■ 鉄道模型用 速度計の製作 ■


パノラマカー タイプ LED 速度計 + デジタル時計 ●


 前作のパノラマカータイプ ニキシー管時計で、資料収集中に、2世代目の速度計は大型LEDが使用されていることを知りました。
 
 LEDならば、実物大とはいかないものの、入手も回路も簡単なので、こちらも製作してみることにしました。


回路の概要
 
1.速度(電圧)検出回路 ・ 速度計、時計 切換回路

 
 ・パワーユニットからの入力回路は、ニキシー管 速度計と同じなので、そちらを参照してください。
 
 https://www.ne.jp/asahi/shared/o-family/ElecRoom/ModelRailroad/PanoramaNx/PanoraNx.html
 
 ・主基板への配線を減らすため、電圧に対する最大速度設定用 半固定抵抗器を、入力端子基板
  にも取り付けできるようにしました。

2.LEDドライブ回路
 
 ・AVRマイコンのシンク・ソース電流容量だけでは、7セグメントLEDをドライブできないので、電流
  ドライバーICを使用しています。
 
 ○ TD62783AP  (東芝製 8回路トランジスタアレイ)
  ・非反転型のトランジスタアレイで、(約500mA)のソース電流を取り出すことが出来ます。
     TD62783AP データシート
 
 ○ TD62083AP  (東芝製 8回路トランジスタアレイ)
  ・反転型のトランジスタアレイで、(約500mA)のシンク電流を取り込むことが出来ます。
     TD62083AP データシート
 
 ・ニキシー管 速度計が12V仕様だったため、今回も電源電圧を12Vに設定しましたが、5V単
  電源でも動作可能なので、TD62083APに接続されている電流制限抵抗とAM・PM LED用
  抵抗値を変更することで、5V仕様になります。

3.ボタン操作回路
 
 ・これまでは、時間表示の12/24選択を、スライドスイッチで切り換えておりましたが、部品
  取付の簡略化のため、「Time Set」と同じ、タクトスイッチのボタン式に変更しました。
 
 
 
製作のポイント
 
1.プリント基板

    ・プリント基板は、主基板と、入力端子基板の2枚です。
 
・配線を極力少なく設計したので、車両電源用2本、
 アクセサリー電源用2本、12V電源用2本の計6本
 です。

2.入力端子部
    ・「回路の概要」でも記載しましたが、最大速度設定用
 半固定抵抗器を、入力端子基板に取り付けることで、
 配線を減らし、表示パネル面の穴も無くすことができ
 ます。

3.ケースの加工
   ・ケースは「TAKACHI」のPK−150Sを使用し、ケース付属
 のアルミ板部分に、「アクリサンデー」の2mmアクリル板
 (スモーク透明・全光線透過率19%)を使用しました。
 
・「只今の速度」や「Km/H」文字は、「ネームランド」ラベル
 プリンターで、白文字黒テープ18mmに印刷し、貼り付けて
 あります。

 
回 路 図  GIF版 PanLeCir2.gif (118KB)  PDF版 PanLeCir2.pdf (248KB)

部品配置図  GIF版 PanLePcb2.gif (153KB)
ケース加工図  GIF版 PanLeCas.gif (109KB)
アートワーク  GIF版 PanLeAW.gif  (172KB)
   注意! この図面を使用した、いかなる損害にも責任を負いません。 

プログラム  テキスト形式 ソースファイル  Am88C921.txt (30KB)
 BASCOM-AVR用 ソースファイル  Am88C921.bas (30KB)
 インテルHEX形式 オブジェクトファイル  AM88C921.HEX (11KB)
 
注意! 著作権は放棄しておりませんので、販売や配布目的での使用は絶対にしないで下さい。


 

速度表示

 時刻表示

 
右側面

 
後面

 
ケース内部
 

 
主基板 上面

 
入力端子基板 上面

 
主基板 ハンダ面

 
入力端子基板 ハンダ面
↑ 画像をクリックすると、拡大します。 ↑


AVRマイコン ATmega88の、ヒューズ ビット書き換え
 
AVR ATmega88のシステム クロックは、工場出荷時に内蔵RC発振器の8MHzで、1/8前置分周器がONに設定されているので、外部のクリスタル オシレータを使用するには、AVRのヒューズ ビットを書き換える必要があります。

下記ページの書き換え方法 「6.」を、以下の様に変更して、ヒューズ ビットの書き換えを行います。

    ヒューズ ビット書き換え

 6.[ FusebitC ] の右欄 [ 0:Divide Clock by 8 Enabled ] をクリックすると、右側にプルダウン
   メニューが現れますから、 [ 1:Divide Clock by 8 Disabled ] を選択します。
 
   [ FusebitKLA987 ] の右欄 [ 100010: --- [CKSEL=0010 SUT=10];default value ] を
   クリックすると、右側にプルダウンメニューが現れますから、
   [ 100000: --- [CKSEL=0000 SUT=10] ] を選択します。
 


操作方法
1.電源投入
 
  ・電源が入ると、現在のプログラムバージョンが、0.2秒周期で点滅表示されます。
  ・「Time Set A」ボタンを押すと、「2000年1月1日 AM12:00:00」からカウントが始まります。
  ・表示モードは「通常」になります。

2.表示切換
 
 
 ・表示パネル面の、タクトスイッチを押すことにより、下記の様に表示が切り替わります。
 
通  常  時 時.分  表示   時刻設定時
Time Set A ボタン 月 日  表示 次項目
Time Set B ボタン 分.秒  表示 設定値 (+)
12/24 セレクト ボタン 時刻表示 12時間/24時間 設定値 (−)

3.時刻設定
 
  ・「Time Set A」と「Time Set B」ボタンを同時に3秒以上押すと、時刻設定モードに入ります。
    (年は、西暦2000年から2099年までの範囲で対応しています)
  ・設定モードに入ると、下記の順に設定できる項目が点滅表示されます。
     ( 表示モード → 年 → 月 → 日 → 時 → 分 → 終了 )
  ・「Time Set B」ボタンで、設定値が+1され、1秒以上押し続けると早送りになります。
  ・「12/24 セレクト」ボタンで、設定値が−1され、1秒以上押し続けると早送りになります。
  ・「Time Set A」ボタンを押すと、次の項目に移ります。
 
  ・「表示モード」時は、左側に「8.2.」が表示され、「Time Set B」ボタンを押すと右側の表示が
   「00」と「01」で交互に変わります。
    「00」→ 通常表示。
    「01」→ 秒の下1桁が、0〜7の8秒間は時間を表示し、8〜9の2秒間は、月日を表示します。
 
   ・この設定値と、年月日は、AVR内部のEEPROMに記憶されますので、電源を落としても前回の
   設定が表示されます。
 
  ・分の設定が終わると、秒を00にして通常の時刻表示に戻りますので、秒の単位まで合わせる
   場合には、00秒になったと同時に「Time Set A」ボタンを押します。

4.12時間/24時間表示の切換
 
  ・「12/24 セレクト」ボタンを押すと、12時間/24時間表示が、交互に切りかわります。

5.日差の微調整
 

  ・内部基板上にある、水晶発振子(Xtal)上面の穴の中に、微調整用のボリュームがあり、回転
   させると180度を境に、進むまたは遅れる(位置は不確定)ので、1日の誤差を見ながら、左右
   どちらかに少しずつ回転を繰り返して日差を修正します。

6.スキャンスピード
 
  ・「Time Set A」ボタンを押しながら電源を投入すると、スキャンスピード設定モードに入ります。
  ・初期状態では、「0.308」が表示され、下位2桁が点滅します。
   (この状態で、スキャンスピードは308Hzです)
 
  ・「Time Set B」ボタンを押すと、「0.050.〜1.234.」の範囲で数値が変化しますが、増加する値は
   AVR内部タイマーの設定値から計算しているため、整数の一定値ではありません。
  ・表示と共に実際のスキャンスピードも変化するので、表示のちらつきが無く、隣接桁にゴーストが
   出ないように設定値を決めます。
 
  ・設定値が決まったら、「Time Set A」ボタンを押すと、プログラムバージョンの表示に戻ります。
  ・設定値は、AVR内部のEEPROMに記憶されますので、電源を落としても再設定は不要です。

7.MAX Speedの設定
 
 ・パワーユニットを最大電圧にしたときに表示する、最高速度値を調整できます。
 ・電圧を最大にし、主基板上または本体右側面にある半固定ボリュームを回すと設定できます。


○パーツの参考資料
 ・基準信号 水晶発振器  「秋月電子通商」 超高精度クリスタルモジュール(12.8MHz±1ppm)
 ・基板  「サンハヤト」 感光基板 12K 紙フェノール 片面 1.6tx100x150mm


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