筑波大学の公開講座に参加した。彫塑・陶芸教室に続いて3回目となる。書道は小中学校の授業で、また高校では芸術の選択科目で少しやった程度だった。
あまり得意ではなく、参加してみるとうまい人が大半でというかほとんど全部で、どちらかというと少し場違いな感じだった。苦手克服作戦の一環で挑戦することにした。
腕前は俗に言う”みみずがのたくったような”字であるが周りを気にせずがんばることにした。
書を上手に書きたいという願望があった。
受講料7500円
*授業の内容
1日2時間10回コース
先生:芸術学系教授 岡本政弘先生
初 日
欠席。実技はやらず書の話をしたようでした。
2日目
筆のおろし方
最初はのりが付いているので水で完全に落とす。
毛も抜けるのでよく取る。
筆は全体にたっぷり墨を含ませ、筆先は空気を抜くように墨を書きやすい量に調整する。
先端の数センチを使い、筆腹は使わない。筆腹を使うと墨がかすれてします。
筆を立て筆先を使うと筆に含まれている墨の全部がなくなるまで紙に書ける。
筆の毛の上部は、墨のタンクになる。
筆の持ち方
手首を上に持ち上げ固定して書く、肘は下げずに、筆は真っ直ぐに。
筆は、親指と人差し指で持って中指を添える感じで持つ。
持ち方の名前が" " というらしい。
*筆をもう少し力を入れて持つように指導された。
九成宮醴泉銘による楷書技法。
2文字を書く。
参加者は達筆揃いのようである。他の人は気にせずマイペースで行くことにした。
”正確に写し取る”がやはり重要なようである。今まで手本は見たがそんなに正確に写し取ろうとはしていなかったような気がする。何を目標に書いていたのだろう?
少し考えれば当然なことだが全然やろうとしていなかったのが不思議である。空間のバランスなどあまり考えたことがなかった。
手本は参考書で分からないとき見る感じであったが、手本は現実、教科書、絶対的な物考えていたより重要なものと考えを改めた。
筆は5000円の物を4000円で購入できるようだ。私は道具一式3500円。
先生は筆の毛が長い8000円の筆を使っていた。
机の広さと黒の下敷きの大きさは、だいぶおおきいなという印象だった。
3日目
開講中に地震があった。
半紙を折って、字の配置を考えて書く。
4文字または6文字を書く。今回初めて姓名を記入。
楷書の名前の書き方を習った。
文字は、正方形に書くのではなく文字によって大きさが違うことがわかつた。
十分筆に墨を含ませたら字が変わってきた。
墨什は水で薄めることをすっかり忘れていた。
文字について
字はこれ見よがしにうまい字は敬遠されるようである。素朴さが残った文字で味わいがあっていいとか。
昔の文字は、素朴さを感じさせるものが多いそうである。粗野と素朴さは違うとも言っていた。
結局10回コースで7回参加。修了証書を貰えた。
わかったことは、上手な字を書ける人は山ほどいるが、その人独自の字をどう表現していくかで書の達成度がわかるようだった。
この点では、私の字は個性的である。
先生は日展の?審査委員らしく、10枚書を並べて数秒で審査するそうである。何千点もの作品を審査するのでは納得である。
この場合大切なのは”勢い”だそうである。勢いを見るらしい。
年齢を重ねるほどに上手になるが、若い時の勢い(生命力)が薄れてしまったりするようである。ここのいう意味では奥が深いものと思う。
硯は高いのは想像がつくが、話を聞いていると墨、紙も高いのには驚いた。墨など200年物200万円?
今回使ったお手本。
1.九成宮醴泉銘
唐 欧陽詢
2.孔子廟堂碑
唐 虞世南
3.多宝塔碑
唐 顔真卿(がんしんけい)
4.雁塔聖教序(がとうしょうぎょうじょ)
唐
(慈恩寺 大雁塔)
私は九成宮醴泉銘の文字が気に入った。
うまいということは百分の一ほどのことでしかなく、自分にしかない表情をどう表現することができるかが重要らしい。