次へ
次へ
詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.116 菅野哲郎さん
くるくるおもちゃ箱
くるくるおもちゃ箱
出題時のコメント:

後手持駒は歩だけ。40手台


斜めのと金がきれいですね。 初手は91飛成と行くしかなく、後手持駒は歩だけなので31歩合の一手(81歩は二歩)に見えますが、実はここに驚愕の一手が隠されていました。 それは81と!

同龍で歩を渡しただけ損なので、無駄合? いや、31歩合としたときの手順を少し考えてみると、12歩、同玉、82龍と、82のと金はいずれ取られる運命なので、駒の損得はありません。 ということは81と、同龍とした分2手延命できますから、こちらが正解になるのです。 ヤケクソ中合とも呼ばれる受け手。 本作ではこのヤケクソ中合が1サイクルごとにでてきます。

  91飛成、81と、同龍、31歩合、12歩、同玉、
  82龍、72と、同龍、32歩、13歩、同玉、
  73龍、63と、同龍、33歩、14歩、同玉、
  64龍、54と、同龍、34歩、15歩、同玉、
  55龍、45と、同龍、35歩、16歩、同玉、
  46龍、36歩、17歩、同玉、

これで持駒の歩はなくなったので、あとは57歩、66香の質駒を取って収束します。

  57龍、37歩成、18歩、16玉、
  66龍、同歩、17香 まで41手

ヤケクソ中合は無駄合に見えてうっかりしやすいので、大量の誤答がでることがあります。 本作は1サイクルごとに入るので、手数ヒントでわかるかなと思ったのですが、かなり戸惑った方がいたようで、出題時にコメントすべきだったと反省。

1サイクルごとにヤケクソ中合を盛り込んだ作品は、くるくるNo.144でも紹介しています。 あわせてご鑑賞ください。

ところで本作はヤケクソ中合だけでなく、3筋の歩の移動もテーマ。 31から37まで7回の応手は、1枚の歩の応手回数の記録(これまではTETSUの6回)を更新しました。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

中澤照夫さん:
取られると金をあらかじめ捨てる延命策。
凡骨生さん:
龍の階段上がりと歩の一段上りが楽しい。
渡辺さん:
「17香まで31手」あれ?40手台?変別なの?ということで再考。
と金を引くのは「無駄合い」とは呼ばない、ということでよろしいでしょうか?
はい。手数が延びて駒も余らないので、有効な合駒になります。
嵐田保夫さん:
40手台?30手台じゃないの。ん、なるほど8一とがあったのか。
長谷繁蔵さん:
手数ヒントで助かりました
北岡正一さん:
手数のヒントがなければ短く詰ましているところ。ヤケクソ中合も繰り返すと自然に見えてくるから不思議。
馬屋原さん:
これ程やけくそ中合が出てくる作品は初めてみました。暗算だと収束がややこしかったです。
S.Kimuraさん:
と金の移動合には驚きました
手数のヒントに助けられました
隅の老人Bさん:
易しい?、いいえ、これは、難しかったよ。
66香の意味が最後に判明。
諏訪冬葉さん:
これが噂に聞く「ヤケクソ中合い」というやつでしょうか?

くるくる展示室No.116 解答:13名 正解12名

  嵐田保夫さん  馬屋原さん  S.Kimuraさん  北岡正一さん  螽斯さん
  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  躑躅さん  中澤照夫さん  長谷繁蔵さん
  凡骨生さん  渡辺さん   

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。