本作、周辺の駒がものものしいですが、大部分は合駒を制限するための花駒。
ちなみに受方の持駒は香1枚です。
受方の持駒を指定すれば、かなり駒数を減らせそうですね。
さて、本作は1枚の香の応手回数記録作品(8回)です。
これまでの記録は岩田俊二さんの6回。
本作は2回増やし、理論上の最大回数9回まであと1回に迫りました。
- 作者:
- 1枚の歩の応手回数は、歩でも香でも同じような論理構造で創ることになると思うのですが、
打歩詰回避のための不成を使用しないでできる上限は歩で7回、香で8回。
現行記録は歩で上限の7回に対し香は2回余裕のある6回。
これは更新の余地あり!と思って作図してみました。
龍で香の移動合をさせる構成は岩田作と同様。
それでは、どこで2回増やしたのか、手順を見ていきましょう。
91飛成、51香合、
岩田作は香移動合のヒモが31香と1段目にあるため2段目の香合から始まりますが、
本作はそれを59龍として1段目の香合から始め、ここで1回増やしています。
これは菅野哲郎さんの1枚の歩の応手回数記録作品でも使われた手法。
41香成、32玉、82龍、52香、
42成香、33玉、73龍、53香、
43成香、34玉、64龍、54香、
44成香、35玉、65龍、55香、
45成香、36玉、76龍、56香、
46成香、37玉、87龍、57香不成、
この辺はくるくるで、気軽に楽しめるところ。
87のと金を取るのがポイントで、そのため龍の動き方が限定されています。
87龍に57香不成が重要な応手。
最後59金に同香成と取ることを可能にする不成です。
47成香、38玉、39歩、49玉、59金、同香成、48飛 まで33手
57香を成ってしまうと、59金に同玉しかなくなり、89龍で33手駒余り。
59香成でもう1回増やして、1枚の香の応手合計8回を達成しました。
69飛まで33手の変別解がお二人。
57香成とした可能性があるので、残念ながら不正解とさせていただきました。
47飛まで35手の解もお一人。
これは最終手余詰解なので正解としました。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- dadaさん:
- 最初に飛車で87とをとる展開であることがすぐ分かったので、この問題だけ回答します。
最初は頭の中で考えていて、51歩と合駒をして、最後どうしても駒があまってしまったのですが、
盤に並べたら、相手は香しかないことに気づいて納得しました。
香車の合駒の回数記録でしょうか?
1枚の香の応手回数の記録でした。
- 馬屋原剛さん:
- これは自分も考えていたがうまくいかなかった。完敗。
- キリギリスさん:
- 39の空間と87のと金がすぐには結びつきませんでした。
- 占魚亭さん:
- 岩田俊二氏作の機構の改良形ですね。本作が決定版かな?
- 國吉進さん:
- 王方香中合7回?
ヒモがついているから中合ではないですね。
- 池田俊哉さん:
- 一枚香による最多応手回数か(一筋指定も入る?)。
58を入れると成生を限定するのが難しいので、これが限界か
- ぬさん:
- くるくるのような手順。
- 長谷繁蔵さん:
- 香を取って39に打っても38と金で失敗。収束で苦戦
- 小山邦明さん:
- シンプルな初形でエレベータの手順をうまく活用して記録更新ができていると思います。
- 隅の老人Bさん:
- 香の一目上がり回数の記録かな。
まさか花駒まがいの駒数の多さじゃないでしょうね。
花駒の数なら、31玉|11玉|香 で残りの37枚を置けますね (^^;
- 波多野賢太郎さん:
- まさか合駒の香がここまで移動することになるとは思いませんでした。
王手をかける龍の動きもなかなか面白いですね。
- やぶいりさん:
- 受方香7回移動でしょうか?
応手回数の記録では打つ手と移動する手を区別してないので、応手8回となります。
- やまかんさん:
- 香合の最多回数の記録かな?最後香の不成が光る。
- S.Kimuraさん:
- 87のと金がただで取れるのを見落とし,龍を67に移動させて悩んでいました.
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