質問No.9
聞いた話なんですが、池や水槽でメダカを飼うと、「血が濃くなる」と
いっていました。「血が濃くなる」ってどういう意味ですか。メダカにとって悪いことな
んですか?それを防ぐにはどうしたらいいですか?/Aさん
回答
これは「近親交配」のことを質問されているということでお答え致します。
例としてこんなのはどうでしょう。真っ赤な血1とピンク色の血2を混ぜると、最初は
1が薄くなった3に、2が濃くなった4になります。でも混ざった3や4は決して1の濃さ
にはなり得ませんよね。ところが1と1を混ぜたらどうなりますか。数式だと「1×1=
1」ですが、文字式だと「Y×Y=2Y」ですよね。
つまり、限られた場所で飼育されると「交配」相手が限定されてしまいますので、
はじめのうちは良いのですが、交配が進むにつれ場合によっては親子・兄弟での交配
も十分可能性があるわけですから、「血が薄まらない」どころか上記の文字式的に考
えるとむしろ「濃く」なっていくわけです。ことから来た言葉だと解釈します。
*対策*
一番簡単なのは、「ヒメダカ」であれば、養魚業者のちがう(もしわかれば)別のペ
ットショップのヒメダカを購入して混ぜてあげれば良いと思います。野生種の場合は、
捕獲場所の同一地域の別の場所から捕獲した物を混ぜる以外に無いと思います。地域外
の野生種との混血は「純血種(遺伝学的地域変異種のこと)」保護という観点から見た
場合良いことではありませんが貴殿の責任範囲での飼育なら可能かと思います(管理が
難しいので、お勧めしません)。保護関係は野生めだか保存協会のページを参考に。
このことは、何が起きるでしょうか。自然界だと生息域にそこそこの広さがあります
ので「親子で交配」や「兄弟」「親戚同士」なんて言うこともおこりにくいと思いませ
んか。ですから、大変なことがおきていることがわかりますよね。
そこで、別の観点から考えると、たとえば「純血種保存」とか「地域変種保存」と
かがいかに難しく、一つ間違うととんでもないことになり兼ねないのです。
もし、ここで劣性遺伝が起きていたならば・・・・・と考えると恐ろしいことです。
そうやって考えると、「血が混ざる」ということは危険をはらんでいますが、むしろ
「奇形発生率」とか、それぞれの「寒さに強い種」と「病気に強い種」が混ざったとし
たら「寒さに強く、病気にも強い種」ができるわけですよね。確かに「その逆」もあり
えますから一概には言いきれませんが「血が混ざること」はある意味で「良いこと」な
わけです(このことも保護は別の問題として責任範囲の飼育として)。by にの
メダカなんでも相談室