記録展示室　Ｎｏ．６９　馬屋原剛さん

出題時のコメント：

あぶり出し「一」の長手数記録。６０手台

【解説：馬屋原剛】

正月に「一」の曲詰の長手数記録作の募集があり、それに挑戦したのが本作です。

　　１５金、同香、１７金、同玉、１５飛成、２７玉、

まずは金をお尻と頭に捨て、飛車の活用を図ります。

ちなみに15飛成に対して

16歩合は、19香、27玉、45角成、同香、26龍、38玉、37龍、29玉、
18銀、19玉、39龍、18玉、19銀、27玉、37龍、

16金合は、19香、18金、26銀、27玉、45角成、同香、16龍、同玉、
27銀、同玉、37金、16玉、18香、

でいづれも早詰です。

　　４５角成、同香、

露骨に銀を奪い取り、ここから龍でひたすら玉を追い回します。

　　２６龍、１８玉、１９香、同玉、２８銀、２９玉、３９銀、同玉、
　　４８銀、同玉、３７龍、４９玉、５８銀、同玉、４７龍、６９玉、
　　４９龍、７８玉、５８龍、７７玉、８７金、同玉、９８龍、７７玉、
　　９７飛、７６玉、８７龍、７５玉、９５飛、６４玉、

長手順進めてしまいましたが変化紛れがほとんどないため解説は不要でしょう。

　　８４龍、７４金合、　（途中図）

本作唯一の考え所であろう合駒選択です。

84龍に

74歩（香や桂も同様）合は、73龍、54玉、53桂成、同玉、51桂成、42玉、
45飛、32玉、41飛成、22玉、24香、12玉、23香成、

74銀合は、73龍、54玉、74龍、64歩、53桂成、同玉、64龍、42玉、45飛、31玉、
32歩、21玉、41飛成、12玉、14香、22玉、13銀、23玉、34龍、

74角合は、73龍、54玉、74龍、64歩、53桂成、同玉、64龍、42玉、45飛、32玉、
41角、21玉、23香、11玉、12歩、同玉、42飛成、13玉、24龍、

という具合にすべて早詰となります。

７３に龍を潜り込まれてはまずいため、金合が正解となります。

　　同龍、同玉、

金合に対してはさすがに73龍では取られてしまうので龍と刺し違えます。

　　７５金、８３玉、７３桂成、同玉、
　　９３飛成、７２玉、７１桂成、同玉、

以下は手成りで進め、

　　６１歩成、８１玉、７１と、同玉、

歩を消去しておくのが大事なところ。これを忘れてしまうとのちに62龍と回れなくなれます。
後は都にむかって一直線。　　

　　９１龍、７２玉、９２龍、７３玉、６３香成、同玉、６２龍、５４玉、
　　５５金、同玉、６５龍　まで６５手詰　（詰上り図）

【短評】

長谷繁蔵さん：

面白い追い廻わしで活躍した竜は金合で殉死させて部下を昇格させての竜での詰上り、上手い

凡骨生さん：

底辺の銀繰りが面白い。

追い廻わしは単調になってしまったかなと思ってましたが、面白いと感じていただいてうれしいです。

香箱さん：

６５龍まで６５手詰というのも趣向ですね。

広瀬稔さん：

６５竜までの６５手詰めというのが洒落ている。

成り程、言われてみれば両方６５ですね。全然気づいていませんでした。

隅の老人Ｂさん：

先ずは、新記録、おめでとう。
よくぞ、ここまで延ばしたな、です。
記録は破られるためにある。
とりあえず、目標は出来ました。
さて、次はどなたが新記録？

この解説をご覧になっているアナタ、是非挑戦を。更新はまだまだ可能だと思われます。

【補足】　（TETSU）

　本作は２０１０年年賀詰展示室にも掲載され、 お気に入り投票で見事に１位になりました。
　あぶりだし「一」（３５−７５）の長手数記録作品であり、 記録に挑戦！に登録しました。

記録展示室Ｎｏ．６９　解答：７名　全員正解（下記）

　　馬屋原さん　　香箱さん　　隅の老人Ｂさん　　躑躅さん
　　広瀬稔さん　　長谷繁蔵さん　　凡骨生さん

当選者は、展示室で発表しています。