くるくる展示室No.157で、香を使ったと金はがしを見せてくれた池田さん。 本作はその発展形です。 馬の代わりに飛、持駒の香のかわりに桂ですが、それだけではなく大幅にパワーアップしています。
はがすと金がなんと6枚。 ラスボスの馬を引っ張り出すまで、なかなか大変です。
手順を進める前に、初形をじっくり観察しましょう。
1)44飛、65玉、64飛、56玉、66飛、45玉、46飛、54玉と回転できる。
2)45玉のとき46歩、同と、とすれば、36のと金を取ることができそうだ。
3)45玉のとき44と、35玉、34と、45玉と、45−35で行ったり来たりできる。
4)35玉のとき36歩、同と、とすれば、オレンジの3枚のと金は36に移動できる。
5)45玉のとき37桂、同と、とすれば、赤の2枚のと金と馬は37に移動できる。
ここまで見極めれば、次の順ではがすストーリーが見えてきます。
ステージ1: 黄色のと金を46ではがす。
ステージ2: オレンジの3枚のと金を順に36に呼んで46ではがす。
ステージ3: 赤の2枚のと金を順に37から36に呼んで46ではがす。
ラストステージ: ラスボスの49馬と勝負!
さあ、冒険の始まり、始まり。
ステージ1
44飛、65玉、64飛、56玉、66飛、45玉、46歩、同と、同飛、54玉、
ステージ2
『44飛、65玉、64飛、56玉、66飛、45玉、
44と、35玉、36歩、同と、34と、45玉、46歩、同と、同飛、54玉、』 ×3回
ステージ3
『44飛、65玉、64飛、56玉、66飛、45玉、37桂、同と、
44と、35玉、36歩、同と、34と、45玉、46歩、同と、同飛、54玉、』 ×2回
ラストステージ
44飛、65玉、64飛、56玉、66飛、45玉、37桂、同馬、
44と、35玉、36歩、同馬、同飛、同玉、63角、35玉、45角成(34と) まで111手
36歩、同馬としたところで、もう1歩あればこれまでと同じように46で馬が取れるのですが、肝心なところで弾(歩)切れ。 最後は主役の飛車と斬りちがえて馬を仕留めます。
くるくるとしては重厚な、三段構えのと金はがしでした。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 凡骨生さん:
- と金剥がしに爽やかな風が吹く。34と金が巧く使われている。
- 橋本元希さん:
- 初めて解答します。
初めて100手を超える作品に挑戦しました。
難易度はともかく解けました。
正解してると嬉しいな。
お見事、正解です。 初解答で100手超えを正解とはすごいですね。
- S.Kimuraさん:
- 最後に歩が1枚足りないと思ったら,馬を取れば良かったのですね
- 小林巧さん:
- 107手目でやっと、59馬の存在意味が分かりました。
- 池田俊哉さん:
- <作者です>
当初70手台でしたが、TETSUさんにアドバイスをもらい自身初の100手超えとなりました。
特に「23王」は自分では思いつかない配置で、さすがと思います。
趣向としては「不知火」がある以上二番煎じと取られても仕方ないところですが、「くるくる展示室 No.157」と同様、退路封鎖の風味が良いかな、と思っております
難易度が変わらずに繰り返し回数が増やせれば、その分長く楽しめてうれしいかと。
「不知火」は巨匠黒川一郎さんの名作。
将棋雑記で紹介されています(黒川一郎研究47)。
また、詰将棋一番星では、持駒歩18枚の作品のNo.3で、手順を鑑賞することができます。
- 隅の老人Bさん:
- 風ぐるま?
水車にしてよ、この暑さ、少しは凌げる。
- 占魚亭さん:
- と金のスイッチがいいアクセントになっていますね。
- 嵐田保夫さん:
- くるくる回転による徹底したと金剥がしに3七桂の筋を加えるなど作者の苦労が偲ばれる。
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