カピタン展示室No.35、No.36に続いて松下拓矢さんの協力自玉詰です。
今回はどのような仕掛けが見られるのか、楽しみなところ。
32の王を詰めるためには、初形では21、23、33、42と4箇所も逃げられる状態で、この4箇所をどう塞ぐかが問題です。
最後65角を利用して詰めることを想定(例えば55角、同銀など)すれば、21は大丈夫。
42は73角、53玉とすれば塞ぐことができます。
玉を53に呼べば、23飛と王手できるようになり、23も塞げそう。
あとは33の塞ぎ方ですね。
ここで、73角による封鎖を思いついた人は鋭い。
そう、83飛、56香、23飛と3枚が53玉を睨んでいるので、空き王手を利用して55角不成から33角不成と動かせれば、33を塞ぐことができそうです。
この手順を成立させるには、23飛にたいする合駒がポイント。
例えば33合、55角不成、63銀では、63銀が65角による空き王手になっているので33玉と逃げる一手になり失敗。
ちょっとやりにくいけど43合で65角を二重に止めるしかなさそうです。
33角不成と56香で王手したときそれを防ぎながら逆王手かけることができる駒はと考えると、43桂合が唯一可能であることがわかり、解決します。
73角、53玉、23飛、43桂合、55角不成、63銀、33角不成、55桂
まで8手
作者 「シフマン2回で合駒を動かして逆王手。
▲56香のラインを遮りつつ△65角のラインを通すことができるという桂の個性を味わっていただければと思います。」
シフマンとは、チェスプロブレムから来た用語で、飛角香と玉の間に受方の駒が挟まっているとき、その駒が動くと玉を取られてしまうのでそのままでは動けないわけですが、
飛角香と玉の間にもう1枚攻方の駒を挟むことによって動けるようにする手筋です。
本作では55角を挟むことで54銀が動けるようになり、33角を挟むことで43桂が動けるようになります。
少し前に解説動画がアップされていたので、ご参照ください。
多数の飛び駒を活用したアクロバティックな手順。
解けなかった方もぜひ並べて、このすばらしい手順をご鑑賞ください。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- たくぼんさん:
- 作者の狙いを看破しないと思いつかない43桂。 感動の8手
- 山下誠さん:
- 自玉詰系の問題は最終形が全くイメージできません。
- 松崎一郎さん:
- すみませんがパス(頭コチコチ)させていただきました。
- 小山邦明さん:
- 玉の三段目の移動を自駒で封鎖し、65角からの王手に期待するしかない初形ですが、
73に角を打って55から33に展開する手や、4手目桂合をしてから55に跳ねるなどアクロバティックな駒の動きがすばらしい。
- おかもとさん:
- 43桂から55桂、なるほど!
- 池田俊哉さん:
- 21歩から空き王手(両王手?)と予想はつくが、初手に打った角が不成で二度動くのが楽しい
- 占魚亭さん:
- 角+銀から角+桂へとバッテリーが変化。 三段目の組立てが見事ですね。
- 西澤叶祐さん:
- 協力自玉詰のルールはおそらく分かったのですが、4月中に解くことはできませんでした。
どこかで5五角に同銀の開き王手を使いそうな気がします。
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