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紹介したい資料(一部未収集のものがあります)

題名  アルプスの少女 少女小説


石原千代
出版社 : 春秋出版社 220頁  発行日:1951/10/10昭和26  価格: 80円

説明 
舞台を日本アルプスにしたハイジの翻案小説。完全に日本化。まじめな作品となっている。
あらすじ
「主人公は、スキーの名手で純朴な山娘「雪」。北アルプス(白馬?)の山小屋におじいさんと住んでいる。
 スキーを楽しむために東京から兄たちときた17歳の美沙子が遭難したのを、雪は命がけで助けて友達となる。
 やがておじいさんが亡くなり、一人となった雪は伯父に引取られ農作業や牛の世話をするが、病気の伯父一家を助けるため東京・日本橋に住み込みの下働きにでることになる。同じ東京だが、美沙子に頼らず自分の力で生きようとする。
 働き先で誠実に働くが、窃盗事件がおきて疑いをかけられつらい思いをする雪。しかし優しく思いやりがあることで思わぬ解決をもたらす。
 一方、美沙子は病気になる。心細い美沙子の希望で、兄たちは消息のわからなくなった雪を手をつくして探し出す。雪は美沙子に再会し、そばで看病することになり、やがて美沙子は回復する。
 二人は東京で一緒に暮らすが、山への郷愁に心をいためて悲しむようになる雪。シベリアに抑留されていた雪の兄がもどり、多くの人の助けによって山小屋が再開され、雪は山へと帰っていく。」


題名 (創作)おとしばなし集 集英社e文庫 電子文庫パブリより T-TIME形式

石川淳 
出版社:集英社 データ容量:96kb 発行日:1952/11 2001/4/20 価格:350円

説明
江戸戯作の軽妙な話体による“おとしばなし”と、小公子やアルプスの少女など世界名作のパロディ集。「アルプスの少女」は雑誌「文芸」昭和27年11月掲載を所収(宣伝紹介文から)

ハイジの世界を不可思議に描いている。それなりの味わいはあるが、原作になにかつけくわえられるものはない。
(左は著作権法で許可されているごく一部分の引用)
「ハイジ大百科」様の紹介ページ「トピックス 判明!日本人作家により書かれた謎の「その後のハイジもの」小説の情報」


題名 (創作)ハイジの子どもたち フラワー・ブックス村岡花子名訳集No.2


チャールズ・トリッテン 村岡花子訳 
出版社:朋文堂 304頁 発行日:1959/12/10 価格:250円

説明
トリッテン版ハイジ続編の日本初訳。
第一部「ハイジの成長」第二部「ハイジの子どもたち」
もともと二冊だったが一冊にまとめられた。読売新聞版では元の2冊にわかれた。


題名 (創作)それからのハイジ


シャルル・トリッテン 各務三郎訳 
出版社:読売新聞社 245頁 発行日:1979/10/15 価格:780円(再版決定

説明
別の作者による、ハイジの続編。
原著は1939年?発刊  Heidi Grows Up by Tritten, Charles.
著者はフランスのハイジ翻訳者。他のスピリ作品や赤毛のアンの続編などを参考にしていると思われる。出版当時、海外でベストセラーになった。
14歳になったハイジはクララのすすめにより寄宿学校へと入る。バイオリンをおぼえ、新しい友達をつくる。やがて愛するふるさとに戻り、デルフリ村の学校の先生となる。


題名 (創作)ハイジのこどもたち


シャルル・トリッテン 各務三郎訳
出版社:読売新聞社 218頁 発行日:1980/03/15 価格:780円

説明
原著は1939年?発刊 Heidi's Children. by Tritten, Charles.
「それからのハイジ」の続編。
ペーターと結婚したハイジは、ある女の子をひきとり育てる。そして、おじいさんの過去が明かに。
偶然の謎解きで過去の事実がわかるのは「アルプスの白ゆり」を連想させる。


題名 (創作)ハイジの青春 アルプスを越えて ハヤカワ文庫


フレッド&マーク・ブローガー 堀内静子訳
出版社:早川書房 194頁 発行日:1990/8/15 価格:380円

説明
原著も1990年刊行 COURAGE MOUNTAIN The Further Adventures of Heidi by Fred and Mark Brogger ハイジを背景に使用した、映画のノベライゼーション。
第一次世界大戦中のスイスとイタリア。14歳になったハイジはイタリアの寄宿学校に入るが、学校が軍隊に接収され、同級生たちと孤児院へ入れられる。付属の工場で過酷に働かされたハイジたちはスイスへと脱走を計画する。
1880年から35年も時代をずらし、北のオーストリア近くだったアルムの位置を南のイタリヤ国境へと改変している。不必要なハイジの入浴シーンがあったり、戦争を無理やりからませてアクション調にしている。はたしてハイジの続編といえるのか疑問。


題名 (創作)私説 アルプスの少女ハイジ その後


阿部照雄
出版社:文芸社 106頁 発行日:2002/06/15 価格:1000円

説明
「ハイジやクララは結婚し、ペーターは町長となって…そしてハイジたちは現代日本を訪れ、東洋医学にも触れるという奇想あふれる小説 」(宣伝文より)

一般ファンによる意味不明の作品。支離滅裂に近い。おすすめしない。  その後の追記


題名  E.ロッテンマイヤーの回想


作者 : 田村 ルリ
出版社 : 新風社 53頁  発行日:2004/09/15  価格: 1050円

説明
「輝いて、いかにも愛らしい童話の主人公ハイジの陰で、「悪役」の烙印を押されたままの彼女が気になって。あとちょっとで完成する編みかけの他人のセーターを、自分流に作り変えて仕上げたような、これがけっこう楽しい作業であった。(著者)

クララお嬢様がご自分の足で大地にしっかりお立ちになったと聞いた時、私は眼の前が真っ暗になりました。本来ならそれはとびきりの吉報で諸手を挙げてお祝いすべきことなのですが、お嬢様の足が永久に萎えたままであることが私の身の安全を保障することでもあるので、瞬間ガクリとしたのはやむを得ないのです。(本文より)

同人誌のような中篇1作のみの収録だが、まじめな作風。 





題名 (創作まんが)なにわのアルプスの少女


花田ヒロシ
出版社:ぶんか社 236頁 発行日:2002/03/10 価格:560円

説明
ハイジ・アリス・フランダースの犬などを題材とした品の悪いパロディまんが。おすすめしない。
ちなみに作者は「なにわ」ではなく東北出身。大阪の皆様ご安心下さい。


題名 (同人誌)たこやきやなつかしのテレビアニメ2


編集 北あつ子
出版社:たこやきや 34頁 発行日:1999/09/20 価格:?

説明
「ハイジ クララのおみやげ・ファミレス編・クララ山来たる」収録 パロディまんが
普通のパロディ同人誌。それなりに面白く読ませていただきました。


題名 (同人誌)世界名作劇場シリーズ[CALPIS THEATER 7:30]


同人誌作家53人
出版社:ミュンヘングラフ 340頁 発行日:1996 価格:?

説明
ろくでもないポルノ漫画集。全63作収録中、ハイジは5作に使用。
名作にゆがんだ欲望を反映させている。他にもいろいろあるようだが、これ以外は見たことないし、見たくもない。データにしたくないので一点のみ記載。この本は絵のウマさと、内容の過度の悪質さにより、あえて掲載した。
作者の皆さん、こんなの書かないでください。



総 評


 このサイトのデータ紹介でもっとも頭の痛くなる部分です。
 
 シャルル・トリッテンの続編は、可もなく不可もなくといった青春小説です。
 そして、本当にハイジという物語と関係があるかといえば、主人公の名前がハイジでなくてもよい作品です。
 

 その他のパクリ・パロディ作品と言えば、特に見るべきものはありません。どれも原作者が生きていたら見せられるようなものではなく、子供のために作られたのでもないでしょう。
 
 著作権がきれたら、傑作の原作をネタにして、ナンでもしてもいいのか?と、考えてしまいます。けっしてそうではありません。
 
 実はこのサイトを立ち上げようと思った原動力の一つは、これらの安直な作品への落胆なのです。
 


追 記


 困ったことに、このサイトの中でもっともよく読まれているのがこのコーナーらしいです。

 このサイトは

 「子供と子供を愛する人」のためのサイト

 
ですから、それ以外の趣味の方に来ていただくのは 「はっきりいってお断り」です。


 ですから、このコーナーの「おすすめしない」「子供のことを心から愛していて、昔子供であり、現在の自分の中に残っている子供の心を大切にしている人たち」向けの言葉です。

 もし下品な作品・バカな作品が好きな人がいれば、そんな人はここでおすすめしていない本を好むかもしれません。
 そしてロリコンエロ作品も、当然「おすすめしません」。掲載しているのは警告を発するためです。
 それらが好きな人は、その人向きのサイトへ行ってください。いくらでもあります。


 私は個人的に、すべての作品になんらかの価値があるものであり、自由に作られ選ぶ自由があることを望みます。
 無価値という価値も価値のひとつなのです。
 しかしながら、下品なもの、くだらないもの、エロ本はやはりそれだけのものでしかないとも思います。


 私自身、赤ちゃんたち・子供たち・少女たちに「何か」を感じないでもありません。
 年がいもなく胸がキュッ。とすることがあります。
 いいなあ。とニコニコっとすることがあります。

 それは清純で無垢で無邪気なるものへの憧れといつくしみと、ドロドロしたものへの嫌悪がいりまじったものだと思います。
 この感情は恥ずかしいものであるとは私は思いません。

 私にとって、少女を性的欲望の対象とすることは、人肉を食べることと同一程度に異常に感じることであり、倫理的に問題外なのは自明の理だと思っております。

 したがって鬼畜ロリコンエロアイテムを作って売って金もうけする人間、買って持って楽しむ人間、そしてゆがんだ欲望を現実に実践して子供を虐待する人間は、死んだ後に全員地獄に落ちてみて、なぜ自分がおかしな欲望をもってしまって、それをコントロールできなかったのか、一度とことん考えて、反省したほうがいいのではないか? と思っております。 (死ねとはいってません)

 鬼畜エロを表現する自由があるならば、それを軽蔑し批判する言論・思想の自由もまたあります。


 実際のところ、現在のヒドイ風潮の中で、成人男性がハイジを研究テーマに選ぶことは、「誤解してくれ」というようなものなのですが、それを逆手にとって、徹底的に現在のロリコン文化と対決・否定できるという「もくろみ」もあります。


 もちろん対決するだけなら、もっと新しい素材を選んだほうがいいかもしれませんが、現行の多くの作品は私は生理的に受け付けないし、はじめからその手の市場を見込んで作られた作品はそもそも存在意義を感じないので論じても無意味と思います。


 ですから、この問題が表面化していなかった時代に善意で作られた作品で、品性が感じられる高畑ハイジ(現実の少女とほぼ等しいモデル)が、この異常事態にまきこまれるという視点で論じるのが、方法論としては自分にできる範囲だと感じました。


 それに高畑ハイジを初めて見たのは、私がペーターと同じ年だった頃で、いわばハイジは同世代のおともだち。おさななじみのような気がしています。
 ペーターがそうであるように、ハイジをイジメるヤツは見逃せないではありませんか。


 私個人としては、自分が子供のときにもっともすきだった児童文学は「ドリトル先生」と佐藤さとるの「小さな国」であり、「ハイジ」ではありません。

 でも戦争や闘争の匂いがするものはイヤになってきましたし、東西文化の比較もしたいので、研究テーマとして「ハイジ」なわけです。


 さて、この文章に反感を持つ人は多いことでしょう。

 掲示板をアラしたり、誹謗・中傷・陰口をたたいたり、スパム送りつけたりと卑劣な犯罪・迷惑行為に走る悲しむべき人々がいることでしょう。

 そんな人はこの世にいくらでもいますし、けっしていなくならないのもわかってますので、断固として永久に対処してまいります。

 こういった人たちを放置しておくと「まともな」社会がなりたちませんから、しっかりと押さえつけていくのは古今東西・将来未来の社会人の「義務」です。

 社会を支える多くの人がそうであるように、子供たちを守るためなら喜んで立ち向かいましょう。

 そして、こんな私を、偽善、アナクロ(時代錯誤)、逆倒錯と言う人もいるかもしれません。

 言われたところでまったくけっこう。

 鬼畜変態趣味が肯定されるのが進歩なら、進歩を拒否してシーラカンスでいても、私はいっこうにさしつかえありません。
 くるくる変わる流行・風潮などは、気にしません。

 そのうちまた時代が変われば、こちらが時代の最先端になるかもしれませんし、そうなったとしてもまた時代は過ぎていくので関係ないのです。


tshp  2005/8/16