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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.97 山田淳さん
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出題時のコメント:

2枚飛車のパズル・上級編。50手台


本作もきれいな形ですが、くるくる展示室96と比べるとずっと難しい。 それは、どの位置でもと金の王手が利いて紛れが多いのと、35銀の活用が見えないと詰まないためです。
作者:
2枚飛車による横送り趣向です。上部を玉方の歩で抑えているものが過去にいくつか作られていますが、本作では攻方のと金を配置したことで多少の変化が出ているのではないかと思います。
TETSU 「と金にすることで変化がかなり変わって、また別な味がでていると思います。 ただ、そのことが逆に手順を難しくしていて、「暗算で解けるやさしい趣向詰」のコーナーであるくるくる展示室には、ちょっと厳しいかもしれません。 しかし、形がシンプルで解く気になること、難しいといっても駒を並べて解けばなんとかなりそうなことから、採用とさせていただきます。」

ということで出題しましたが、半数以上が無解で、解けた方も 「今までで一番苦労したかも」 「難易度は大学院級」 と苦戦したもよう。 このような作品はくるくるとは別に、パズル的作品のコーナーを作って出題した方がよいかもしれませんね。

本作の考え方
1) 詰方は2枚の飛車で玉を挟むように攻め、受方は逆に挟まれないように逃げる。
 1間で挟めれば簡単。例えば89飛69飛78玉なら、77と、同玉、67と、78玉、68とまで
 2間で挟めても簡単。89飛59飛68玉なら、67と、同玉、57と、78玉、77と、同玉、87と、68玉、58飛まで
2) 詰めるには1枚だけ浮いている35銀を活用する。
3) 手順の流れ:
 まず左に ・・・ 次に右に ・・・ 39飛型に ・・・ 47と以下35銀の活用 ・・・ 左に ・・・ 右に ・・・ 収束
4) 変化がたくさんあるが、挟んで詰むか上記手順に合流できれば変化と判断できる。

では、まず変化は置いておいて、本手順を先に並べてみましょう。

まず左に
  59飛、68玉、69飛、78玉、79飛、88玉、89飛、78玉、79飛右、68玉、
  途中図1 89飛79飛68玉
次に右に
  69飛、58玉、59飛、48玉、49飛、38玉、39飛、28玉、29飛、18玉、
  19飛、28玉、29飛左、38玉、
  途中図2 19飛29飛38玉
39飛型に
  39飛、48玉、
  途中図3 19飛39飛48玉
47と以下35銀の活用
  47と、同玉、37と、58玉、57と、同玉、46銀、68玉、
  途中図4 19飛39飛68玉・46銀37と
左に
  69飛、78玉、79飛、88玉、89飛、78玉、79飛右、68玉、
  途中図5 89飛79飛68玉・46銀37と
右に
  69飛、58玉、59飛、48玉、49飛、58玉、59飛、68玉、
  途中図6 49飛59飛68玉・46銀37と
収束
  57銀、78玉、58飛(48飛) まで53手

48玉は49飛右以下途中図2に短縮
58玉は59飛右以下途中図2に短縮
68玉は69飛右以下途中図2に短縮
78玉は1)の1間手順

68玉は1)の2間手順
58玉は57と、同玉、47と、68玉、69飛右、58玉、57と、同玉、46銀以下途中図6に短縮
48玉は途中図3以下の手順で早い

38玉は39飛左、48玉で途中図3以下の手順で早い
28玉は1)の1間手順
58玉は59飛、68玉、57銀、78玉、58飛まで
58玉は59飛、68玉、57銀、78玉、58飛まで
68玉は69飛右以下途中図6に短縮

78玉は1)の1間手順
68玉は57銀、78玉、79飛右まで

ということで、本手順が分かれば変化は数は多いものの整理すればなんとかなります。
でも、解答者は当然本手順が分からない状態で解くわけで・・・

銀の活用が解決のキーで、左右に2回も追うところおもしろい。 形もよく、2枚飛車のパズルとして上出来の作品。
初入選とは思えない完成度で、今後の活躍にも期待したいですね。
解けなかった方はぜひ並べてご鑑賞ください。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
稲葉上さん:
どこかで47ととして、銀を活用するのは見えます。
でも変化を読むのに大変、三日も・・・ ^^;
長谷繁蔵さん:
2手目48玉で大苦戦。49飛右に18へ逃げられて駄目だと思った。
作意を得て納得。途中変化が多かった。46銀となって筋に入った(玉詰上り場所78玉)
くるくる今までで一番苦労したかも
凡骨生さん:
35銀がイボとおもいきや片えくぼだった。
小峰耕希さん:
暫く考えて解けなかったのでパスです^^;
しろねこさん:
何となくわかりましたがこの問題に関してはわかりません。
S.Kimuraさん:
と金をどこで動かしたら良いのか,分かりませんでした.
隅の老人Bさん:
変化跳ばしはしたけれど、これまた大変、草臥れた。
手数表示は50手台、50手以下は変化だな。
利波さん:
超難解でした。飛車で王手をする度にどちらに玉が逃げるかの変化が発生し、逃げた手に対して飛車で王手をするのかと金で王手をするのかが発生し、その先で更に飛車で王手をした時にどこに玉が逃げるかが発生し、、、。系統図を作ってやっと解きました。銀がカギとは思いましたが、46〜57に引いて48飛と浮いて詰むのも意表の展開。好作ですが、難易度は大学院級だと思いました。
嵐田保夫さん:
この手の問題は手は限られているが,最善手順を見つけ出すのは非常に煩雑、別な意味で超難解。

くるくる展示室No.97 解答:8名 全員正解(下記)

  嵐田保夫さん  稲葉上さん  しろねこさん  隅の老人Bさん  躑躅さん
  利波さん  長谷繁蔵さん  凡骨生さん  

当選者は、展示室で発表しています。