6.トリックの評価

 トリックの評価については、やはり人それぞれと、まず最初に断りを入れておく。
 さて、ともすればトリックというものは、そのトリックを行っているまさにその瞬間しか注目されないことは多い。つまり、一番目をひくのは、「何をやっているか?」であり、次にその「質」が問題とされるだろう。しかしながら、トリックを評価する際に、見落としてはならない重要な要素は他にも何点かある。ここでは、あるトリックを評価する際に、当然見るべきポイントはもちろんのこと、見落としがちなポイントも加えて私なりにまとめてみようと思う。
 私自身、フラットトリックについては次に挙げるものが評価についてのポイントとなると考える。

  1. 路面の質
  2. 路面の形状
  3. 形(個人のスタイル)
  4. メイク率
  5. 高さ
  6. スピード

 カーブトリックについては、

  1. カーブかレールかの違い
  2. カーブ(レール)へのアプローチ距離
  3. カーブ(レール)の高さ
  4. カーブ(レール)の材質
  5. カーブ(レール)の形状
  6. 形(個人のスタイル)
  7. メイク率
  8. スピード

 「メイク率」と「スピード」については、誰もが当然のことトリックを評価する際に気に留めるポイントだと思われる。また、形(個人のスタイル)については、あまりに人それぞれで好みが分かれるのでここでは言及しないことにする。以下は、その他の点について軽く解説していくこととする。

フラットトリック-路面の質

 路面の質は大いに評価対象と考えていいと思う。プッシュするとカタカタ音がするような路面で何かトリックをする場合と、プッシュしても一切音が出ないような綺麗な路面で何かトリックをする場合とでは、明らかにやり易さは違う。
 「やり辛い=トリックに集中できない」と言える。これを踏まえると、路面が悪いところでも安定してできるトリックというのは、自身にとって、それだけモノになっているトリックだといえる。つまり、路面が悪ければ悪いほど、その路面上でメイクされるトリックというのは評価に値すると考えられる。

フラットトリック-路面の形状

 路面の形状とは、単なる平らな地面、バンク、ランプ、コブなどのことで、その形状はとても多い。バンク一つとってみても、片面バンク、バンクtoバンク、バンクtoランプというようにそれぞれのバリエーションは豊かだ。
 一概にどの形状のセクションの難易度が高いかというのは言えないが、「平らな形状の路面であるストリート」で普段スケートをしているスケーターにとってであれば、経験が圧倒的に少ないであろう、R形状の路面が最も難しいだろうと考える。
 ストリートスケーターにとっての路面形状における難易度は、フラット(通常の平らな地面)<バンク<Rという順になるだろうと考えられ、また、これに加え、バンクやRの角度の要素があり、角度が大きい方が難易度は増す。

フラットトリック-高さ

 フラットトリックの中には、高さを評価対象として問わないトリックとして、ショービット系、フリースタイルの一部のトリック系統がある。しかし、高さというポイントは、フラットトリックを評価する上で特に外せない要素であることに変わりはない。
 どれだけ地面からデッキが離れているのか?どれだけ地面から体が離れているのか?求められる点はただそれだけ。だからこそ、この高さという要素に対する評価はなされやすい。単純だからこそ、そこが曇っていれば余計に目だってしまうし、逆に、単純だからこそ、磨けば光り、それだけ目立つのだ。スケーターにとって、「トリックの高さ」という要素が持つ威力はとても大きい。


カーブトリック-カーブかレールかの違い

 カーブトリックをする際に評価のポイントとしたいのは、そのトリックをしているのがカーブ(BOX)なのか、レールなのかというポイントである。
 カーブトリックには、セクションとの相性というものが多かれ少なかれ存在すると考えられる。例えば、ブラントスライドや、フィーブルグラインドなどは、人それぞれ、カーブでやるのかレールでやるのかでかなりメイク率に差が出てくるだろう。もしくは、レールでならできるけど、カーブではできない、といったことも事実ありうる。
 カーブとレールではどちらが難しいのかということは一概には言えない。なぜならば、上記したように、人それぞれで、レール、カーブごとにトリックの相性がある上に、人それぞれの恐怖感の基準が違うからだ。しかし、総合的に言えば、レールの方がリスキーであると考えられる。以下にその理由を挙げていく。

  • デッキ、もしくはトラックとの接地面積 … レールの場合、カーブよりも接地面積が少なく、摩擦が減るので、カーブよりも滑りやすいと言える。「滑りやすさ」のみを重視するならば、レールの方が簡単とも言えるかもしれない。しかし、接地面積が少ないということは、トリックをする際の安定感が低いということが言える。例えば、床の上に寝そべるのと、片足で立つのとでは、後者の方が安定しないのは言うまでもない。安定感が低いとうことは、その分だけバランスを必要とするということにつながる。また、グラインドトリックの場合、確実にトラックがレールに掛からなかった場合、手前にしか「ずり落ちる」ことのないカーブとは違って、向こう側にも「ずり落ちる」ことがあるレールは、「ずり落ちる」割合が高く、それだけ転倒の可能性も高くなると言える。
  • 見通しのよさ … レールはカーブと違い、これからその上に乗ろうという部分の下はスカスカで、向こう側が丸見えである。これは、心理的な安定感を減少させる要因となりうる。
  • 転んだ場合の衝撃の大きさ … 圧力が高いほど痛い。圧力は、力を加える部分の面積が小さければ小さいほど高くなっていく。例えば、鉛筆の後ろと先とで手のひらをつついた場合、より面積の小さい鉛筆の先でつついた方が圧力が高いため、痛い。これと同じ原理で、カーブの上に転んだ場合とレールの上に転んだ場合とでは、その際に、体と触れる面積がより小さいレールの上に転んだ場合の方が、体にかかる圧力は高く、痛い。カーブの場合でも、ピンポイントで角にスネをぶつけたりすれば、もしくはレールの上に転ぶよりも圧力が高いため、痛い場合がある。しかしながら、割合的に言えば、レール上で転ぶ方が痛い場合の方が多い。

     以上の理由により、私は、カーブとレールとでは、レールの方がよりリスキーであると考える。リスキーなことが評価に値すると考えるのは、危険なところであえてトリックをやるほどに自分のトリックに自信があるということであり、それはつまり、個人のスタイルが顕著に表れている部分であるから、充分に評価すべきポイントだと思う(中には、自分の技術に自信がなくてもレールに突っ込むことができる人もいるが、そういう類の人は、潜在的にスケート上達のために必要な要素を持っていると考えられるので、これもまた、評価に値すると考えられる)。但し、繰り返すが、人それぞれトリックによっては、カーブかレールかで難しいと感じる相性があるということは忘れてはいけないポイントである。

    カーブトリック-カーブ(レール)へのアプローチ距離

     これは見落としがちな評価ポイントである。特に、ビデオで見ている分には全く気付くこともないような(もしくは、絶対に気付くことのできない)ポイントだろう。
     ある程度スケートを長くやっている人なら、例えば、某有名ストリートスポットへ初めて行ってみたところ、カーブへのアプローチがあまりにも短くて、とてもじゃないけどトリックをやれなかったという経験はあるだろう。この要素については、カーブトリックに限らず、ステアを跳ぶ場合や、段差を跳ぶ場合のような場合のフラットトリックに関しても言えることである。アプローチをどれだけ余裕を持ってできるか?という要素は、実際にそのスポットで滑ってみないとなかなか気付くことはできないが、当然のことながら、アプローチ距離が短ければ短いほどトリックはやり辛いので、そのようなスポットでもメイク可能なトリックは充分に評価されて然るべきものであると考える。

    カーブトリック-カーブ(レール)の高さ

     フラットトリック同様に、より高い位置でトリックをするというのは、単純にそれだけでインパクトがある。また、より高いカーブ(レール)でカーブトリックをするということは、第一に、その位置まで跳ぶことができるオーリーが要求されるため難しい。第二に、高ければ高いほど転倒した際の痛さが大きくなる、つまりリスキーである。以上の理由により、この要素は当然評価のポイントとなるべきものだろう。

    カーブトリック-カーブ(レール)の材質

     これも見落としがちな評価ポイントである。しかも、実際に触れてみないとわからないことが多いから、ローカル色の濃い評価ポイントになりそうだ。
     例えば、大理石のカーブと、コンクリートのカーブとではどちらがグラインドしやすいだろうか?例えば、木のベンチと金属製のベンチとではどちらの方がスライドしやすいだろうか?ワックスが幾重にも塗りこめられている、育ちきったカーブと、発見したばかりの一度しかワックスを塗っていないカーブとではどちらがカーブトリックをしやすいだろうか?
     普段自分が主にどのような材質のカーブ(レール)でトリックをしているかによって、各個人、評価の基準は変わってくるだろうと思うが、材質による難易度の違いは確かに存在する。

    カーブトリック-カーブ(レール)の形状

     カーブ(レール)に変化がついている場合、例えば湾曲していたり、キンクしていたり。こんな場合と、ノーマルなカーブ(レール)とでの難易度には雲泥の差がある。
     カーブ(レール)そのものの形状という他に、細かく見ていけば、例えばカーブなら、コンクリの削れ具合、欠け具合といったものもカーブトリックには意外に大きな影響を与える。それらの要素はスライドトリックにはあまり大きな影響は与えないが、グラインドトリックに対する影響は見過ごせないものがあるだろう。なにせ、コンクリが下手に欠けていようものなら、グラインド中にトラックが引っかかるのだから。スミスグラインドなどは、もろにその影響を受けやすいグラインドトリックと言える。だから、ベコベコに欠けまくっているカーブでB/Sスミスなんかメイクしているツワモノがいたら、大きな拍手と共に称えられるべきである(笑。


     上に挙げたものの他に、トリックの一般的に言われる難易度というものが、評価の基準になる場合は、多々ある。しかし、その難易度の基準は意外と曖昧である。それは、人それぞれ感じ方が違うからである。F/S50-50とB/S50-50を比べた時、どちらが自分にとって恐怖心が少なく、簡単にできるかという問いをすれば、F/S50-50のほうが怖くないという人もいるだろうし、B/S50-50のほうが怖くないという人もいるだろう。あるスケート雑誌では最も難しいトリックとしてB/Sノーズブラントを挙げていた。しかし、人によっては必ずしも、B/Sノーズブラントが一番難しいとは限らないだろう。


    7.トリックのステップアップ

     このトピックは、管理人の気持ちの変化により、削除されました。
     トリックのステップアップは、自分の好きなように、楽しくやれば、別にどんな順でもOKだと思うんです。

    8.スケートをやめる人

     このトピックは、管理人の気持ちの変化により、削除されました。
     スケートが楽しいうちは、スケートから遠ざかることはあっても、スケートをやめることなんてない。本当にやめてしまう人の多くは、スケートそのものに魅力を感じることがなくなったからやめてしまうのだろう。残念な気持ちはあるが、仕方ないだろう。やめたい人は、やめたいからやめるのだ。私はやりたいからやっているのだから。


    9.オーリー

     絵を描くときの、キャンバス。服を作る時の、生地。家を立てるための、木材。挙げればきりがないが、様々な分野にはそれぞれの基礎となるものが存在する。
     それぞれの基礎が、上質であればあるほど、出来上がったものは洗練された、素晴らしいものになる。
     また、それらの基礎をなくしては、完成品(スケボーに完成はないと思うが)というものは考えられないだろう。キャンバスがなくては絵が描けないし、生地がなくては服は作れない。木材が無ければ、家は組めないのである。
     オーリーとはいわば、それらの基礎と全く同質のものなのである。
     スピントリック、フリップトリック、カーブトリック・・・。それぞれが独立している存在のようだが、実はオーリーを中心としてそれらの、トリック系統が展開されているだろうと考える。
     スケートのトリックというものは、挙げれば無数にある。トリックの組み合わせなどを考えると、想像をはるかに超えた数字になって表れるだろう。
     それらの、トリックの軸となっているもの、密接なかかわりを持っているものがオーリーなのである。
     このことから、低質なオーリーは、低質な発展トリックを導いてしまうということは明らかである。
     上手い人というのは、どの分野でもそうだが、基礎がしっかりしているものだ。スケートをしていて、ぱっと見、「ああ、上手いな」と感じる人のほとんどは、オーリーが綺麗で、高い。


     オーリーの練習というものは、孤独な作業だと思う。オーリーをして、周囲の人を驚かせるためには、よっぽどの高いオーリーをしなければ、誰も反応しないだろう。
     要するに、ある程度のオーリーができるようになると、オーリーをメイクしても、誰も褒めてくれないのである。
     周りの反応がないと、次第にそれを頑張ろうという気力もなくなってくるだろう。言ってみれば、そういった性質があるからこそオーリーをおろそかにして、回し技にばかり気をとられるという風潮が起こるのかもしれない。
     それを考えると、オーリーの練習は孤独だと思う。しかし、その練習は必ず、どこかに実を結ぶだろう。地道な練習が、いずれ自分の自信へとつながり、結果として、オーリーから派生する、そのほかの発展トリックも、洗練されるというのは間違いないと思う。
     目先の華にとらわれずに、長い目で考えた場合、オーリーを自分のモノにするというのはとても重要なことであると考える。
     しかし、オーリーを自分のモノにするというのは容易ではないだろう。普通にオーリーをできるようになるまででも、かなりの時間を要するのに、それに更に磨きをかけて、モノにするためには、それ相応の努力が必要となる。



     以下は参考までに挙げてみたい。
     オーリーのレベルというものを段階分けしてみようと思う。どの位のオーリーができるかという質問に、よく使われる例を挙げてみよう。
    >止まってオーリー。(デッキに乗って、動かずにその場でオーリーの練習をする程度で、テールは下がっているし、ほとんど浮くことができない。)←個人的にはこの練習法は効率が悪いと思う。

    >石ころオーリー。
    (走りながら、かろうじてオーリーの様なものをすることができる段階で、デッキを一応浮かすことができ、石ころ程度なら超えられる段階。)

    >空き缶オーリー。
    (テールを蹴って、デッキを擦るという動き自体に最初ほど恐怖心がなくなってきて、空き缶程度ならかろうじて跳べると言う段階。)

    >セットコーン。
    (オーリーの練習を始めて、ほとんどの場合、当面の目標となるであろうセットコーンを跳べる位の段階。)

    >矢印板。
    (コーンのように、失敗しても崩れてくれない。そして、セットコーンよりも高い。・・・、とにかく慣れるまでは威圧感があると思われるであろう矢印板を、跳べる位の段階。)

    >縦コーン。
    (オーリー初心者の頃に憧れだった、縦コーン越えをできる位の段階。)

    >縦コーン以上の高さの対象物。
    (オーリーに更なる磨きをかける段階)

     大体俗に言われる、オーリーのレベルというのはこのような感じだろうと思う。上の要素に、更に付け加えるとすれば、スピード・幅などが挙げられる。
     また、オーリーアップ・ステア・バンクtoバンク・フラットバンクや、Rでのオーリーというものも、それぞれ微妙に性質は異なってくる(基本はフラットでのオーリーということには変わりはないが)。


    10.スケートボードの1プラス3要素

     スケートのトリックを修得して行く上で、大切な要素だと私が考えるものは3つある。
     勇気・技術・集中の3要素である。
     どれが欠けてもならない、とても重要なものである。これらが「スケートボードの1プラス3要素」の中の、「3要素」にあたる部分だ。「1プラス」の「1」、つまり、もっとも根本にあたる部分は、スケートを楽しむことが出来ているかどうかという部分である。もちろん、スケートをやっているからには、もともとはスケートが楽しいからやっているのだと思う。しかし、トリックの壁にぶち当たったりして、精神的に追い込まれてくると、徐々に、スケートをすることが義務化したりして、むしろ苦しくなってくることがある。そんな時は、自分がもともと、なんでスケートをやっていたのかを思い出すべきだ。スケートは、楽しくてナンボ。楽しいことが前提で、スケートをやっているはずなのだ。

    勇気(Courage)

     勇気があふれている場合は、それぞれのトリックを習得するまでに要する時間がずっと短くてすむだろう。なぜなら、未知のトリックであっても、それに対する恐怖を勇気によって払拭することができるからだ。
     大抵、なかなかトリックをメイクできないのは、最終的にあと一歩恐怖心を拭い去ることが、なかなかできないので、思い通りの体の動きにできないというのが多いように感じる。
     例えば、オーリーでも、やることはテールを蹴ってノーズを擦り上げる。重心は真下で、タイミングをしっかり気をつけてやる。これができれば、簡単にデッキを持ち上げることができるはずなのに、実際はそんな簡単にはいかない。
     何が邪魔をしているのだろうか?トリックに対する恐怖心というものは、単にやればできることを難しくする。やればいいだけなのに、それをできなくさせる。
     「怖くはないけどできない」と、よく耳にするが、果たして本当にそうだろうか?失敗して、転んだり痛い思いをするのを、体が無意識に嫌がって、怖がっているのではないだろうか?
     私自身も、「あまり怖くないけどできないんだよな〜」と言うことがある。しかし、よく考えてみれば、トリックをやる直前、確かに、体が何かの恐怖から逃れるための動きをしている場合は多い。
     自分の意識では怖くなくても、体は確かに嫌がっているという場合が、多少なりともあるのである。
     そんな時、勇気がある人は、その無意識の恐怖を、普通の人よりも多くコントロールできるのである。
     要するに、あるトリックを習得するまでの時間が、普通の人よりも早くなるのである。

    また、ステアやハンドレールなどに突っ込むまでの時間に、心の準備をするためのためらう回数なども少なくなるだろう。
     どんなに、技術がある人でも、結局ハンドレールに突っ込むために最後に必要となるキィは、勇気である。


    技術(Technique)

     技術というのは、スケートボードをやる上で、最も意識するポイントかもしれない。日々の努力も、技術の向上のために行っていると言っても誤りではないはずだ。
     技術がある場合は、あるトリックをするための勇気を振り絞る必要がなくなるだろう。
     集中することは必要だが(集中を欠くと思わぬ怪我を招く)、技術がある場合、そのトリックの取っ掛かりが楽になると考えられる。
     メインスタンスではじめて覚えるトリックよりも、スウィッチスタンスで、メインで既にできているトリックを覚えるまでの方が上達が早いのはその良い例ではなかろうか。
     要するに、技術は勇気を補ってくれもするのである。

     技術が欠けている場合は、どんなに勇気があっても、どんなに集中しても、偶然がない限り、あるトリックをメイクすることはできないだろう。例えば、スケーターではない一流のアスリート(勇気も集中力も長けている人)が、初めてスケートボードに乗ったって、いきなり360°キックフリップをできないのは明らかだ。
     技術は、普段の努力からでしか得られないもので、私の考える3要素の中で、最も後天的で、努力しだいで誰でも伸ばすことが可能な要素だと考える。


    集中(Concentration)

     集中した状態の時は、同時に自分自身の勇気を呼び起こすことになり、トリックのメイク率はぐっと上がるだろう。そこに、ある程度完成された技術が上乗せされると、メイク率はほとんど100%に近い物になると考える。
     また、怪我の抑止にも役立つ。集中した状態で転んだ場合は、体がシャープに怪我を防ぐような動きをしてくれるだろう。

     集中力が欠けていれば、どんなに長けた技術があって、勇気があってもトリックの成功率はガクンと下がる。
     また、怪我の多い人というのは、集中力に欠けている場合が多い。どんなに、簡単なトリックをやる場合でも、ある程度の集中は必要だということを肝に銘じておくべきだ。
     日ごろのそのような心がけは、本当に集中が必要となるときに、大いに役立ってくれるだろう。


     このように、それぞれの要素について独立して解説してきたが、これら3つの要素はそれぞれが相互的に作用しあって成り立っていると考える。

     人それぞれに、この3つの要素それぞれに何か数値のようなものをつければ、面白いグラフを書くことができるのではないだろうか?
     ワールドクラスで活躍しているトッププロと呼ばれている人たちというのは、そのグラフの3つの数値が最大値に近いところにあるような人なのだろう。
     考えてみれば、私たちは、普段の練習で技術だけでなく、その3つの要素を養っているのではないだろうか。また日々の練習で、技術を高めることにより、より少ない勇気で何かトリックをすることができるようになるだろう。
     そして、何かトリックをする際に集中することを心がけていけば、努力しだいでより上級のレベルへと、自分自身を高めていくことができるだろう。


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