昨年の8月、各種飛角詰の長手数記録
を募集して、いくつかの記録が更新されました。
本作もそれに向けて創作された作品で、締め切りにまにあわなかったため今回の掲載となったものです。
見てわかるように初形は龍馬図式、詰めると、詰上りも龍馬詰になっていることがわかります。
つまり、本作は龍馬図式でもあり龍馬詰でもある詰将棋、立体龍馬詰です。
飛角図式の長手数記録は塩野入清一さんの83手詰という大記録があり、
1989年7月の発表以来、いまだにこれを超える作品は出現していません。
飛角図式は成生混在のことが多いのですが、成駒なしの純飛角図式、
すべて成駒の龍馬図式についても調べてみたところ、次の作品が長手数記録であることがわかりました。
これらの項目もいずれ追加したいと思います。
- 純飛角図式 45手 谷仲達 詰パラ2011年10月
13飛|21玉22角31角54飛|金金香
- 龍馬図式 33手 宮浦忍 詰パラ2005年1月 (アートNo.46)
53馬55龍|51玉52馬54龍|銀3歩4
谷作の解説で「おそらく純正飛角図式最長手数タイではないかと思われます」と書いてあるのが気になりますが、
データベースでは見つけられませんでした。
ご存知の方はご教示いただければ幸いです。
また、飛角詰の長手数記録
にあるように、以下の項目の長手数記録は次の通りです。
- 飛角詰、立体飛角詰 25手 濱田博 詰パラ2010年10月
- 龍馬詰 21手 金少桂 おもちゃ箱 2015年9月
- 立体龍馬詰 17手 北川明 近代将棋2008年4月、金少桂 おもちゃ箱 2015年9月
本作は33手詰で、
上記の飛角詰、龍馬詰、立体飛角詰、立体龍馬詰の長手数記録
をすべて塗り替えました。
また、龍馬図式の長手数タイ記録でもあります。
それでは手順を見ていきましょう。 形と持駒から、歩を叩いて銀歩送りに持ち込む順を考えた人が多いと思います。 というか、それ以外にはなさそうな形で、実際それで正解です。
12歩、同玉、13歩、同玉、14歩、同玉、15歩、同玉、
24銀、14玉、15歩、同馬、
23銀不成、13玉、14歩、同馬、
22銀不成、12玉、13歩、同馬、
同銀成、同玉、22角、14玉、15歩、同玉、
角を入手してからは、一転して馬追いの趣向になり、収束します。
33角成、16玉、34馬、17玉、35馬、16玉、
26馬(25龍、26龍) まで33手
既成手順ながら、二つの趣向を組み合わせて4部門の長手数記録を更新しました。
41龍が馬の軌跡限定などよく効いていますね。
76馬は余詰防ぎの駒で、ないと14で馬を取って、23角、13玉、14歩、22玉、41角成以下。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 蛇塚の坂本さん:
- 意外に手数が延びるのに驚く。 歩が8枚も使える所が凄いと思う。
- 長谷繁蔵さん:
- 易しい飛角図式
- 山下誠さん:
- 簡単な仕掛けで飛角図式の最長手順を実現。
詰上がりも飛角図式とは驚き。 7六馬の意味が分って安堵。
飛角図式は83手の大記録があります。 龍馬図式では最長タイ。
- 占魚亭さん:
- きれいな一筆書き。
- おかもとさん:
- 詰上がり龍馬の記録作でしょうか。
初形も龍馬なので、一種の立体曲詰?
立体龍馬詰と呼んでいます。
- h&iさん:
- 23手目▲79角も有力かなと思いましたが、ちょっと足らないんですね。
▲22角がちょっと打ちにくい好手で、最後も龍馬図式とは...恐れ入りました。
79角の遠打が成立すればおもしろいですが、12玉、13歩、11玉、88角に歩か桂の合で逃れ。
- S.Kimuraさん:
- 21手目に馬を取ることに気づかず,しばらく考えさせられました.
- 攻めダルマンさん:
- とりあえず記録作ですね。
- 小林巧さん:
- 喉につかえた棘馬、再利用で玉を刺す。
それにしても左の馬と龍は、指を咥えて見ているばかり。
- 金少桂さん:
- 記録もさることながら趣向がいっぱいで楽しい。
玉方龍配置がいろんな意味付けを兼ねててうまさを感じた。
- 隅の老人Bさん:
- 竜馬図式の最長手順ですね。飛角図式かも。
初形だけでなく詰上りも狙いでした。
- 波多野賢太郎さん:
- これは楽しい作品ですね。
初形同様、龍馬4枚の詰上がりもいいなあと思いました。
- 池田俊哉さん:
- 立体龍馬図式の最長手数?受方の龍馬が不動で残るし、手順も22角くらいしか考えるところがないが、「記録ハンター」の作者なら作っておきたいところか
- 小山邦明さん:
- 従来からある手順を見事に発展させたという印象です。
- 嵐田保夫さん:
- 角をどこで取るかの工夫だが手なりで詰む。
- ハマGさん:
- 立体龍馬詰の長手数記録、16手大更新
|