★下読みの鉄人列伝2 2001/06/17

 文芸評論家として活躍されている、ハンドルネーム「伴チュー太」さんからメールをいただきました。その一部をご紹介します。


●ハンドルネーム「伴チュー太」さん からのメール

 ページを拝見して、出版社側というか、選考に携わっている側には「常識」だったり、「なんでこんなこともわかんないんだろうねえ」ということがらが、実は、素人さんにはまったく通じてないんだ、という認識を持つべきなんだよな、と考えさせられることしきりでした。

(ミステリーの梗概の書き方について)
 やはり梗概はラストまでしっかりと書いておくべきだろうと思います。犯人やどんでん返しなどのアイディアを明かしてしまうことで、興味を殺ぎたくない、あるいは、そこに非常に思い入れがあるために書きたくない、という気持ちはとてもよくわかりますが、途中までの記述では、著者の梗概を書く能力が計りきれない、と思うので。やはり梗概を書く能力は作品の完成度に比例していると思いますので、そこでも私たちにアピールして欲しい。
 それから、梗概って著者本人も気づいていないところで、著者がどれほどその作品を把握しているかが他者に伝わるものでしょう? 実は、作品書き上げて梗概を書いてみたら、なんの面白みもない作品だったと気づかされることってあるんじゃないかと思うんですよ。その段階でも、応募者は自作をチェックして欲しいなあ、と思うのです、ほんとに応募して大丈夫な作品であるのかどうかを。

○和田曜介のコメント
 伴チュー太さん、どうもありがとうございます。
 この応募者に常識が通じないという悩みは、同業者と雑談をするたびに話題になります。
 やはり応募要綱をマニュアル的にもっと細かく記述する以外にないのでしょうか。ただ、その程度の常識的な判断力もない人間が、本当にプロとしてデビューして生きていけるのか、という疑問もあるのですが。
 もしかして小説以外の作者の人間としての総合力みたいな部分を見るために、わざとああいう素っ気ない記述にしてあるのではないかと、私はかなり本気で疑っていたりします……。

 ところで、実は伴さんは産経新聞の読書面で記事を書かれており、5月26日朝刊の読書面の「エキサイティングHP」というコーナーに、『下読みの鉄人』の紹介記事を書いてくださっています。
 伴さんの記事で新しく『下読みの鉄人』を知ったという人も、かなりいるのではないかと思います。
 この記事はウェブ上でも読むことができます。
(http://www01.sankei.co.jp/databox/paper/0105/26/paper/today/book/book.htm)


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