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山小屋製作日誌
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アルムの山小屋製作日誌 めざせ標高1111メートル
あるいは夏休み自由工作研究(^ ^;)


アニメ高畑ハイジの背景。研究者からご提供受けました。m(_ _)m


 8/23

 小学校の夏休みもカウントダウンに入りました。
 どーしょーかと悩んでるたくさんの親子が参考になさるには間に合わないので申し訳ないですが、楽しい工作を開始いたします。

 「ハイジの研究」は真剣で深く、だけど楽しく、そして時々ワルノリもしたいです。
 このテーマは明らかに後者になります。(^^ゞ

 今年の5月で終わってしまいましたが、ジブリ美術館の展示すごかったです。
 なかでも誰もが目をひきつけられたのは、やはり前代未聞のあの巨大ジオラマだったことでしょう。

 ハイジの山小屋は、昔から何回もミニチュア・ドールハウスとして製作されていて、いくつか写真を見たこともありますが、ジブリ・ハイジ展ジオラマがひとつの頂点であることは疑う余地はありません。
 まだ見てませんが、ジブリと入れ替わりに山梨に開園した「ハイジ村」にも巨大ジオラマが作られたそうで、これも楽しみです。


 ハイジの山小屋模型は、ファンなら見ると誰でも欲しくなります。
 私も欲しいと思いつつ,なかなか手に入りませんので、いつか作りたいなあ。とひそかに思っておりましたが、ジブリのジオラマで決意が固まりました。

 有名な話ですが、現実にスイスの山の中に、アニメの山小屋とそっくりな建物があります。
 しかし写真を見るとどなたでも「?」と思うのが、どうもアニメのものと全体的な雰囲気は同じものの、構造や大きさも違うようです。
 「丸窓が四角になってる!(ガクゼン)」と、細部を見るとまるでちがっている・・のです。


 アニメの山小屋は、製作に先立って現地の山小屋をロケした高畑勲・宮崎駿はじめスタッフの皆様がイメージをふくらませたものです。

 あくまでもアニメの設定は、その時得られた知識を使って、物語の展開上の必要に応じてアレンジしたわけで、現実とピッタリ同じではないし、同じにする必要もありません。
 

 主な相違点をあげてみます。(多くの人々の指摘のパクリ、あるいはまとめです)

1.      二階の窓の形が違う アニメ丸窓 現物4角 (原作は 丸窓 です)

2.      入り口横の向かって右側の窓がない。

3.      煙突の位置が左右逆で、アニメ版は右後ろ、実物は左中央

4.      実物は一階の部屋の後ろに小部屋が二つあり、キッチンと物置になっている。

5.      おじいさんの道具小屋は、アニメは家と同じ奥行きがあるが、実際は2/3程度しかなく、余った空間にトイレがある。

6.      二回に上がるには、アニメは左前方のはしご、実物は中央右よりの急勾配階段


 3本のモミの木がない(おととし、植えました 苦笑)とか、
 水場がない(どうやら設置する気らしい)とか、
 ヤギ小屋が単なる物置(飼いはじめたらしいオイオイ)・・・と、その他にもツッコミどころ満載です。

 参考・ アルムの山小屋 ねこばすちゃん著 
      ハイジの干草のベット(外部リンク) 

 そして、昨年、ヨーロッパ旅行から帰られたチョナン様より、アルムの山小屋実測図
 をご提供いただきました。この画期的データはなんとかして活かさねばなりません。

 では縮尺をどうするか・・・です。
 山小屋作ってもキャラクターがいないとさびしいので、コカコーラのオマケフィギィアを使おうかと思います。(2003/11コンビニ限定 ペットボトル付属)



 このフィギィアのおんじの身長が53ミリ。一方山小屋のドアのサイズは180CMです。
 アニメのおんじは大変大柄に見えます。
 現在のスイスの成人男性の平均身長はわからなくてドイツは180CM。
 しかし第二次大戦前後は今より6センチは低く、19世紀はさらに低かったそうです。

 こんなことを昨年・掲示板で書きますとチョナンさんからメールをいただきまして、山小屋の鴨居の高さですが、地面から180センチくらいで、正味は175センチぐらいらしいです。

 すると、あの山小屋建設時の平均身長は165センチぐらいだったかもしれませんね。
 建設年代を推定する手がかりになるかもしれません。
 なんだか(やっと)親近感沸いてきます。
 ということで、おんじの身長は推定170cmとすることにしました。

 5cm余裕があれば「カモイ」に頭をぶつけることもないでしょう(^ ^;) ということで、縮尺は1/35で決定です!

(脱線しますが、ちなみに現在の日本の平均身長は男性で170cm、19世紀末は155cmぐらいだったそーです。
 幕末の坂本竜馬は大男だったとされます。1870年ころです。
 推定では173センチ。今から考えると、ぜんぜんたいしたことないです。でも平均身長が155センチだったら平均から20センチ近くもオーバーするので・・・ということみたいです。)

 また、ねこばすちゃんさまからも書き込みいただいて、
「おんじが 170 cm 位だとすると、ハイジは、試練前が 74 cm、試練後は 85 cm 位ってことですかね (^^; ウ〜ン。ちなみに、ペーターやクララは 106 cm 位になります。」

 とキャラクター換算表から逆算していただきました。なるほどです。

 身長について考えてると、当時における、肉体的特徴・栄養・社会状態なども考えてとらえる必要性が浮き彫りになってまいりました。
 「名作」の世界が「現代の現実」の世界に接続したらどうなるか。世界が生き生きとしはじめます。ワクワクするものがあります。


 計算して縮尺が決定して、ポイントもできてきました。
 それでもいきなり木を削ったりなんだりは無謀なので、設計図をつくりにかかりましょう。

 と思って、パソコン上でいろいろ線をひいても、いまひとつピンとこない。
 では。と下準備でボール紙で作ってみると、これもいろいろ直したりなんだりとボコボコになってしまいました。
 考えれば、小学生の工作の宿題を手伝ったのもずいぶん前の話です。

 手っ取り早く感じをつかむために、テスト用として、まず「LEGO」で作ってみることにしました。
 昨年末のことです。実際の形にしてみるとどうなるか、自由に組み立てできますし、縮尺が正しいか、判断材料にもなると思ったからです。

 知り合いの子ども達が小学生のときに買ってあげてのめりこんでいたLEGOですが、使われなくなった青バケツ二つと特殊セットをかき集めて、とりあえず組んでみたのがこちらです。



 ・・ぜんぜんパッとしませんよね。がっかり。

 LEGOでリアル世界を表現する限界を感じます。(私の才能のなさもよくわかります)
 さあ、山小屋はうまく出来上がるのでしょうか?

  山小屋制作日誌2 へつづく

2006/8/25