柏木さんは、展示室では初登場ですが、スマホ詰パラで活躍されていて、
記録に挑戦!で、
都小駒歩なし煙(金銀桂香全駒)の長手数記録「段取八分」や都鶯煙(桂香歩全駒)の長手数記録「鶯宿梅」
が登録されています。
いろいろな条件の都煙を開拓している柏木さん、本作は初めての都桂香煙です。
初めての条件の場合、1局しかないので、長手数記録でもあり、短手数記録でもあるわけですが、
まずは長手数記録として登録し、2号局が登場したときに長手数記録・短手数記録で振り分けることにします。
初形から桂を捨てて捌いていくしかないところ。
しかし、52桂成、53桂成と捨てるのは同玉で後続がありません。
61桂成、62桂成と捨てて、73香成と拠点を作るのがうまい手順。
それから6筋の桂を捨てれば67の香と73成香が連携して、都で詰め上がります。
61桂成、同玉、62桂成、同玉、73香成、51玉、
52桂成、同玉、53桂成、同玉、63成香、54玉、
64成香、55玉、65成香 まで15手
作者 「都桂香煙、四香詰。見た目のみ綺麗ですが、実、邪魔桂馬四枚の只の処理です。」
成駒なしの初形桂香8枚から桂4枚が消えて四香詰の詰上りとは見事ですね。
小駒系の都煙では、合駒で大駒を取らなければ詰上り5枚が必要で、それを都煙と呼んでいます。
途中で大駒の合駒を取って4枚で詰め上がる都煙は見たことがありませんが、
出現した場合には区別する名称が必要になるかもしれませんね。
都純桂香煙(合駒なし、5枚)と都桂香煙(合駒あり、4枚)とか。
盤面2種全駒の詰将棋では飛角図式が有名で、金銀8枚もかなり作られていますが、
桂香8枚は過去1作しかありません。
それは使用駒玉と桂香8枚の長手数記録として登録されているおおさきさんの作品で、
本作が2号局になります。
まだまだいろいろな作品が創作できそうな条件で、もっと作られてもよいと思うのですが。
なお、「古今趣向詰将棋名作選」で分類されている
初形・詰上り趣向の分類では、
飛角図式は盤面が玉と飛角4枚、金銀図式は使用駒種が玉と金銀、桂香図式は21桂11香のある図と、
名前の付け方がばらばらで、非常にわかりにくくて困ったものです。
本作の初形は、桂香全駒図式と呼ぶことになるのでしょうか。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 陽気なわらしべ長者さん:
- 久し振りにラムネを飲んだ様にスカッとした。
- 長谷繁蔵さん:
- 詰上り香だけ面白い。
- 高田明浩さん:
- 桂の成り捨てが気持ちよかったです。
- 隅の老人Bさん:
- 初形は王と桂香だけの駒配置、詰上がりは四香詰、詰手数は15手。
さて、何の記録でしょうね。
新規に都桂香煙の長手数記録の項目を起こして登録しました。
- 山下誠さん:
- 成駒のない桂香図式ぁら爽やかな手順を経て四香詰。
嫌味がなくて美しい作品です。
- おかもとさん:
- 桂香の二色から香の一色+ミニ煙ですね。
56香は歩でも可、なんてヤボなことをいってはいけないんでしょうね。
どちらでも可能なら、本作なら当然香にしますね。
- 松本浩一さん(作者):
- ケキョもまあ鳴き声にはなりそうでして、都歩無し鶯煙とでも呼びましょうか。
他に考えられた方も居るかとは思う故、出した物勝ちかも知れません。楽しんで貰えれば幸いです。
歩なし鶯だと、ちょっと考えないと駒種がわからないので、ダイレクトに都桂香煙としました。
- Pathfinderさん:
- 成駒のない桂香図式から香一色の都煙詰は美しいですね。
- 蛇塚の坂本さん:
- 桂が全て捌け香だけが残った形は非常に綺麗です。
- 藤田卓志さん:
- 5手目の香成に気付くまで迷路をさまよいました。
4枚の桂が見事に消え、美しい詰め上がりですね。
- 鈴木彊さん:
- 終図が香3枚成香による都詰 仮名のス?
これを「ス」と読ませるのはちょっと苦しいですね。
- 波多野賢太郎さん:
- 桂馬はすべて成捨で、でも単に四連続成捨でないところがちょっといいです。
- 市橋宗士さん:
- 盤面玉以外は、桂香だけの初形図、
詰め上がりは四桂をすべて成り捨てて4枚の香だけでの趣向作、うーん見事に詰み上がった。
不動の3枚の香ががっしりした感じ。
初形、桂と香が別々のかたまりに見えて面白かったが、この配置に決定するまで苦労・工夫されたのでは推察。
初形図と詰上図の比較で言えば、最終成「桂」という手順の作品も、別の意味で、あり、かと。
今月は、三連作の趣向詰め、1題しか解けませんでしたが、
106番、107番は、解説にて、鑑賞したいと思います。
- S.Kimuraさん:
- 56の香車を54に動かすだけで4手減り,
56,47,67の香車を58,49,69に動かせば良い4手増えそうですが,
長・短手数記録というよりも,都煙詰め自体が大事ということでしょうか.
単に桂香全駒図式、あるいは四香詰ならもっと長手数の作品があるので、都煙ということで記録になります。
- 小山邦明さん:
- 手順も初形もすばらしい。初入選とは思えません。
- 占魚亭さん:
- 一気の捌き。この図はちょっとした発見かも。
- 池田俊哉さん:
- 桂香都煙の最長手数かな?でも最短手数がわからない...
ただ、成香に意味のある四香詰になったのは良い。
1号局なので、短手数記録にもなります。
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