オープンシステム
○施主直営方式=分離発注方式=オープンシステム=CM=コンストラクションマネージメント
イエヒトのホームページも参考まで。
建築主が建築会社・工務店と一括請負契約をするのではなく
当事務所をアドバイザーとして
建築主と専門工事会社さん達(基礎工事会社・大工さん・塗装屋さん・建具屋さん・・・・)
と個別に契約するわけです。
(契約書等々は、全て当方で作成しますので、お客様の負担にはなりません)
お支払は当事務所が専門工事業者からの請求書をチェックした後、施主様から直接専門工事業者さんにお支払いただきます。
当事務所は設計監理料以外のお金にタッチすることはありません。
立て替え金(SE構法とか、プロでないと購入できないもの)も振込手数料はいただきますが、それ以外上乗せしたりすることはありません。
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結果、右側の場合、実際に工事をする専門工事業者さんのお客様は建築主となります。
左側の場合、専門工事業者さんのお客様は元請け業者さんとなります。
この関係は圧倒的な差があります。
当方は施主様の代理人の立場となりますので、お金の支払い権限も一部もちます。
ですから、現場のハンドリングもスムースにできます。
○施主直営方式=分離発注方式=オープンシステム=CM=コンストラクションマネージメント
こんな事がかんがえられます。
総額3,000万円の家創りで、広告宣伝費とか展示場維持費用とか営業費用などを除いて、
実際に建物創りに使われる金額をかんがえてみましょう。
設計監理CMR料は、建物ごとに見積いたしますので以下は概算です。
設計料 | CMR料 | 建設会社の経費 | 実際の建築に使われる金額 | |
オープンシステム | 300万円 | 300万円 | 0円 | 2,400万円 |
町の工務店さん | 300万円 | 0円 | 675万円 | 2,025万円 |
パワービルダーさん | 0円 | 0円 | 1,050万円 | 1,950万円 |
ハウスメーカーさん | 0円 | 0円 | 1,650万円 | 1,350万円 |
町の工務店さんの経費=請負金額の25%=2,700×0.25
パワービルダーさんの経費=請負金額の35%=3,000×0.35
ハウスメーカーさんの経費=請負金額の55%=3,000×0.55
と仮にします。
違う目線で
木造3階建て住宅:専用面積30坪:施工面積36坪:高断熱・高気密・狭小敷地(実際に当事務所で建築したケース)
高断熱・高気密住宅。無垢材たくさん。塗り壁。
設計料 | CMR料 | 工事の原価 | 建設会社さんの経費 | 必要な金額 | |
オープンシステム | 200万円 | 200万円 | 1700万円 | 0円 | 2,100万円 |
町の工務店さん | 200万円 | 0円 | 1700万円 実際はもう少しかかると思います |
425万円 | 2,325万円 |
パワービルダーさん | 0円 | 0円 | 1700万円 | 595万円 | 2,295万円 |
ハウスメーカーさん | 0円 | 0円 | 1700万円 | 935万円 | 2,635万円 |
オープンシステムが有利なところは、設計した人間がノンストップで数量積算・監理まで、できることです。
広告宣伝費は少額・展示場なし・本社ビルなし・営業マンなし。
インターネットと紹介のお客様がほとんど。
少ない経費。です。
合い見積が基本ですので、実際の相場がわかります。倍近い金額となることもあります。
弱点もありますので、全国のオープンシステムを展開する設計事務所約160社がネットワークをくんで、補償制度・大手さんと変わらない値段で商材を入手できる仕組みなどをもっています。
保険なして、小さい資本の設計事務所が分離発注を行うのは難しいです。
具体的な弱点は、CMR(現場で施工の監理をする人)のウエイトが高いところ。経験の少ない人・能力の乏しい人がすると問題がでてきます。
施工のメンバーが毎回かわることもありますので、調整が必要です。
オープンシステムがあまり拡がらないのは、設計事務所の負担が大きいからです。
事務手続きが煩雑。やまのように書類をつくって保存する事になります。
オープンシステムを始めると、工務店関係からの仕事がへります。
年間にたくさんの建物を手がけることができませんので、経営リスクが高まります。
ここからは、オープンシステムの場合の竣工まで流れを説明します。
プランニング・実施設計・許可申請。
ここまでは、一般の設計事務所と行う業務は大差ありません。
違うところは、現場のハンドリングも当事務所が行いますので、実際に工事ができる図面を書くこと。
施工方法も検討しておくこと。
です。
オープンシステムとしての業務は
■数量積算をします。基礎のコンクリート:鉄筋のトン数:土台のアンカー種類本数:壁の合板の種類枚数:大工さんのするべき内容:屋根の大きさ:壁の面積などなど。多岐にわたります。
これをまとめて数量のはいった内訳書をつくります。
基礎外構工事の内訳書です。
■専門工事業者さん達に声をかけて、図面と内訳書をおわたしして、合い見積をお願いします。
各職種とも2社以上を基本にしています。大工さんとか決めている職種もあります。
■業者さんからあがってきた、見積書を精査して、見積比較表をつくります。
■なかなか、予算通りにはなりませんので、減額案をつくります。
■施主様との相談です。なんとか金額のおりあいをつけていきます。
■当事務所で請負契約書を作成して、施主様と専門工事業者さん達と請負契約をしていただきます。
全職種はしないことが多いです。予算組をしておきます。
主要業者さんとは確実にします。(地盤改良・基礎外構・プレカット・木工事・電気・給排水・ガス・金属建具・木製建具など)
契約式をすることもあります。
この段階で施主様は実行予算書を手に入れることになります。見積書ではありません。
■瑕疵担保保険の手配をします。(請負契約書が必要)
■施主様と基礎業者さん・大工さん・当事務所で近隣にご挨拶。地鎮祭をすることもあります。
■マスター工程表を専門工事業者さんの意見も聞きながら作成します。
■工事着工
工程管理:支給物品・材料の手配:検査書類の作成・立会:主要工程の確認など数日に一度は現場に通う事になります。
施主様にもできるだけ、現場にきていただいて、打合せをお願いしています。
たとえば、コンセント・スイッチの位置・数量の確認。サッシの位置・高さの確認など。変更もOKです。
専門工事業者さんからの請求書のチェック。20日締めの翌月25日支払いの場合でしたら、月末必着で当事務所に専門工事業者さんからの請求書が届きます。出来高と内容をチェックして、月あけに施主様に、お支払い予定表と専門工事業者さん達の請求書をPDFにしてメールでお送りします。
玄関ドアが入れば、施主様にも3つある工事用の鍵のうち一つをおわたしします。残りは私と現場となります。
■竣工
確認済証・検査済証などなど10センチちかい書類をまとめます。
取り扱い説明書ファイルもまとめます。これも10センチ近くになります。
施主様の検査確認後、簡単な使用説明をして、お引き渡しとなります。
■お引き渡し後
最終の請求関係がまとまり次第お持ちします。不具合などあれば、すぐに走るようにしております。
竣工後1年9ヶ月から2年の間に『オープンシステムとしての義務である2年目点検』に伺います。
その後もなにかあれば、お伺いしております。有償の時もあります。
そのほかの特徴
■いろいろな会社(一括請負の工務店もOKです)から見積をとる事ができます。
■業者さんの指定もできます。塗装工事は親戚のだれそれにしたい。とか。ただし、私が面接をします。
■過払い(払いすぎ)はありません。
出来高で支払います。専門工事業者さんは、エンドユーザーとの直接契約ですから安心です。
たとえば、基礎工事を150万円で請け負い契約をして、9月15日に基礎工事が完了したとします。基礎業者さんからの請求書が9月25日に祥設計室に届いて10月2日に施主様におわたし。施主様は10月3日に基礎業者さんの口座に振り込んだとするとこの時点で基礎工事の請負工事は完了となります。基礎部分は施主様に引き渡されたこととなります。どうですか?
一括請負の場合は、契約した建物・外構があれば外構がすべてできあがって、引き渡しを受けるまでは、ハウスメーカー・工務店のものです。工事中の建物は施主様のものではありません。途中倒産とか、震災などがあれば、施主様には都合の悪いことがおこります。着手金・中間金など支払いがあるでしょうから、このお金が帰ってこないこととなり、工事の続行も危うくなる事態も考えられます。
■オープンシステムを行う時の設計事務所の約束事。
工事の請負禁止です。
専門工事業者さんに支払うお金を代わりに受け取ることもありません。
設計・監理・CMRの契約した業務報酬以外受け取ることはありません。
プロでしか購入できないものを、施主様にかわって、購入した物品のお金も振り込み手数料+その金額しか頂きません。いろいろ購入すると電話代などの費用が余分にかかることになります。(笑い)
専門工事業者を意図的に指定することは基本ありません。一部業者さんは説明をして指定することもあります。
■瑕疵担保保険にも分離発注の形態で『ハウスジーメン』さんに引き受けて貰っています。
■オープンシステム補償制度もあります。
■フラット35S。長期優良住宅。ZEH。全く問題なく行っております。
■融資についても、フラット35を利用することで、自己資金が少なくても可能になりました。
JOファイナンスさんがフォローしてくれます。
■良し悪しは別として、当事務所のお客様は実行予算書を手にすることになります。見積書ではなく、ホントの金額がわかります。(他言無用とのお約束をいただきます)
そこに記してある工事はすべて含むことになりますので、よくわからない追加金額など発生することはありません。
■設計監理CMR料+専門工事業者さん達の工事費用+購入物品予算+リスク調整費+消費税+申請手数料=工事金額です。
購入物品予算とは、当事務所で購入したほうが安くなる物品(断熱気密防蟻)とかタイル・バス・キッチンなどです。
リスク調整費とは、台風養生とか、当事務所が見積落とした金額であったりとかです。
オープンシステムの弱点を述べておきます。
□仕事がクロスする業者間でおこった竣工後のトラブル。
(大工さんの下地が悪いのかその上の仕上げ(クロス・塗)が悪いのか)
□その場合の責任の所在。
□原因者不明の事故。
□近隣からの苦情処理の窓口
□出来高払いに対応出来る資金がお客様が用意できるかどうか?
□一括請負の工務店ほかの場合は、お客さん。近隣。工法等々みながら、自社利益は絶対確保しています。
損してまで工事はしません。
(見積書=実行予算書+経費+利益です。)