と金の並びは詰将棋ファンなら将棋妙案の金知恵の輪以来おなじみの構図。
と金のスライドで玉を左右に動かすことができ、金ベルトや金鎖手順とよばれています。
玉を右に送っていくと15玉と逃げられて捕まりませんが、もし46金がなかったら・・・ そう、76飛の利きが通って16歩で詰みますね。 それなら44玉のとき45歩と打って同金引と取らせればいい? いや、同金寄と取って抵抗してきますよ。
本作は桂桂歩6という豊富な持駒を駆使して、3枚の金銀を何とか五段目に収納して76飛の利きを通すパズルなのです。
六段目の金を同金引と取らせるには、もう1枚の金に同金寄と取られないように2枚の金を離す必要があります。 具体的には55金36金型にできれば35歩で金を引かせることができるのですが、現在は55銀があるので、
金を55に呼ぶには銀を動かさなければなりません。 銀を動かすのに66桂では飛筋が止まってしまうので56桂から65歩で55の銀を65に動かしたい。
しかしすぐに56桂は同金と取られてダメそう。 その前に金を3筋に寄せて56桂を同銀と取らざるを得ないようにする、というのが本作のロジックです。
では実際に手順を進めていきましょう。
63と、54玉、53と右、44玉、36桂、同金上、
45歩、同金、43と右、34玉、35歩、同金寄、33と左、44玉、
36桂を同金寄だと、そのあとの8手を省略できて早いので同金上と抵抗。
それでも45歩、35歩でもう1枚の金を呼べば3筋に金を寄せることに成功します。
56桂、同銀、43と左、54玉、53と左、64玉、65歩、同銀、
56桂から65歩で銀を65に移動させることができました。
ここは先に64玉まで動かしてから56桂、65歩でもよい作者自認のキズがあります。
63と、54玉、53と右、44玉、45歩、同金、
43と左、54玉、55歩、同金、
これで予定通り55金36金型になったので、35歩と打てば六段目を空けることができて収束します。
53と右、44玉、43と右、34玉、35歩、同金、
33と右、24玉、23と右、15玉、16歩 まで43手
金銀3枚を五段目の箱に収納すると金ベルトパズルでした。
作者「と金ベルトで玉を左右に動かしながら、金銀3枚をうまく五段目に収納するパズルです。
開始時点で五段目にいる2枚も一度は六段目に呼び出さないといけないあたりが上手くできたと思います。
55の銀を桂捨てで56に上げるところだけ唯一手順前後のキズがありますが、金銀を動かす順番には影響していないのでご容赦ください。」
それでは、みなさんの感想を。
- 山下誠さん:
- 要するに飛車の横利きを通すだけだが、金の守備力に手を焼く。
- 松崎一郎さん:
- 飛の横効きを通すため金銀を5段目に揃えるスライドパズルのよう。
- 池田俊哉さん:
- 桂と歩を使って金銀三枚を操り、76飛の横効きを通す。
56桂のタイミングが非限定なのがちょっとだけ惜しいがこの手順なら仕方ないところか
- おかもとさん:
- 6段目を見通しよくすればいいのだが、そこに到るまでが大変。
- 占魚亭さん:
- 知恵の輪+倉庫番パズル。
- S.Kimuraさん:
- 玉方の金と銀をうまく誘導するのが難しかったです.
- inokosatoshiさん:
- なるほど。 56飛を防ぐ双玉の配置が面白い。
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