詰将棋おもちゃ箱パズル詰将棋
パズル展示室 No.47 やよいさん
パズル詰将棋
パズル詰将棋
棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
大駒捨て 30手台
パズル詰将棋ではパズル的な作品を出題

パズル展示室No.47 やよい

詰将棋はすべての問題がパズルだともいえますが、その中でもいかにもパズル的な作品があります。 迷路、知恵の輪、秘密箱、ペンシルパズルなど、パズルにもいろいろなジャンルがあります。 ひらめきだけですぐに解けるパズルもありますが、ロジックが多層的で順番にほぐしていかないと解けないような作品が、よりパズル的と感じることが多いようです。 そういった、パズル的な詰将棋を出題するコーナーがパズル詰将棋です。 繰り返しがテーマの趣向詰でも、繰り返す理由が単一ではなく、毎回変わる知恵の輪趣向などはパズル的要素が強いので、こちらで扱います。

本作34歩、24歩と打っていくと打歩詰。 これをどう解消するか、というパズルです。 歩を打って成り捨てることで、玉は33、23、13に動かすことができます。 打歩詰の解消は、歩を取る駒を発生させる、玉の逃げ道を作ってあげるなどの方法があります。  初形をじっとみていると、取り歩駒の発生は難しそう。 逃げ道をあけるのは42香を動かせば良さそうなので、ここから逆に考えてみましょう。

  • 42香を動かすには、46馬、同香が考えられるが、46馬を同とだとだめ
  • そこで、先に38飛、同ととと金を動かすことが考えられる
  • 46馬、38飛、いずれも初形では35角がジャマなので、どう消去するか
  • 24角から33角成で消去できるが、38飛、同と、34歩、23玉、24歩、13玉となると、歩がジャマで46馬とできない
  • そこで、24角から13角成で消去して14歩、24歩と打った状態で38飛としたい
  • そのためには13桂がジャマなので、まずは13桂を消去する
ということで、なんとなく見えて来ました。 実際に進めてみましょう。

1.13桂消去

  34歩、23玉、24歩、13玉、23歩成、同玉、33歩成、同玉、

2.35角消去

  24角、23玉、13角成、同玉、

3.38飛で47とを移動

  14歩、23玉、24歩、33玉、38飛、同と、

38飛に37桂合は、同飛、同と、45桂、同香、34歩、42玉以下収束に直結します。

4.46馬で42香を移動

  23歩成、同玉、13歩成、同玉、46馬、同香、

5.打歩詰解消できたので収束

  14歩、23玉、24歩、33玉、34歩、42玉
  52歩成、同歩、33歩成、同玉、23歩成、同玉、35桂、33玉、
  43と まで39手

作者 「オーソドックスな歩知恵の輪で、最後のカギである52桂を入手するため大駒3枚を捨てていきます。 要注意ポイントは以下2点。
・ 35角は13地点に捨てないとダメ。 33に捨てるとその後歩を打って玉を右辺に追うことになるため、打った歩が邪魔で馬を捨てられなくなる。
・ 馬を捨てる前に飛を捨ててと金をどかしておく。」

歩打、歩成捨てで玉を左右に移動させるので、歩知恵の輪と呼ばれています。 本作では大駒捨てがキーとなっている楽しい歩知恵の輪でした。 キーの大駒捨てが初形である程度見えているので考えやすかったかも。

それでは、みなさんの感想を。

蛇塚の坂本さん:
大駒の捨てる順番が問題で最初飛の前に馬を捨て持ち駒に桂を手に入れる事考え泥沼に
先に飛を捨てる事で待望の香を動かす事に成りました。
名越健将さん:
楽しいパズルだが、難解性もあり。
13手目は46馬として、38飛で桂合を引き出すと失敗。 うまくできている。
たくぼんさん:
序盤から収束まで理想的な流れですね。 38飛が意外でした。 てっきり46馬からだと思いました
山下誠さん:
3四歩を打つまでのまどろっこしい手順が楽しめる。
松崎一郎さん:
大駒(飛、馬)を捨てる順序がポイント。 四段目の歩の詰み崩しのような手順が面白い。
川越敏司さん:
ひたすら玉が3段目を右往左往する手順の繰り返しがユーモラスです。
小山邦明さん:
打歩詰防止のために大駒を捨てる手順が面白い。 特に最後の「と金」を移動させてから馬を捨てて香をつりあげる手順は満点です。
森田正さん:
と金を働かせぬよう、飛と馬を捨てる順序が大切。 楽しかったです。
おかもとさん:
歩知恵の輪。 42香の移動から桂の入手がカギですね。
池田俊哉さん:
歩知恵の輪と言った趣きで、最終的には42香を動かして打歩回避が目的だがそのための大駒の捌きが楽しい
最後が小駒のみ、と言うのも良い
ootanowatasi67さん:
なるほどと納得の、38飛車と46馬。
占魚亭さん:
全ては42香を移動させるために。
西澤叶祐さん:
今日(4/30)の23時まで粘りましたが解けなかったので将棋ソフトを使って確認させていただきました。 はじめはソフトの示す順を追っていても何が起こっているのか分かりませんでしたが、一連の歩打ちから成り捨ては23手目4六馬で4二の香車をずらすための下準備だったんですね! いつか自力で気づけるようになりたいです・・・!!!

パズル展示室No.47 解答:13名 全員正解

  池田俊哉さん  ootanowatasi67さん  おかもとさん  川越敏司さん
  小山邦明さん  占魚亭さん  たくぼんさん  名越健将さん
  西澤叶祐さん  蛇塚の坂本さん  松崎一郎さん  森田正さん
  山下誠さん

当選者は、展示室で発表しています。