一見して斜め送りの趣向とわかる形。
持駒の桂香8枚をどう使うのか、楽しみですね。
受方は持駒なしなので、69香と打つと合駒はなく、逃げるしかありません。
76玉では75角成の1手詰なので、当然56玉。
58香と打って、斜め送りになりそうです。
69香、56玉、58香、45玉、47香、34玉、36香、23玉、
まずは四香連打で右上に移動。
ここから、今度は四桂連打で左下に追い戻します。
36香に43玉は33と以下(または35桂以下作意順でも23とが残っているので早い)。
35桂、34玉、46桂、45玉、57桂、56玉、68桂、67玉(途中図)、
35桂に32玉は、42角成、22玉、23桂成以下。
再び67玉に戻って、桂香8枚がきれいに並びました。
ここからは香の空き王手で打った4枚の桂を順に跳ねていきます。
もちろん、56桂では同玉で元に戻ってしまうので、跳ねるのは76桂と左側です。
受方はと金を取っただけで持駒は歩しかなく、歩合は二歩なので、相変わらず合駒はできません。
76桂、56玉、65桂、45玉、54桂、34玉、43桂成、同玉、
空き王手の2手趣向は珍しく、新鮮ですね。
つい勢いで43桂不成、23玉として「アレ?」と思った方も。
ここは成るのが正解で、23玉は33成桂までですから同玉と取る一手。
ここから、またまた左下に。
今度は馬追いで、跳ねた桂がすべて消えて収束します。
42角成、54玉、53馬、65玉、64馬、76玉、75馬 まで31手
作者 「四香連打→四桂連打→四桂連跳→四桂消去」という構成です。
51王配置が作意成立のカギでした(銀にすると27手目64馬、43玉、42銀成迄早詰)。
ちなみに、こちらの創作がうまく行かなかったときに作意自体を変えようとしてできたのがくる展No.314です。」
斜め送り2往復。
個々の趣向はすべて2手サイクルのシンプルな趣向で、4種の趣向が気軽に楽しめ、そして4回の送りがすべて関連してストーリーになっているのがいいですね。
余分な手は全くなく、すばらしい様式美。
解答者のみなさんにも大好評でした。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 山下誠さん:
- 玉の軌跡、桂馬の一連の動きなど、美しいの一語に尽きます。
- 蛇塚の坂本さん:
- 桂と香が玉との攻めぎ会いが面白い。
- 占魚亭さん:
- 桂跳ねが気持ちいい。
- 波多野賢太郎さん:
- 期待通り、香桂四連打から桂跳ね開き王手が決まって気持ち良かったです。うまくできてますね。
- 小山邦明さん:
- 易しいが楽しい作品。
くるくるの場合、「やさしくて楽しい作品」という感じでしょうか。
- Pathfinderさん:
- 持駒を見るだけで楽しそうな作品だと感じる。そして内容も素晴らしい。突如として現れる桂香の列。
さらにここから四桂が跳ねる展開になるとは夢にも思わなかった。最後も馬で追い、くるくるにふさわしい締めくくり。
- 渡辺さん:
- こんなに往復するとは思えませんでした。
- S.Kimuraさん:
- 23手目も続けて,43桂不成としそうになりました.
- 長谷繁蔵さん:
- 収束43桂不成として失敗。
- 金少桂さん:
- 自ら打った香の利きを止めるかのように桂を打ち、さらに次々と逆方向に飛び跳ねていく不思議感覚。
- 隅の老人Bさん:
- 登ります、下ります、登ります、下ります。
エレベ−タ−ガールの可愛い声がする。
最近はなかなか可愛い声が聞けなくてさみしいですね。 本作だとエスカレーターガール?かも。
- ハマGさん:
- 階段上り下りも楽じゃありませんね。
- 池田俊哉さん:
- 持駒桂四香四と言う珍しい趣向作、桂が全部はねて消えていくのが良い。
43桂の成限定が良いアクセント
- 攻めダルマンさん:
- 桂馬を打って後で跳ねるのはいいよねえ。
- 小嶋拓治さん:
- 持駒で築いた舞台が全てさばけたほぼ2往復は鮮やか。
- 嵐田保夫さん:
- 夜空に浮かぶ一夏の打上花火を思わせる華麗な手捌き。
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