四国・高知に転勤になり海釣りを始めた。釣りは船を借りて自前で運転して釣る釣りだった。職場の上司は休日は船長になった。船の免許を1年ほどだという。船の場合免許を持っている人がいれば誰でも運転できる。盛んに免許を取ることを進めるので取ってみる気になった。取得に向けて申し込みを近くの釣り具店でした。釣具店に免許の申し込みをする感覚はちょっとへんだった。がこんなものかとも思った。当時取得に6万5千円ほどかかった。事前講習は、夜間に2日学科を宇佐オーシャンマリーナというところで受けた。それと半日の実技講習。正味2.3時間の短いものだった。実技実習を受けた。船の運転は初めてで、車の運転のようには思うようにいかず、これでほんとうに試験を受けて大丈夫なのかと思った。
試験当日マリーナの待合室は、一緒に講習を受けない人が数人いた。前回落ちた人らしかった。結構落ちるんだなと思った。身体検査、続いて学科試験。学科試験では、会場出口にマリーナの人がきていて、問題用紙に書き留めた回答の採点をした。外でいきなり採点がはじまったのにはびっくりした。1題、間違えただけだった。もうちょっとだったがけっこうできたなとびっくりした。実技に向けて気合いも入った。当日は台風が来ていて、接岸試験は午前中全員失敗したとのことだった。外海は4Mの波、内海も荒れていて、練習した場所では試験ができず急遽試験の場所が変わった。船をまっすぐ進ませるのも荒れていると難しい。試験は、実施試験をしながら平行して口答の試験をするので、最後まで気が休まる暇もなかった。実技ではロープ結びの試験も平行して行う。どうにか結べた。実技試験の最初は結構緊張していた。右45度に旋回しろといわれたが、気がつくと90度にハンドルを切っていた。試験官にひどくおこられ、合格は無理だと思った。他の試験もすべて危なっかしく、まともに出来たのは後進ぐらいだった。合格発表は、落ちたとばかり思っていたので聞かないでしばらくおいて置いたが、数日後電話だけはしてみることにした。耳を疑ってしまった。合格していた。免許を貰いに行くのがひどく嬉しかった。免許取得日平成元年8月23日。晴れ晴れとしたいい天気のだった。
免許は5年ごとに更新手続きが必要で、平成6年に続いて11年も2回目の更新をしてきた。資格を取るのは、とれるときを逃すとなかなかとれないと最近思っている。4級小型船舶免許では、海岸から5海里、ちょうど約9キロほど行くことが出来る。ちょうど海岸線が見えるところだ。重量は5tまで
*試 験 内 容
身体検査:聴力、視力、手足が動くかを検査
学科:簡単な港湾法、標識、船の構造等々
実技:操縦試験、旋回、人命救助、後退、蛇行運転、接岸、ロープの結び方
*更 新 講 習
船舶職員法により5年ごとに更新が義務づけられている、1年前からできるので早くしておいた方が焦らないですむが結局間際の更新になってしまう。やはり、免許を取った時期にやると当時を思い出していいかも知れない。大型船の場合S58年のSTCW条約により決まっていて、小型船舶もこれに準じているとのこと。今年行った場所は、東京・麹町にある財団だった。5年前もここだが場所が違っていたような気がした。更新を受けるには、前もって電話で講習日を申し出て、申請書類を郵送してもらう。必要なものとして、3*3センチの6月以内に撮った、上半身、無帽、無背景、裏に名前を書いた写真2枚が必要で、当日は、印鑑、海技免許を持っていく。免許は忘れると受講できないので注意が必要だ。
−講習の様子−
12時30分から講習開始。会場は60−70人ほどの受講生。更新手続きは海事代理人に依頼。
下記の経費を受付で払う
受講料 3,160円
身体検査料 730円
申請料 1,810円
印紙代 1,700円
免許送料 500円
計 7,900円
最初に10人づつ呼ばれて、書類のチェックをさせられる。指が動くか、腕が動くか、屈伸ができるか、ジャンプができるかを検査し、次に階段を半分までかけのぼり降りてくる身体検査。続いて別室で視力検査、耳が聞こえるか小声で名前を呼ばれる。片目でも0.6が見えればOK。メガネをかけてもいい。これを60−70人やると1時10分になっていた。
ここで、改めて出欠を取り直し、講師による講義が始まる。約1時間2時10分までかかった。次の30分、14時40分まではビデオ上映。これで更新講習は終了。免許は後日郵送または直接受領することとなる。
−講習の内容−
A.船の運転の4H
1.早めに
2.はっきりと
3.変針
4.変速
B.船長は1人
船の免許を持っている人が乗り合わせた場合、必ず船長を決める。事故の時重要。1級と4級の免許が同船したとしても、上の級の人が船長にはならない。
C.いかりかきがよい場所は、粘土質の泥のところ。砂、貝殻質の場所はよくない。
D.保持船と避航船
右側の船が接近して延長線上でぶつかりそうな場合、右側に見ている船の方がよける。
E.港の出入り口では出航優先、入港船待機。
F.ひらはしと1Mともあしの場合の視界について
G.相手がヨットなどの動力でない場合、動力船が回避する。
H.操船信号
短音1回右折、短音2回左折、短音3回後進、短音5回以上警告信号。
I.水上オートバイ、ゴムボート等の照明設備が無いものは、日没以降は乗れない。
*ナビゲイションセミナー(東京湾クルージング)