2番目の作品は初形盤面や持駒には趣向はなさそうで、普通の飛角図式に見えます。
さて、何が飛び出すのでしょうか。
初手68龍とか36龍など有望そうな手が多くて迷いますが、68龍は27玉、36龍は37歩合ぐらいで続きません。
最初から27銀と捨てるのが好手。 同玉なら25飛、38玉(37玉は35飛以下)、68龍、39玉、28銀と打っていって詰みなので、これは取れず、 39玉と角を取って逃げます。
以下69龍、28玉は自然な展開。
27銀、39玉、69龍、28玉、
ここで58龍などでは27玉と銀を取られて失敗。
19龍とズバッと切るのが正解です。
19龍、同玉、
これで詰むのか不安になる形。
28に逃げられてはダメなので、37角と合駒請求します。
28歩合なら、15飛、29玉、38銀打、39玉、19飛以下なので、19飛を防ぐ銀・金・角の合が必要ですが、金合は取って簡単。
とりあえず28銀合としてみましょう。
続いて49飛と迫ると、合駒は飛角金銀のいずれかで、飛金合は取って簡単。
これも29銀合としましょう。
37角、28銀合、49飛、29銀合、
ここまでくれば、読み切るのは難しくないでしょう。
2枚の合を両方共取って収束します。
29同飛、同玉、38銀打、19玉、28角、同玉、37銀打、19玉、
28銀 まで19手
詰め上げてみると、なんと四銀詰(右図)。
最後は39玉や17玉もありますが、どう逃げても四銀詰になります。
28銀合、29銀合のところは、角合でもほぼ同手順で詰み。
ただし37銀のところ37角の別詰も生じるので、作意は銀合にしています。
いわゆる希望限定で、痛いキズ。
このキズがあるのでボツにしようかと思っていたのですが、
飛角図式からの四銀詰は初めてなので、
今後どなたかがキズのない作品に挑戦することを期待して、一つのサンプルとして出題することにしました。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 津久井康雄さん:
- 新ヶ江氏の名作を思い起こしました。非限定は惜しい。
アート No.50でも紹介している塚田賞、看寿賞も受賞した四銀詰の名作。
新ヶ江幸弘 四銀詰(近代将棋1979年11月) 棋譜ファイル
- 山下誠さん:
- アートらしく8手目は銀合、18手目は1九玉としてみた。
- 池田俊哉さん:
- 初手27銀が決め手。
どっちの銀合が角合でも良いのかな、でもここは四銀詰にするでしょう、収穫の一作
- 占魚亭さん:
- 希望限定なのは惜しいが、四銀詰になるとは!
- 高田明浩さん:
- 白銀の世界に、驚き!
- 波多野賢太郎さん:
- 序盤がとても手広くて難しかったです。
でも、あっと驚く四銀詰となり苦労した甲斐がありました。傑作ですね。
- S.Kimuraさん:
- 銀4枚で詰め上がるとは驚きました.
18手目は19に逃げました.
皆さん、作意を忖度していただいたようで、うれしい限り。
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