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詰将棋おもちゃ箱パズル詰将棋
パズル展示室 No.37 松下拓矢さん
パズル詰将棋
パズル詰将棋
棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
角をどこに 80手台

パズル展示室No.37 松下拓矢

No.35、No.36と金ベルトで玉を左右に動かす金知恵の輪型のパズルが続きました。 実は少し進めるとわかるように本作も金知恵の輪です。

普通にいくなら22金打ですが、32銀成、42金、52金と進めると金が足りなくて折り返せません。 22金打ではなく22桂成と軽く捨てるのが好手で、同玉は32金以下簡単ですから33玉と逃げる一手で、金を1枚節約できます。

73玉まで呼べば79香の利きを使って86玉と空き王手できます。 また、83玉まで呼べば65角と銀を取ることができます。 しかし、すぐに65角は同とや同馬が逆王手になるので失敗。 それなら73玉のところで86玉と空き王手で待避させておけば良さそうですが、 79龍と香を抜かれると龍が74に利くので65角を同歩と取ることができて、64に穴が空くので逃れ。

このあたりまで読めば、するどい方は知恵の輪の鍵が見えてきたかもしれません。 そう、47の角は14角、13玉の形から空き王手でいろいろな位置に動かすことができるので、
 1) 角を69に移動して龍の横筋を止める
 2) 73玉のとき86玉と空き王手で移動
 3) 角を再び47に移動
 4) 83玉のとき65角で銀を入手
 5) 23玉まで戻して14銀まで
の5ステップで知恵の輪をほどくことができるのです。

実際に手順を進めて見ましょう。

1) 角を69に移動して龍の横筋を止める

  22桂成、33玉、32銀成、43玉、42金、53玉、52金打、63玉、
  62金打、73玉、72金打、83玉、
  82金、73玉、72金右、63玉、62金右、53玉、52金右、43玉、
  42成銀、33玉、32成桂、23玉、
  14角、13玉、69角、23玉、

2) 73玉のとき86玉と空き王手で移動

  22成桂、33玉、32成銀、43玉、42金、53玉、52金左、63玉、
  62金左、73玉、86玉79と

22成桂を同玉は12香成で簡単。

3) 角を再び47に移動

  72金右、63玉、62金右、53玉、52金右、43玉、42成銀、33玉、
  32成桂、23玉、
  14角、13玉、47角、23玉、

4) 83玉のとき65角で銀を入手

  22成桂、33玉、32成銀、43玉、42金、53玉、52金左、63玉、
  62金左、73玉、72金左、83玉、65角同馬

同馬のところ同歩や同とは74銀まで。
74歩合は、82金、73玉、83金、同玉、72銀、73玉、63金まで。

5) 23玉まで戻して14銀まで

  82金、73玉、72金右、63玉、62金右、53玉、52金右、43玉、
  42成銀、33玉、32成桂、23玉、
  14銀 まで81手

角の移動が鍵のおもしろい金知恵の輪でした。

作者 「金知恵の輪+角の位置変換。79香を龍で取られないようにするため角を一旦最遠移動した後、再度47に戻して収束に入ります。 玉の往復回数が3回に達したことで一応作品になったかなと思います。」

なお、作者はこの機構を更に発展させた作品を下記で発表しています。 あわせてご鑑賞ください。

それでは、みなさんの感想を。

山下誠さん:
7四銀を可能にするために龍の利きを遮るのが鍵。
松崎一郎さん:
角の軽快なフットワークが素晴らしい。
池田俊哉さん:
65の質銀を取った後、同歩に対して74銀が打てるように69角を据えて龍の横効きを遮っておく。 シンプルな意味付けで金のベルトコンベア三往復
おかもとさん:
ベルトコンベア3往復。
占魚亭さん:
銀を取るための手続き。 一旦、69に引くのがポイント。
S.Kimuraさん:
詰方の玉を動かすのが最終目的とは思いませんでした.
inokosatoshiさん:
角の動き、見事です。

パズル展示室No.37 解答:7名 全員正解

  池田俊哉さん  inokosatoshiさん  S.Kimuraさん  おかもとさん
  占魚亭さん  松崎一郎さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。