本局は、1枚の香の応手回数の記録作品です。
「1枚の香」というのは、同じ香であっても、詰方に取られてまた取り返して合駒した場合は合算しません。
また香が成る場合、香成の手はカウントしますが、成香になったあとの応手はカウントしません。
したがって、理論上の最大回数は、1段目に香合、2段目、3段目と一段ずつ動いて、7・8段目は不成で入り9段目で成るまでの9回です。
これまでの記録は平田さんなど4氏の4回。
本局ではこの記録を6回に更新しました。
- 作者:
- 「1枚の香の応手回数」の記録が4回というのは,それを意識して作った作品が今までになかっただけと思い,抜け駆けして6回を作ってみました。
(理論的には9回が限度だと思いますが,かなり難しい。でも8回くらいまでは記録はのびそうな感じがします)
21香成、32香打、
1回目の香応手は合駒から。
金合は取って簡単、桂合は香の利きが止まるのでこれも簡単。
32銀合がちょっとやっかいですが、同龍と切って22成香以下17玉まで追って18銀と龍を取ればOK。
ここから成香追いで下に追いながら、82の龍を近づけて行きます。
合駒は最初と同じ事情で、香で移動合するしかありません。
22成香、13玉、73龍、33香、
23成香、14玉、64龍、34香、
24成香、15玉、55龍、35香、
25成香、16玉、46龍、36香、
以下は収束。 もう1回香が動きます。
26成香、17玉、27成香、同龍、同香、39歩成、18飛、27玉、
37金、同香成、16龍 まで29手
成香追いと香移動合のコントラスト。
収束も決まって、記録作ということを抜きにしても解後感のよい趣向作品です。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 鈴木康夫さん:
- 32から37移動する駒が香である理由付けが簡明で、分かり易いのが私みたいに解図力の無い者にはありがたかったです。
記録を狙った作品なのに簡素な形で綺麗な趣向で素晴らしいです。
- 中澤照夫さん:
- 同一駒(香)による移動合の最多?。
項目はたててないですが、同一香の移動合4回も記録ですね。
- 長谷繁蔵さん:
- 収束上手く出来ています。苦労されたことでしょう。
- 桑田倫彦さん:
- 1枚の香の応手回数の記録作ですね。ただ、記録作だけに、24手目の応手が限定されているのかどうか気になります。(非限定でも記録自体は更新ですが)
24手目39歩成と39馬はどちらでも同じ(非限定)。
合駒は作意と同様18飛から37金で詰み、他に余詰たくさん。
ということで限定はされていませんが、わかりやすいところなので問題ないでしょう。
- 真Tさん:
- 香づくしで楽しめました。
- 隅の老人Bさん:
- なんの記録か分からない、同一駒による合の回数か?
くるくるでもOK、楽しい作品です。
同一香の応手回数記録でしたが、同一香の合5回(移動合4回)も記録ですね。
- S.Kimuraさん:
- 龍が斜めに移動していき,それを香が移動合いで防ぐところに驚きました.
収束は少し悩みました.
- 涼秋さん:
- 香の移動合と龍が一歩一歩玉に近づいてくる構成が面白いですね
- たくぼんさん:
- 夢の浮橋みたいな趣向で新記録達成とはすばらしい。
夢の浮橋は若島正さんの作品。 本局と同様に下に追いながら龍で王手するのですが、91角の利きを使って合駒します。 93龍、83歩上、同龍、73歩合、14歩、同玉、84龍、74歩上、同龍、64歩合、15歩、同玉・・・ という、ちょっと複雑な機構。
- 井上順一さん:
- 作意と思われるが、2手目銀合の変化が・・・。
前述の通り、同龍以下割り切れています。
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