1.電源回路
・電源は、DC24VのACアダプターのみで動作します。
・複合蛍光表示管は、単管とは違ってフィラメントの長さが長いため、フィラメントをDC電圧で
加熱すると、左右の桁でグリッド電圧との電位差が生じ、輝度の違いが出てしまいます。
・そのため、通常はトランスを使用して交流電圧をフィラメントに加えるのですが、ACアダプターの
DC電圧だけで制御したいので、AVRマイコンAT90S2323でパルスを作製し、交流のフィラメント用
電源を作る回路を試しました。

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フィラメントにかける電圧を、DC電圧とACパルス電圧で
比較した物です。
DC電圧の方は、明らかに右側の輝度が落ちています。
対して、ACパルス電圧では、全体が同一の輝度で安定
しています。 |
・ACパルスの発生回路は、スイッチング電源で使用する、スイッチトキャパシタ方式の回路を
利用し、フィラメント(抵抗)とコンデンサーの積分回路に、充電と放電を繰り返すことで、
交流のパルスを発生させました。
・回路構成は、TO-220型のスイッチング・レギュレータ「LM2575T-ADJ」で、フィラメント電圧の2倍
+トランジスタの損失分の電圧を作り、AVRマイコンAT90S2323で、50Hzの2相(逆相)クロックを
発生させて、トランジスタースイッチでコンデンサーに充放電を行っています。
2.基準信号発生回路
・MM5316Nの時計カウントには、50Hzの信号が必要なので、フィラメント用ACパルス発生回路と
兼用で、AVRマイコンにより作製しています。
・当初は、「秋月電子」の超高精度クリスタルモジュール12.8MHzを使用したかったのですが、
8ピンAVRマイコンがAT90S2323-10PCのため、手持ちの水晶6.144MHzで50Hzを作りました。
・50Hzを作るための水晶は、AVRのプログラムで変更が可能なので、他の周波数も使用できます。
3.アラーム音の発生
・AVRマイコンのプログラム次第で、任意のアラーム音が作製できます。
・下記に、目覚まし用の、1,000Hz 100mSの発振音の断続と、タイマー用に、好きな曲を再生
できる、メロディー音のプログラムを用意しました。
4.表示管ドライブ回路
・表示管のドライブは、すべてMM5316Nが行ってくれます。
・スタティック表示なので、カットオフ用のバイアス電圧も不要です。
5.基板の分割
・回路図 及び 部品配置図は、1枚の基板で作製する様に書いてありますが、実際の製作では、
他の表示管のテストも行えるように、コネクターで分割して製作してあります。
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