利波さんはホームページ温故知新での古棋譜の研究や、ブログ将棋雑記での黒川一郎研究、旧パラ検証など、ネット上でも各種の研究で有名ですが、将棋の大会や詰将棋の解答選手権で活躍したり、大道詰将棋など多彩な詰将棋を発表したり、リアルの世界でも活発に活動されています。
- 作者:
- くるくるの過去の作品にも同じ趣向は無さそうだったので、投稿してみます。といっても陳腐な趣向で「ヤングデ」の歩がテーマの課題作の没作なんですけど、、、。
というわけで、今回の趣向詰特集のために投稿していただきました。 ありがとうございます。
成駒もない清貧図式の美しい初形が、いかにも趣向詰らしい配置で解きたくなります。
13飛が浮いているので31角は絶対ですが、すぐに42角成と捨てるのが気持ちいい手順で、うまい序の付け方です。
31角、32玉、42角成、同玉、
ここから歩の成捨てによる送り趣向で左に。
52歩成、同玉、62歩成、同玉、72歩成、同玉、
82歩成、同玉、92歩成、同玉、
途中で折り返すのは本手順に短縮して早く詰むので、最後まで取るのが正解。
今度は一転、歩打による送り趣向で右に戻ります。
93歩、82玉、83歩、72玉、73歩、62玉、
63歩、52玉、53歩、42玉、43歩、32玉、
ここで続けて33歩ではなく、31飛成と捨てるのがいい手。
収束に入ります。
31飛成、同玉、33飛成、21玉、
22歩、12玉、13歩、11玉、31龍 まで33手
往路も復路も歩による送り趣向、最後も歩で決めて、まさに「歩がテーマ」の作品。
くるくる向きの作品でも序、収束に大駒捨てを入れたのが作者の技ですね。
歩成捨てから歩打ちでの送り趣向を更にくるくる化した作品を鳥本さんが発表しています(くるくる展示室No.3)。
本作は二段玉でもありかなりイメージが違いますが、本作がちょっと難しかったなーと思った方は、こちらの作品も鑑賞されてはいかがでしょうか。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 香箱さん:
- 変化を読み切るのに少考。受方は歩成りを取らざるを得ず、折り返し後の歩打ちにはよろけを強要されて綺麗な趣向手順が成立。
- 稲葉上さん:
- 二段目の歩成を取らざるを得ないと分ってから一挙に解決。収束も見事です。
- 中澤照夫さん:
- 収束も歩を生かしてまとまっている。
- 嵐田保夫さん:
- コンピュータグラフィックを連想させる歩の出没。
- しろねこさん:
- 歩成で王手の連続、持ち駒の歩打ちで玉を追いかけ、飛車成で解決。
詰手順がきれい。
- 小峰耕希さん:
- 要は42に歩orと金の利きが欲しい、という事。
- 長谷繁蔵さん:
- 3手目21飛成として失敗 面白いくるくるでした
- 凡骨生さん:
- 玉は二枚飛のサンドイッチで最後に食べられる。
- 隅の老人Bさん:
- 春の小川はさらさら流る。
最後の31飛成捨てで、「上手に纏めたな」です。
- S.Kimuraさん:
- 往路の歩成も復路の歩打ちも綺麗ですね.
- 利波さん(作者):
- これ元ネタは中学生の時の作品なんですよね。楽しんでいただければ良いのですが、、、。
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