会議以外の日常でひとり机に向かっている分には、アルツ君はいたって穏やかです。
あまりにも、あからさまにアルツっている症状をディスクロ―ズすると段々と窓際や日の当たらないところ追いやられたりすることを本能的に知っているかのようです。アルツ君は結構したたかで他人の評価、人事査定などに敏感です。また、アルツ君は、冷遇されること無視されることが大嫌いで、プライドだけは高く持っています。『介護方法』を間違えると大変やっかいなことになります。『窮鼠猫を噛む』状態になりがちで、心して『介護』してあげないと恩を仇で返され、介護するアナタが悲しい、もしくは辛い思いをすることになります。
アルツ君は、目立って人に注目されたり、かまって貰ったりする事が大好きです。『介護』する人は、母のように優しく根気強く対応する必要があります。
アルツ君は、根っこの捩じれ方(その性質、性格)から『ブラックアルツ君』と『ホワイトアルツ君』の2種類に分けることができます。
『ブラックアルツ君』は、根っこが2回以上捩じれています。『介護』の際うっかりしていると、『ブラックアルツ君』は介護者に対して足払いしたり、穴掘って後ろから突き落としたりという、『介護』してもらっている恩を忘れた思いも寄らない暴挙や、意地悪な行動にでます。エスカレートすると、直接アルツっている事実をしらない他部門の人などはアルツ君の演技にすっかり騙されて、アルツ君の訴えを信じてしまいます。『ブラックアルツ君』は、(昇進や保身など彼の価値判断で)自分の為になるなら介護者を悪者に仕立てあげることなど、たやすい事です。不幸な場合には、ブラックアルツ君の介護者は、思いもよらぬ不利益を被ったり、介護疲れと精神的ダメージで介護者自身が病んでしまう事すらあります。
『ホワイトアルツ君』は、根っこにねじれがありません。好々爺のようにニコニコしています(といっても上手くコミュニケーションとれないんですけどね……)。
アルツ君の介護に慣れてくるうちに、まあ普通の人間でも誰でも一つくらいは、捩じれてきちゃいますから、人に害を与えない分、「ホワイト君ならまぁ許せるか」と諦められるようになってきます。といっても私は、カイシャに『介護士』の実習にきているわけではありません。ビジネスにおける利潤追求のために働いているのですよ。「なんで私は、アルツ君の『介護』しているんでしょう?」と時々、我に返って疑問に感じちゃうんですよ。
私の様に『社内介護経験』のある人は他にいらっしゃるんでしょうか? 今後、定年年齢があがるにつれて、アルツ君の『介護』も新人教育や、部下育成のようにカイシャふぁみりーの一員としては、カイシャにおける立派な任務の一つになるのでしょうか?