、補助定理「公理系で証明できない命題が存在すれば、その公理系は無矛盾である」を証明する。
無矛盾性の説明のところで書いている要領でやれば、「公理系に矛盾があるなら、その公理系では全ての命題が定理となる」というメタ定理は簡単に証明できるから、その対偶をとればよい(補助定理の証明終り)。
次に、その公理系では証明できない命題が存在することを証明する。
そのためには、命題の持つ性質の中で、次のような性質δを見つけてやればよい。
1)要素命題pはこの性質δを持たない。
2)公理はすべてこの性質δを持つ。
3)性質δは遺伝する、つまり、性質δを持つ命題に推論規則を適用して得られた命題もその性質δを持つ。
これには、「トートロジーである」という性質を利用すればよい。
つまり、任意の要素命題 p は、1と0という二つのどちらの値も取りうるとし、その上で、上の真理関数と同じように値を割り振る付値関数(ルカシェヴィッツの公理系Lを使うと、v(¬A)=1なのは、A=1のときに限り、それ以外は0、v(A⊃B)=0なのは、A=1かつB=0のときに限り、それ以外は1。)を導入すると、
1)要素命題には、「常に1の値をとる」という性質は属さない。
2)調べてみれば公理にはすべて、「常に1の値をとる」という性質が属していることがわかる。
3)AとA⊃Bがともに1の値を取るならば、上の付値関数の定義によって、Bは常に1の値を取る。
したがって、要素命題pはこの公理系では証明できない。
よって補助定理により、この公理系は無矛盾。(証明終り)
完全性の定理の前半(健全性)の証明も難しくない。上の無矛盾性の証明が既に健全性の証明になっている。(証明終り)
(完全性)は、ちょっと面倒かもしれないので、頁を改めて解説する。→完全性の定理
例題9
4)¬∃x(Kx∧Pxa)
5)∀x(Pxa⊃¬Kx)
例題10
例題11
疲れてきたので、略
直観主義論理
問1a
(ド・モルガンの法則の一つ ¬(A∧B)⊃(¬A∨¬B)
が直観主義では証明できないことを示しなさい)
¬(A∧B)⊃(¬A∨¬B)の証明図において
A B
A∧B ¬(A∧B)
人
¬A
¬A∨¬B ¬(¬A∨¬B)
人
¬B
¬A∨¬B ¬(¬A∨¬B)
人
¬¬(¬A∨¬B)
¬A∨¬B
¬(A∧B)⊃(¬A∨¬B)
下から3行目から2行目にかけての二重否定の除去法則が使えないので直観主義では証明できない。
これは厳密な意味での証明ではないが、納得できれば良い。
因みに、他の三つのド・モルガン法則は証明できる。
問1b
(¬¬¬A⊃¬Aの証明図を書きなさい)
A ¬A
人
¬¬¬A ¬¬A
人
¬A
¬¬¬A⊃¬A
問2
(第二対偶法則(¬A⊃¬B)⊃(B⊃A)の反証モデルを作りなさい。)
(略)
問3
(¬¬p⊃p をタブローで分析しなさい。)
¬¬p⊃p -0
|
0R0
0R1
¬¬p +1
p -1
1R1
|
¬p -1
|
1R2
p +2
○
W={ w1, w2 }, w1Rw1, w1Rw2, V(p, w1)=0, V(p, w2)=1
p がw2で真だから ¬pは w1で偽(pが証明されたら矛盾という訳ではない)、また¬¬pはw1で真(¬pが証明されたら矛盾)、
よって w1 で ¬¬p⊃p は偽となる。