詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.511 やよいさん

くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
桂は全部消える 70手台

くるくる展示室No.511 やよい

初形から上に送る趣向とすぐわかります。 送り趣向の構造を考えるときポイントになるのは、グローバル駒(G駒)とローカル駒(L駒)という考え方です。 G駒は玉と一緒に移動していく駒で、L駒は各サイクルごとに用意された駒のこと。 本作でいえば、38とと29との2枚はG駒の可能性が高そうですし、縦に並んだと金と桂、更に持駒の歩はおそらくL駒でしょう。 これを踏まえて、縦に1段上げる1サイクルの手順を考えて見ましょう。

17歩、同玉で28と上と成桂を取ります。 G駒は送る方向に動くことが多いので、28と寄ではなく28と上ですね。 38のと金は37に動くはずなので、そのためには26とと捨てることになります。 同桂の変化が悩ましいですが、趣向になるように同玉と取りましょう(気になる方は上記盤面または棋譜ファイルでご確認ください)。

  17歩、同玉、28と上、16玉、26と、同玉、37と左、15玉、

初形の28成桂を考えると、ここで27桂、同桂成か。 しかし27桂に16玉と逃げられると打歩詰でうまくいきません。 ここは16歩、同玉、17歩として16玉の逃げを封じておくのが重要で、それから27桂で桂を動かします。

  16歩、同玉、17歩、15玉、27桂、同桂成、

これで初形から1段上がったパターンを作ることができました。 あとは例によってお楽しみタイム!

  16歩、同玉、27と上、15玉、25と、同玉、36と左、14玉、
  15歩、同玉、16歩、14玉、26桂、同桂、
  15歩、同玉、26と上、14玉、24と、同玉、35と左、13玉、
  14歩、同玉、15歩、13玉、25桂、同桂、
  14歩、同玉、25と上、13玉、23と、同玉、34と左、12玉、
  13歩、同玉、14歩、12玉、24桂、同馬、

最後は同馬と取って、ここからは収束。 75の角の活用を考えましょう。

  22と、同玉、21と、12玉、22と、同玉、31角成、12玉、
  13歩成、同馬、同馬、同玉、24と上、12玉、23と直、21玉、
  31香成、同玉、13角、42玉、43と まで77手

最後は21玉、22角成(と)も同手数で正解です。

作者「昔発表したくる展No.250のはがし送りですが、ほぼ同一プロットの先行作があり (原島利郎氏作、詰パラ1968/8)気になっていたため改良した図です。 旧図の12手サイクルを2手伸ばしただけでやや代わり映えしない印象かも知れませんが、最後は馬もはがしてすっきり捌ける収束になったと思います。 6手目26同桂のやや長い変化は、例によって読み飛ばし希望です。」

    

本作はと金2枚で追うので、かなりイメージが変わりますね。
14手サイクルの楽しい上送り趣向。 収束もまとまって好評でした。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

Estalightさん:
スッキリとした収束だと思います。
蛇塚の坂本さん:
と金2枚が並んで前進する姿は勇ましく見えた
山下誠さん:
と金のスクラムで桂馬を剥がしながら押していく。 駒繰りが楽しい作品。
名越健将さん:
ほれぼれするような77手詰ですね。 解けてウットリ。 このコーナーは難しい作品はNGですね。
松崎一郎さん:
桂は一枚づつ剥がされと金と歩に踊らされ楽しんでいるかのように見える玉様。
たくぼんさん:
この趣向手順のあとの収束は創るのが難しそうだが見事なまでの収め方
小山邦明さん:
収束のまとめ方がうまいと感じました。
おかもとさん:
桂はがしから馬への切替がウマい。
池田俊哉さん:
歩を贅沢に使いながら桂-馬を剥がしていく。 収束のまとめ方も42銀一枚できれい
ootanowatasi67さん:
なる程の成桂の配置
森田正さん:
テンポの良いはがし趣向が楽しかったです。
占魚亭さん:
分かりやすく楽しい14手一組のサイクル手順。 56手目同馬以降も難しい所はなく、着地も綺麗に決まっている。

くるくる展示室No.511 解答:12名 全員正解

  池田俊哉さん  Estalightさん  ootanowatasi67さん  おかもとさん
  小山邦明さん  占魚亭さん  たくぼんさん  名越健将さん
  蛇塚の坂本さん  松崎一郎さん  森田正さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。