最短手順の「白糸の滝」や詰パラ発表の「田子の浦」に続く、やよいさんの持駒歩18枚、18連打シリーズの1局です。 一目で趣向詰と分かる美しい配置で、45度斜めではなく30度ぐらいの斜めというのがおもしろいですね。
まずは13金と取って、ここから歩18枚の連打がはじまります。
13金、同玉、14歩、同玉、15歩、24玉、25歩、33玉、
最初のサイクルだけ1手目が歩でなく金ですが、この8手で、玉が12から33に移動しました。
25歩に34玉や35玉の逃げは、33玉に34歩、35歩とたたくので、その分省略されて短く詰みます。
34歩、同玉、35歩、同玉、36歩、45玉、46歩、54玉、
奇数筋は3歩連打、偶数筋は1歩だけと、強弱つけてリズミカルに移動していきます。
55歩、同玉、56歩、同玉、57歩、66玉、67歩、75玉、
55歩に53玉と銀を取るのは54金、42玉、43金、51玉、61金まで。
76歩、同玉、77歩、同玉、78歩、87玉、88歩、96玉、
さあ、いよいよフィニッシュです。
97歩、同玉、98歩、同玉、99歩、同玉、89金 まで39手
- 作者:
- 再び「持駒歩18枚、18連打」の条件作です。
初手金取りから最後まで完全に規則的な動きで、「縦3連打+横送り」の8手1サイクルです。斜め送りで縦3連打が入るのは珍しいと思います(作図できたのは全くの偶然です)。
前作「白糸の滝」などは変化が厄介でしたが、本作は暗算で楽に解けると思います。銀取りの変化も特に難しくないかと。
横斜めへの移動、3歩1歩交互の歩打ち、最初から最後まで一糸乱れぬ趣向詰で、これまでにない斬新な歩の18連打作品でした。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 鈴木康夫さん:
- これが雲出川の定理と言う物でしょうか?
「玉は打歩の連続のみによる王手に対して、通過した各筋に1枚ずつ攻方の歩を盤上に残していく」というのが雲出川(くもずがわ)の定理。信太弘さんが自身の作品「雲出川」にちなんで名づけたもの(詰パラ1988年8月号)。 本作も例外ではありませんが、偶数筋の歩の位置が決まっているので、この定理を使わなくても解けますね。
- 凡骨生さん:
- 歩の連打が見事です。
- やまかんさん:
- 歩をぴったり使いきって気持ちいい。歩がもう使えないのでこの配置は仕方なしなのが残念。
- 長谷川琴さん:
- またも、18歩連打。
銀が効率よく働いてる。
歩で、せっせと竹を切ってる感じがします。
詰上がり、下辺は竹でしょうね。評価 AAA
- 三輪勝昭さん:
- よく知らないのだけど、連続歩打ち記録は先を越されたのかな?
僕にはギネスブック同様の何の意味があるのとしか思わないのですが、銀が浮いているのが手順に味があって良い。
18歩連打はこれまでにも作られています。 最初の登場は1998年2月号デパートの持駒歩18枚特集かな。
持駒歩18枚の作品は詰将棋一番星にまとめられているので、ご参照ください。
- S.Kimuraさん:
- 月に帰る歩の階段が完成して,感動しました.
- きたさん:
- 3手目の局面で、30手台で詰めるには持ち駒を打ち続けるしかない、とわかる。
偶数筋と奇数筋で違う手順を繰り返すのはちょっと珍しい感じ。
- 長谷繁蔵さん:
- 詰上りキレイに並ぶ
- 名無し名人さん:
- 歩18連打お見事です。
- やぶいりさん:
- 銀は浮駒なのにうまく保護されている。
- 池田俊哉さん:
- 18歩連打の趣向。各列に残っていく歩が竹の上に残る雪のよう(季節は逆だが)
- 隅の老人Bさん:
- 歩の18連打。やるねぇ、お見事。
- 小林巧さん:
- 美しき日本の風景
綺麗な段々畑の出来上がり
71と72の金は何してるのかなぁと思ったら、
55歩に対して、53玉の余詰防ぎでした
不詰防ぎですね。
- 占魚亭さん:
- 歩の連打が気持ち良い。
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