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詰将棋おもちゃ箱記録に挑戦!

記録展示室 No.18 岩田俊二さん

記録に挑戦!
記録に挑戦!
出題時のコメント:
全手順縦移動。 手順前後あり。 39手。

おもちゃ箱掲示板で、4月3日、ドうえもんさんから次の書き込みがありました。

>作品の投稿 投稿者:ドうえもん 投稿日:2007年 4月 3日(火)

>TETSUさん、こんばんは。
>全手順縦移動の長手数記録(21手)を作ったのですが、これは記録になりますか。

>後手の持駒:金四 銀四 桂四 歩十五
>9 8 7 6 5 4 3 2 1
>+---------------------------+
>| 馬 ・ ・ ・ ・ ・ ・v玉 ・|一
>| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩|二
>| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|三
>| ・ ・v香 歩 ・ ・ ・ ・ ・|四
>| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
>| ・ ・ ・ ・v香 ・ 香 ・ ・|六
>| ・ ・ 飛 ・ 飛 ・ 歩 ・ ・|七
>| ・ ・ ・ ・ ・ 馬 ・ ・ ・|八
>| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
>+---------------------------+
>先手の持駒:なし

これを契機に、全順縦移動、全手順横移動、全手順縦横移動(いずれも駒打ちはNG)の3項目について 長手数記録作の募集が始まり、4月末まで熾烈なトップ争いが行われました。 全手順縦移動で記録レースを制したのが、岩田さんのこの作品、39手詰です。

作者:
6手サイクルの縦移動を6回繰り返して玉を下段に追い詰めるというものです。
手順前後2ヵ所、合駒させないための飾り駒、最終手からの余詰はありますが、一応完全作だと思います。

長手数の秘密は、左右からの龍の挟撃+金追いによる6手サイクルの縦移動趣向。

  17龍、27と、28金、36玉、56龍、46と、
  16龍、26と、27金、35玉、55龍、45と、
  15龍、25と、26金、34玉、54龍、44と、
  14龍、24と、25金、33玉、53龍、43と、
  13龍、23と、24金、32玉、52龍、42と、

盤面半分をフルに使った雄大な趣向は、もちろんオリジナル。 G1−G2−G3−玉−G4−G5 というおもしろいパターンで、グローバル駒5種を使う移動趣向は非常に珍しく、これも記録かもしれません (グローバル駒についてはこちらを参照)。

収束では、左辺の馬の利きを使って、更に手数を延ばします。

  12龍、22と、86歩、76歩、23金、31玉、51龍、41と、
  85歩 まで39手

作意だけ見ると、くるくる風ですが、途中の変化はかなりやっかい(分岐棋譜で示しました)。
収束もかなり苦労されたようで、で12龍、 で86歩の手順前後ができてしまったのは残念ですが、 全手順縦移動の厳しい条件では消すのは難しそうですね。

解説のため変化を再チェックしていて気づいたのですが、 で87歩合とすると、 同馬寄、同金、同馬、31玉、21馬、同と、42龍まで41手4駒余りの変長。 で86歩を作意にすれば87歩合は39手駒余りに収まるのですが、 すっきりしないので、77金を詰方にするなどして87歩合の変化を消した方が良いと思います。 とりあえず、記録作としては詰方77金の図で登録しておきますので、まずければご連絡ください>岩田さん。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

護堂浩之さん:
趣向部の雰囲気はともかく、収束5手に哀しさが漂う。それだけ、縦方向のみの着手、という制限が厳しいのかも知れないが
長谷繁蔵さん:
手数表示に助けられました
真Tさん:
変化が読みきれませんが、全手順縦移動ということから考えればあっていると思います。
不思議な手順ですね。
中澤照夫さん:
煩わしい変化読みはとばして、おそらく31の玉に馬筋を通して詰上がりではと推察する。
小峰耕希さん:
7・8筋の攻防に作者の工夫を感じます。
隅の老人Bさん:
と金を引いて逃げる。愉快、愉快。でも、花駒が多すぎる。

受方持駒指定にすると、すっきりした図になりますね。

コマンさん:
左辺の固まりは何かとおもえば……。
山崎健さん:
全手順縦移動は往復させるのは難しそうですね。その中でこの手順はよく工夫されてると思います。
馬屋原剛さん:
6手一組の手順が成立しているところがすごいですね。ぱっと見では龍の王手に単に逃げる変化がわかりません。
タクさん:
何時8筋の歩をつくのかと思っていましたので迷いました。
たくぼんさん:
初めて見ましたこの趣向。手順前後はちょっと残念。
鈴木康夫さん:
始めは左辺の駒は合駒制限のためだけの配置かと思ってました。

記録展示室No.18 解答:14名 全員正解(下記)

  馬屋原剛さん  護堂浩之さん  コマンさん  小峰耕希さん
  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん  タクさん  たくぼんさん
  躑躅さん  中澤照夫さん  長谷繁蔵さん  茂垣淳さん
  真・Tさん  山崎健さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。