質問No.11
冬場に卵を産ませるにはどうしたら?/学校の生徒さん2000.No.11
ぼくたちは学校でメダカを飼っています。冬の間卵を産ませようとヒーターで水温を上
げたり、くらくなるのが早いのでタイマーを使って電気をつけたりしています。60セ
ンチの水槽にオス、メス10匹ずつぐらいです。しかし、卵をひとつも産みません。
どうすればたまごを産むようになるでしょうか。教えてください。
回答
季節外の採卵、孵化は『可能』です。しかし「それなりの工夫と忍耐、時間」がやはり必
要。人工的に規則正しい「照明時間」(日照時間)と「温度」(水温)の調整、そして何よ
りも「水」と「環境」(メダカさんのお家)のきちんとした管理により『可能』、というこ
とです。不可能ではないようですから、創意工夫をし、じっくり時間をかけて「挑戦」する
には、「すばらしい題材」と思いますのでぜひともあきらめずがんばってください。
小学生にわかりやすい<情報 1>
メダカを冬季に産卵させるのは、以下のように設定します。
(1)水温を上げる。
・水温を20℃以上に上昇させ、春が来たと錯覚させます。できれば、少しずつ(一日2℃く
らい)上昇させ、25℃にします。
・道具は、ヒーター(45?水槽なら100W・60?水槽なら200W)にサーモスタットを接続
します。今は、ヒータとサーモスタットがくっついたものが、多く出回っていますので、そ
れを買えば水槽はすっきりします。
(2)日長処理
・蛍光灯(20w程度)で、日長処理(人工的に日照時間を長くする)を行い、春がきたと思
わせます。・時間は14時間以上(例えば、朝6時から夜8時)、タイマーを設置して規則
正しく行うことが重要です。電気をつける日とつけない日があってはうまく行きません。
・タイマーは市販のものがあります(nissoのプログラムタイマーなど)が、予算がない場
合、最悪は蛍光灯つけっぱなしでも、大丈夫なことが多いです。
以上です。水温が今、何度になっているのか。日長処理の時間は足りているか。きちんと規
則正しく行われているか。など日常の管理と観察が大切です。
それから、親魚は、♂と♀が1:1か1:2が一番よく産卵します。親魚を多く入れると、お互
いに邪魔しますので、水草をたくさん入れるなど工夫が必要です。
<<< 注意事項 >>>
人工的に「メダカさんの生活環境」を作り、「産卵」をうながすことは「研究」や「実験」
といった『特別』の場合以外は、行うべきではありません。むしろ「やってはいけないこと」
と理解してください。それは、人間の「エゴイズム」「わがまま」「身勝手」であって、自
然では無いからです。現に私達だけでは無く、私達のすべてを取り巻く世界で私達「人間」
のエゴにより様々な問題が起きているではありませんか。なによりも私達「人間」も、この
現状の世界の銀河系「地球号」に乗せていただき、その自然界により「生かされている」存
在のひとつでしかないというのが実態なのですから。むしろ、その「自然の営み」(発生か
ら死去、次世代への受け継ぎ等までも)の一部を身近に体験させてくれる「貴重な場」を
「メダカさん」たちに強制的に協力してもらい垣間見せてもらえることに「感謝」すべきと
思います。ですから、もしこれからも「季節外(自然摂理外)」時期の採卵飼育実験継続を
するのであれば、全部の「メダカさん」にやってもらうのではなく、ほんの一部の「メダカ
さん」に協力してもらうのにとどめてください。よく「先生」と相談して決めてくださいね。
メダカさんの「命」がかかっていますからね!!そして、「自然飼育」と「人工飼育」の違い
が理解でき、「人工」による「弊害」と「自然が一番」と言うことが体験できたら、大変すば
らしいことだと思います。なお「協力して(?)もらった『メダカさん』達に」感謝すること
も忘れないで下さい。
あわせて、当メダカ相談室にも「経緯と結果」を報告することをお願いします。byにのさん
メダカなんでも相談室