おもちゃ箱掲示板で、4月3日、ドうえもんさんから次の書き込みがありました。
>作品の投稿 投稿者:ドうえもん 投稿日:2007年 4月 3日(火)
>
>TETSUさん、こんばんは。
>全手順縦移動の長手数記録(21手)を作ったのですが、これは記録になりますか。
>
>後手の持駒:金四 銀四 桂四 歩十五
>9 8 7 6 5 4 3 2 1
>+---------------------------+
>| 馬 ・ ・ ・ ・ ・ ・v玉 ・|一
>| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩|二
>| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|三
>| ・ ・v香 歩 ・ ・ ・ ・ ・|四
>| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
>| ・ ・ ・ ・v香 ・ 香 ・ ・|六
>| ・ ・ 飛 ・ 飛 ・ 歩 ・ ・|七
>| ・ ・ ・ ・ ・ 馬 ・ ・ ・|八
>| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
>+---------------------------+
>先手の持駒:なし
これを契機に、全順縦移動、全手順横移動、全手順縦横移動(いずれも駒打ちはNG)の3項目について
長手数記録作の募集が始まり、4月末まで熾烈なトップ争いが行われました。
全手順縦移動で記録レースを制したのが、岩田さんのこの作品、39手詰です。
- 作者:
- 6手サイクルの縦移動を6回繰り返して玉を下段に追い詰めるというものです。
手順前後2ヵ所、合駒させないための飾り駒、最終手からの余詰はありますが、一応完全作だと思います。
長手数の秘密は、左右からの龍の挟撃+金追いによる6手サイクルの縦移動趣向。
17龍、27と、28金、36玉、56龍、46と、
16龍、26と、27金、35玉、55龍、45と、
15龍、25と、26金、34玉、54龍、44と、
14龍、24と、25金、33玉、53龍、43と、
13龍、23と、24金、32玉、A52龍、42と、
盤面半分をフルに使った雄大な趣向は、もちろんオリジナル。
G1−G2−G3−玉−G4−G5 というおもしろいパターンで、グローバル駒5種を使う移動趣向は非常に珍しく、これも記録かもしれません
(グローバル駒についてはこちらを参照)。
収束では、左辺の馬の利きを使って、更に手数を延ばします。
B12龍、22と、86歩、イ76歩、23金、31玉、51龍、41と、
85歩 まで39手
作意だけ見ると、くるくる風ですが、途中の変化はかなりやっかい(分岐棋譜で示しました)。
収束もかなり苦労されたようで、Aで12龍、
Bで86歩の手順前後ができてしまったのは残念ですが、
全手順縦移動の厳しい条件では消すのは難しそうですね。
解説のため変化を再チェックしていて気づいたのですが、
イで87歩合とすると、
同馬寄、同金、同馬、31玉、21馬、同と、42龍まで41手4駒余りの変長。
Bで86歩を作意にすれば87歩合は39手駒余りに収まるのですが、
すっきりしないので、77金を詰方にするなどして87歩合の変化を消した方が良いと思います。
とりあえず、記録作としては詰方77金の図で登録しておきますので、まずければご連絡ください>岩田さん。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 護堂浩之さん:
- 趣向部の雰囲気はともかく、収束5手に哀しさが漂う。それだけ、縦方向のみの着手、という制限が厳しいのかも知れないが
- 長谷繁蔵さん:
- 手数表示に助けられました
- 真Tさん:
- 変化が読みきれませんが、全手順縦移動ということから考えればあっていると思います。
不思議な手順ですね。
- 中澤照夫さん:
- 煩わしい変化読みはとばして、おそらく31の玉に馬筋を通して詰上がりではと推察する。
- 小峰耕希さん:
- 7・8筋の攻防に作者の工夫を感じます。
- 隅の老人Bさん:
- と金を引いて逃げる。愉快、愉快。でも、花駒が多すぎる。
受方持駒指定にすると、すっきりした図になりますね。
- コマンさん:
- 左辺の固まりは何かとおもえば……。
- 山崎健さん:
- 全手順縦移動は往復させるのは難しそうですね。その中でこの手順はよく工夫されてると思います。
- 馬屋原剛さん:
- 6手一組の手順が成立しているところがすごいですね。ぱっと見では龍の王手に単に逃げる変化がわかりません。
- タクさん:
- 何時8筋の歩をつくのかと思っていましたので迷いました。
- たくぼんさん:
- 初めて見ましたこの趣向。手順前後はちょっと残念。
- 鈴木康夫さん:
- 始めは左辺の駒は合駒制限のためだけの配置かと思ってました。
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