ある日、毎月行われている詰工房の例会に顔を出してみると、
猫田さんが何やら並べていました。
「最遠打(7間空き)が入っている詰将棋、最少何枚で作れますか」
「香の最遠打はこんな感じで作れるんだけど(図面省略)、
余詰消しの駒を置くと(持駒も含めて)8枚になってしまうんです。
もう少し減らせると思うんですが」
それを見ていたかねこさん「双玉にして逆王手を防ぐ遠打にすれば、6枚でできるんじゃない。・・・ほらできた」
ということで、記録展示室で出題させていただきました。
本作は「香の最遠打・使用駒数最少」の記録作品(6枚)です。
49の飛がピンされている形。
ピンがはずれれば41飛成の1手詰ですから、59香の最遠打は見えるところです。
61玉なら41飛成まで。
合駒しても41飛成まで? と読んで3手詰の解答もありましたが、残念ながら不正解。
双玉なので、逆王手の合駒があるのです。
58角合なら、同香、61玉、83角、71玉、72角成まで。
58金(銀)合なら、同香、61玉、62金(銀)まで。
57桂合なら、・・・ これが1番長いので正解です。
59香、57桂合、同香、61玉、
73桂、71玉、81桂成、61玉、
52香成 まで9手
シンプルな原理で、この仕組みではこれ以上駒数を減らせるとは思えないので、どうやらこの条件では究極の記録作品。
こういう作品をすぐに作ってしまうのは、流石ですね。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- キリギリスさん:
- 2手目中合は58という先入観があり57桂はなかなか気が付きませんでした。
- ぬさん:
- 逆王手の中合を見落としそうになりました。
- 福谷敏久さん:
- 中合がポイントですよね?しかし王手がかからない合駒だと飛車が成って詰む
- しまぎろうさん:
- 58角もありそうでした。
- やまかんさん:
- 調べましたけど何の記録かわからなかった。手順は平凡ですよね。
まだ登録されてない、新規の記録でした。
- 平井康雄さん:
- 最遠香打の最少駒数ですね。
双玉で意味づけしたアイデアの勝利ですね。
- 名無し名人さん:
- 攻方玉を抜かれないための工夫。
- 池田俊哉さん:
- 香遠打の最小駒数でしょうか。本気で三手詰にしそうになりました
- れおんさん:
- 2手目がすべて。
- たくぼんさん:
- 59香に57桂。記録だけではない手順に拍手
- 隅の老人Bさん:
- 初手がピカリ、2手目もピカリ。でも何の記録か判らない。
- 占魚亭さん:
- 序の2手だけの作品ですが、なかなか上手いです。
- 藤田卓志さん:
- 双玉問題は逆王手の筋が出てきて、実に面白いです。
- S.Kimuraさん:
- 逆王手が何通りかあって楽しめました.
惜しくも3手詰で解かれた方の感想。 双玉は怖いですね。
- Aさん:
- 短い作品ながらも59香がとても双玉らしくていいと思いました。
- Bさん:
- 短手数だが、あっとなる
- Cさん:
- 飛車成りを 実現させる 香遠打
最遠打の最短手数記録、といったところでしょうか。
最短手数は、最遠しか打てないようにしておけば1手詰ができそうですね。
私も昔、香角飛の最遠打の5手詰を作ったことがあります。
最近発行された「竹馬」にも岡本正貴さんの飛香角最遠打の5手詰(第52番)がありました。
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