作者「くるくる展示室 No.310の解説にて、
「ヤケクソ中合は必ずしもノコ引きで取られる位置にある必要はないので、馬ノコ・龍ノコや龍追いなどと組み合わせれば、1枚で何十手も延びるヤケクソ中合いも可能なはずです。」
とのことでしたので、馬ノコで18手延びるヤケクソ中合に挑戦してみました。」
本作はヤケクソ中合をテーマにした作品。
ヤケクソ中合ってなんのことという方は、まず百科事典Wikipediaで確認しましょう。
ここには原理と例題も掲載されています。
ここに書かれている通り、普通のヤケクソ中合は2手長くなるのですが、これを龍ノコに応用し、6手長くなるようにしたのが、
馬屋原剛さんのくるくる展示室 No.310(左図)です。
龍ノコで一段目まで行ってあとで51龍と歩を取れるようにするのですが、その途中で4枚の桂を取ります。
そこで、どうせ取られるのだからと龍ノコに移動合(例えば75龍のとき76桂)することで、6手長くするヤケクソ中合です。
6手長くするヤケクソ中合も初めてで、かつそれを4回繰り返して、ヤケクソ中合を含む趣向手順にしたところも斬新でした。
馬屋原さんのこの作品の解説で、冒頭の作者のことばにあるようなことを書いたのが2016年のこと。
それから10年を経て、ついに18手長くなるヤケクソ中合が登場しました。
本作、初手から54馬、42玉、64馬と馬ノコが始まります。
54馬に43合が利きそうですが、歩合は二歩、香は品切れで、合駒は桂銀金角飛のいずれか。
どれも同馬と切れば簡単に詰むので、43合はできません。
64馬のときも同様で、桂銀金角飛のどれを合駒しても同馬で簡単です。
合駒が打てないので、馬ノコで遠ざかり、たぶん98歩を取りに行くのだと予想できます。
実際に手順を進めてみましょう。
54馬、42玉、64馬、32玉、
65馬、42玉、75馬、32玉、
76馬、42玉、86馬、32玉、
87馬、42玉、97馬、
97馬に32玉なら予定通り98馬で歩が取れます。
ところが、ここで18手延命するすばらしい応手がとびだします。
53歩!、同馬、32玉、
これで52歩が先手の持駒になっただけで初形にもどりました。
実際には64馬、75馬、86馬、97馬のいずれの時点でも53歩は可能ですが、97馬の時が一番手数が延びるわけです。
手数は延びたけど駒余りになるのでは、と心配ですが、この52歩はもともと収束で52成香と取られるはずの駒だったので大丈夫。
これがヤケクソ中合の所以ですね。
それでは元に戻ったところで、再度馬ノコで98歩を取りにいきましょう。
54馬、42玉、64馬、32玉、
65馬、42玉、75馬、32玉、
76馬、42玉、86馬、32玉、
87馬、42玉、97馬、32玉、
98馬、42玉、97馬、32玉、
87馬、42玉、86馬、32玉、
76馬、42玉、75馬、32玉、
65馬、42玉、64馬、32玉、
54馬、42玉、
98歩を入手して戻ってきたら収束にはいれます。
52成香、同玉、53桂成、61玉、62歩、71玉、72歩、81玉、
92成香 まで61手
53歩をしなければ43手なので、18手延命に成功しました。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 蛇塚の坂本さん:
- 最高の受けは玉の顔面受けと9七にいった馬を5三歩で振り出しに戻す事だろうか?
- Estalightさん:
- 延命の突き捨てには驚嘆しました
- 名越健将さん:
- どうせ取られる歩を97馬とした時に動かすのがミソで、これで一往復分伸びる。
- 山下誠さん:
- 9八歩を取られる直前に5三歩と突く。
これで一気に手が延びる。
- 冨坂碧海さん:
- 漸く人参が貰えると思ったら振り出しに戻されるちょっぴり不憫な馬。
- 松崎一郎さん:
- 52の歩、取られるな!取らせろ!!。
- 松本浩一さん:
- 歩の位置からして馬鋸なのと詰み位置はなんとなく判りましたが、移動合が読めず挫折。
柿木先生に頼りました。
駒切対策の有効活用。
- 池田俊哉さん:
- ヤケクソ移動合のおかげで二往復となる馬鋸趣向
結果的に持駒歩二枚が必要なので、ヤケクソ移動合以外の中合が無効となる構成はうまい
- おかもとさん:
- 53歩合で引き戻すのを繰り返す趣向かと思ったが、一回だけでした。
まだまだ発展の余地がありそうですね。
- 太田の渡し71さん:
- いつ53歩と突くのか。
1歩をめぐる攻防を堪能
- 小山邦明さん:
- 16手目の歩合で手数が伸びる。
- 占魚亭さん:
- 16手目の移動合が上手い延命策。
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