詰将棋おもちゃ箱パズル詰将棋
パズル展示室 No.48 やよいさん
パズル詰将棋
パズル詰将棋
棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
角玉のダンス 20手台

パズル展示室No.48 やよい

パズルって、なんか難しそうで苦手という人も多いと思います。 でも、詰将棋自体が一種のパズルですから、詰将棋ファンにはパズルが好きな人も多いかもしれません。 パズルも煩雑で難しいだけのものよりも、構想や狙いがあって、美しい、おもしろいと感じられるパズルの方が人気が高いですが、これはパズル詰将棋についてもいえそうですね。

やよいさんのパズル展示室の作品を見てみると、狙いの明確な作品が多く、本作も例外ではありません。 出題コメントの「角玉のダンス」に注目。 初形では55を中心に54玉と56角が向かい合っています。 さてどんなダンスが始まるのでしょうか。

角玉のダンスということは角で王手するのかな、と思いますが、45角でも65角でも同玉でダメそう。 その前に一工夫が必要です。 それが46桂の捨て駒。 同香と取らせることで45への利きがなくなり、65角に同玉なら15龍以下の詰があります。 そこで65角には45玉とかわすことになり、角と玉が右回りに90度回転したことになります。

  46桂、同香、65角45玉

46桂に53玉や43玉とか、変化はいろいろあるのですが、ここでは狙いに注目して、変化は適宜省略します。 気になる方は上記盤面または棋譜ファイルでご確認ください。

次も右に90度回転と考えると、54角としたいのですが、同玉で失敗。 今度も一工夫必要です。 それが37桂の捨て駒。 29桂がなくなったことで、54角、同玉に59龍回りができるようになります。

  37桂、同と、54角56玉

順番からすると、次は45角。 これも同玉と取られたときの対策がいります。 それが67銀捨て。 同桂成と75桂を移動させることで、45同玉に95龍を用意しています。

  67銀、同桂成、45角65玉

90度3回回転して、最後はもう1回回転して玉も角も元の位置に復元します。 今度も56角に同玉に備えて74銀、同と。 こうすることで、56同玉には53龍以下で詰みます。

  74銀不成、同と、56角54玉

くるっと回ってダンスは完了し、収束します。

  43龍、同玉、34と、同歩、 13龍、同歩、44銀、54玉、
  55馬 まで25手

作者 「玉とヒモ無しの角がにらみ合いながら回転します。 角を取られないよう龍の利きを通しながらの手順で、玉角が1回転すると43龍以下収束に入れます。 詰め上がりで角が遊んでしまっていますがご容赦下さい。」

角玉のダンスでくるっと1回転。 龍が2枚とも消え、玉角が元に戻る収束もなかなか。 やよいさんのセンスの光るパズル詰将棋でした。

それでは、みなさんの感想を。

Estalightさん:
龍が捌けて気持ちの良い収束でした。
蛇塚の坂本さん:
これも桂や銀や歩が大駒の動きを妨げているのを見事に角と玉の動きを絡ませ消去して行く様は圧巻でした。
山下誠さん:
角の1回転がゆったりと進む。 大駒4枚の配置が秀逸。
名越健将さん:
15手目上か下かで考えさせる。

25龍まで23手解。 最後の56角を同玉と取ったのかな。 惜しい。

松崎一郎さん:
上下の二枚竜が今か今かとウズウズしている。
たくぼんさん:
回転させる角が紐付きでないのが素晴らし過ぎる
小山邦明さん:
19龍と93龍の力を利用して角の押し売りのような手順が良い。 最後もきれいに龍を消去しての還元玉詰。
おかもとさん:
これは傑作。 角の回転で魅せて、それに必要だった龍二枚を消す収束と、理想的な出来。
池田俊哉さん:
龍二枚を縦横に使うために邪魔な自駒、守備駒を順にさばいていく。 角を取ると龍がすぐに働いてしまうため陰に隠れるような玉の動きも良い、 きちんと龍を消して還元玉というまとめも素晴らしい
ootanowatasi67さん:
玉と角が見事に一回転
森田正さん:
角と玉が連れ立って一周。 43龍から2枚の龍を捨てて還元玉。 見事です。
占魚亭さん:
44の駒が攻方銀だったら1手詰――を実現。 玉と攻方角の一回転が面白かったです。

パズル展示室No.48 解答:12名 正解11名

  池田俊哉さん  Estalightさん  ootanowatasi67さん  おかもとさん
  小山邦明さん  占魚亭さん  たくぼんさん  蛇塚の坂本さん
  松崎一郎さん  森田正さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。