出題コメントにあるように、持駒に歩が2枚あったらどうなるでしょうか。
そう、12銀成と香を取って、歩を叩いていけば香打で詰みますね。
では、どうしたら歩が入手できるか、と考えると、26、17の2枚の馬が目につきます。
35馬とすれば24に捨て合する一手なので、歩合をしてくれれば同馬、22玉、13馬、同玉とすれば1歩入手できますね。
馬は2枚あるので、2回繰り返せば歩が2枚入手できることになります。
歩以外の合は大丈夫? 24香合や銀合などなら、同じように攻めて12香を取らなくても詰むので早い。
でも24桂合とされると? 同馬、22玉に34桂と打つ手がありそうです。
21玉なら33馬で簡単なので31玉と逃げる一手ですが、13馬捨てがぴったりで、同香、22香成までです。
ということで、歩合に決定、手順の骨格がわかりました。 実際に確かめてみましょう。
35馬、24歩合、同馬、22玉、13馬、同玉、
35馬、24歩合、同馬、22玉、13馬、同玉、
12銀成、同玉、13歩、同玉、14歩、同玉、15香 まで19手
作者 「置駒の持駒変換が新分類であると聞いて、この方法ならもっとシンプルに実現できると思い、作りました。」
同じ作者の「クロスバッテリー」(くる展365)は盤面の香を持駒の歩に変換する斬新な趣向でした。
趣向の目的による分類(1)・(2)の10種類に、
「置駒を持駒に変換する趣向はどの分類にも入らず、新分類を作らなければならないようです。」
と解説しましたが、本作はその「置駒持駒変換」のサンプルにも使えそうなシンプルな表現です。
置駒持駒変換は、趣向の分類としてはこれまで意識されていませんでしたが、持駒を得る目的で遠くから王手して合駒させる作品はたくさんあります。
その中で、趣向的に何回か繰り返す作品を参考としてあげておきましょう。
参考: 北原義治 将棋春秋1957年7月 棋譜ファイル
31飛成、21桂合、同龍、同玉、
43馬、32桂合、同馬、11玉、21馬、同玉、
43馬、32角合、同馬、11玉、21馬、同玉、
43角、32角合、33桂、同桂、32角不成以下31手
桂合が品切れになって角合に変わるとかちょっと不規則ですが、そこが良いという人もいるかも。
上記はいずれも詰方の置駒が消えて詰方の持駒が発生するパターンですが、受方がからむ組み合わせも考えられますね(難しい?)。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 蛇塚の坂本さん:
- 狭い所での攻防で馬香の連携が、面白い。
- 市橋宗士さん:
- ヒントがなかったら詰められなかったと思います。
しかし、2枚の馬が2枚の歩に変換されて、馬では駄目で、歩なら詰むなんて、
いや、これぞ詰将棋、まさにパズルの世界、盤面十枚の配置でこの構想が実現されている。
(ただ、歩でなく香合だと、迂回的に長手数で詰む順があるような・・・)
香合ならば、解説にあるように13手目からすぐにたたいて15手で詰みます。
- 山下誠さん:
- 6手一組の繰り返し手順が期待通りで嬉しい。
- S.Kimuraさん:
- 「置角持歩変換」という新しい手筋なのでしょうか?
(展示室を確認したら,題名がなくなっていた?)
すみません、最初私の勘違いで題名を表示してしまいました。
- 小山邦明さん:
- 馬2枚を歩2枚に変換する高級な手順をくるくる風に実現は見事。
- たくぼんさん:
- 捨て合いや桂合の変化を上手くまとめたりとやってることは高等技術だけど手順はくるくる
- 原田雄二さん:
- 歩を2枚入手して、19手で詰みました。
- 嵐田保夫さん:
- 桂合が利かないのは辛い。
- 津久井康雄さん:
- 普通に?詰将棋と成立していますね。桂合の変化もいい。
- きたさん:
- これもヒントが大きい。
- 鳥本敦史さん:
- 馬で合駒請求、2歩稼いで田楽刺しが決まる。
- おかもとさん:
- ウマく繰り返す。
- 藤田卓志さん:
- 上手く歩合に限定できるものですね。
- ハマGさん:
- 盤上馬より持ち歩ということですか
- 池田俊哉さん:
- 持ち駒変換...と言うことなんでしょうか。これ以上増やせない、と言うところが「くるくる」らしい
- 占魚亭さん:
- 気持ちのいい35馬〜13馬のリフレイン。
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