二つの記録とは・・・
一つは図面で分かる、持駒の最多枚数記録です。
角角金金桂香歩18の24枚。
もう一つは全着手駒打ちの長手数記録。
47手。
この条件は余詰の可能性が高くなる記録で、本作も再三の余詰に苦戦しましたが、ぎりぎりの配置で見事に完成しました。
入玉されては詰みそうにないので、序盤はいかに玉を追いもどすかが課題。
角2枚を捨てながら27桂、15金と押さえることで、追いもどしに成功します。
14角、同玉、15歩、同玉、27桂、25玉、14角、同玉、
15金、13玉、14歩、22玉、
ここからは一転して楽しい趣向詰。 歩捨て歩打ちで左に送ります。
この趣向は持駒歩18枚の作品などでよく見られる趣向で、効率よく歩を消費できます。
はじめての登場は山中龍雄さんの七歩連合
(近代将棋1968年6月)でしょうか。
23歩、31玉、
32歩、同玉、33歩、41玉、
42歩、同玉、43歩、51玉、
52歩、同玉、53歩、61玉、
62歩、同玉、63歩、71玉、
72歩、同玉、73歩、81玉、
続いて歩の連捨て趣向。最後は香打で収束します。
72金、92玉、
93歩、同玉、94歩、同玉、95歩、同玉、96歩、同玉、97歩、同玉、
98香 まで47手
趣向は既存のものですが、効率よく歩を消費し、序の追いもどしで6枚の駒を使ったのが記録につながりました。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 嵐田保夫さん:
- 全駒配置で持駒の歩18枚全部を見事に使い切りましたね。
- 香箱さん:
- 歩を使える展開に持ち込む。攻め方全着手「打」+受け方全着手玉の最長手数?
- 長谷繁蔵さん:
- 角合角合じゃなかった。香は残しておく。
- 中澤照夫さん:
- 攻め方全着手打ち駒、玉方全着手同玉、の最長手数か。
- 大森常一さん:
- 玉を3六に出させない攻防に見ごたえがありました。あとは単なる追い詰めで手数が長いだけ。何かの記録なんでょうが未熟な私には分かりません。
全着手駒打ち最長と、持駒最多の記録でした。
- 凡骨生さん:
- 筋に入れば歩の軽打が楽しい作。ところでPNは何と読むの?
そういわれると・・・ 何と読むのでしょう。
- 稲葉上さん:
- 新記録は何でしょう? 歩の12連打に歩打ち18回?
9手目までが厄介でした。
- 渡辺さん:
- 持駒最多記録と何でしょうか? 持駒全部並べるだけで47手必要なので作意手順に駒を取る手はなし、移動する手はあっても1手まで、という大ヒントがあるのに解けない。
序が難しいですね。
- 鈴木康夫さん:
- 読まずに解答に挑戦、持駒最多、全着手打の記録と予想して収束は歩連打で香打まで、それなら場所は98。
見事な推理! 正解です。
- 隅の老人Bさん:
- 新記録は、持駒の数?
歩18枚を上手に消化、くる展でもOK?
序を省いて配置をすっきりさせれば・・・
- S.Kimuraさん:
- 何の記録かは分かりませんでしたが,18枚の歩を打ちまくるのは気分爽快です.
この作品を見た現在の記録作の作者、本間晨一さんが、
「今月の展示室で、金少桂さんに記録を破られたようですので、小生の作品を改良しました。」
ということで、持駒24枚、全着手駒打47手のタイ記録作品に改良されました。
あわせてご鑑賞ください。
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