朝日岳(新潟県/富山県)
 雪倉岳(新潟県/富山県)


 あさひだけ 標高2418m。
 ゆきくらだけ 標高2611m

 後立山連峰、白馬岳の4km北に雪倉岳が、そのまた4km北北西に朝日岳が位置する。

 2000年の夏、会社の山岳部の仲間3人と蓮華温泉を起点に雪倉岳、 朝日岳を縦走し、戻ってくるコースを歩いた。

 青海黒姫山の登った後、蓮華温泉のキャンプ場で一泊し、白馬大池経由のルートを登った。  白馬大池あたりまでは快晴で、雪倉岳、朝日岳がよく見えた。
 計画では白馬岳の頂上を越えて村営頂上宿舎近くのキャンプ場まで行くことになっていたが、 小蓮華山あたりまで来ると雲が湧いてきて展望も効かなくなってきたので、 三国境から雪倉岳避難小屋へと予定を変更した。
 雪倉岳避難小屋はしっかりした作りの小屋で、この日泊まったのは我々4人のほかに単独行の2人だけだった。  晩に夕立があったが、二日目の朝は晴れた。  この日の行程は朝日岳までで時間に余裕があったので、 朝食前に鉢ヶ岳に登り、コマクサの群落を観察しながら周りの景色を眺めた。
 朝食後、雪倉岳頂上を目指して出発し、8時には岩くずが堆積したなだらかな山頂に着いた。  今回雪倉岳に来た目的の一つが、北限のタカネヒカゲの写真撮影にあった。  あいにく頂上に着く頃からガスが増えてきて、だんだんと陽の光が弱くなってきた。  こんな調子ではタカネヒカゲは見られないかもしれないと思いながらも少し待つことにした。  しばらくすると待望のタカネヒカゲが1頭現れ、 ようやく数枚の写真を撮影することが出来た。  目的の一つが達せられてほっとした。
 雪倉岳北側の斜面も高山植物が多く、立ち止まって花にレンズを向けながらの歩行となる。  白馬水平道を通って、朝日小屋のテントサイトに着いたのは13時。  小屋で買った缶ビールを飲んでいるうちに雨が降り始め、30分もすると激しい雷雨となり3時間ほど続いた。  早めに目的地に着いたのが幸いして、きわどいところで濡れずにすんだが、 少し遅れて小屋に到着した人たちはずぶ濡れになったようだ。
 翌日はまず朝日岳の頂上を目指す。 約40分の登りである。 日の出のころは晴れていたのに徐々に雲が湧いて来て、 頂上に着くころには一面に雲が広がっていた。 平らな頂上で一休み後、蓮華温泉に向かって下り始める。 朝日岳の東北側斜面も花が豊富で飽きない。 長栂山へと続く北アルプスの主稜線から離れたのち何度か雪渓を横切り、 広々として開放的な五輪尾根をたどって昼過ぎに蓮華温泉に戻った。  蓮華温泉では3日分の汗を流し、 さっぱりした気分で帰途についた。
 北アルプスも雪倉岳や朝日岳のあたりまで来ると槍ガ岳や剣岳のような険しさはすっかり影をひそめ、 岩稜歩きの醍醐味は味わえない。  そのかわり、豊富な高山植物が目を楽しませてくれる。  私のように特別花が好きでない者も十分に楽しめる魅力的な山域である。  それに加えて人が少ないのも好ましい。

 歩行記録 2000/08/01〜03  蓮華温泉-白馬大池 3h30m 白馬大池-雪倉岳避難小屋 4h50m 雪倉岳避難小屋-雪倉岳 30m  雪倉岳-朝日小屋 4h15m 朝日小屋-朝日岳 40m 朝日岳-蓮華温泉 5h25m 


 写真右は、天狗の庭から見上げた雪倉岳(2000/08/01)。 

 鉢ヶ岳から見た日の出と頸城山群の山々(写真右 2000/08/02)

 鉢ヶ岳は縦走路から外れているため、ここに立ち寄る人は少ないようだ。  間近に白馬岳と隣の旭岳が、その向こうには剣岳が見えていた。
 コマクサは鉢ヶ岳の斜面に多いが、白いコマクサは見つけられなかった。

 鉢ヶ岳から見た、朝日を浴びる雪倉岳。  雪倉岳避難小屋が正面中央に白い点になって見える。

 朝日岳を正面に見て、雪倉岳の斜面を下る。

 激しい夕立の後、夕日に染まる朝日小屋とうしろの朝日岳。

 青色テントの右後ろに我々の赤いテントがある。


 木道の続く五輪高原を下る(2000/08/03)。

 ギボウシの咲く兵馬の平。 ここまで来れば蓮華温泉も近い。


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