■ AVR+グラフィックLCD オシロ・スコープの製作 ■


 グラフィックLCDの応用回路第1作。
 主要部品にAVRとグラフィック液晶のみを使用した、簡易型の低周波(可聴周波数帯域)用、オシロ・スコープの製作です。
 
 ・ 1Ch.表示では、DC〜約20KHz、0〜5Vの波形が表示可能。 (有効域は10KHz)
 ・ 2Ch.表示では、DC〜5KHz、0〜5Vの波形が表示可能。
 ・ AUTO/SINGLE動作可能。
 ・ トリガーエッジ、トリガーレベル調整可能。 (トリガー検出は、Ch1.のみ)


 
Jing Handa Electronics JHD622-12864

 
秋月電子 SUNLIKE SG12864A

回路の概要
 
1.電源回路

 
 ・5VのACアダプターから電源を供給するので、アダプターの接続間違いからAVRを保護するため、
  ツェナーダイオードとポリスイッチの保護回路を入れてあります。

2.AVRとクロック
 
 ・AVRは、ATmega88-20PUを、最高速度の20MHzで使用しています。
 ・AVR内蔵のA/Dコンバータを使用するため、可聴周波数帯域の測定が限界です。

3.グラフィックLCD回路
 
 ・128 x 64 ドット表示の、Jing Handa Electronics JHD622-12864と、秋月電子のSUNLIKE
  SG12864Aが使用できます。
 ・液晶のバックライト用電圧が違うため、ショートピンで変更ができるようにしてあります。
 ・液晶のコントラストは、半固定ボリュームで調整して下さい。

4.スイッチ回路
 
 ・グラフィックLCDが多量のポートを必要とするため、グラフィックLCDのデータポートと、スイッチ
  回路を共用しています。
 ・グラフィックLCDのCS1とCS2をオフ(L)にした場合に、スイッチの状態が読み込めます。

5.アナログ入力回路
 
 ・AVR内蔵のA/Dコンバータポート(PC0・PC1)に、直接0〜5Vの範囲で、測定するアナログ波形を
  入力することができます。
 ・5V以上の電圧は、AVRが故障しますので注意して下さい。
 ・入力感度やオフセット調整は、必要に応じて外部に用意して下さい。
 ・入力Ch.2のみ、波形表示位置を変えるための、オフセット調整ボリュームがあります。

6.ロジック・アナライザ併用回路
 
 ・実際の製作では、オシロ・スコープとロジック・アナライザを兼用しているため、回路図には無い
  切換回路が入っています。



回 路 図  GIF版 AVROsciCir.gif (171KB)  PDF版 AVROsciCir.pdf (169KB)

 回路図 オシロ・スコープとロジック・アナライザ 兼用  GIF版 AVROsLgCir.gif (221KB)

部品配置図  GIF版 AVROsciPcb.gif (165KB)
   注意! この図面を使用した、いかなる損害にも責任を負いません。

プログラム  テキスト形式 ソースファイル  AOsci103.TXT (32KB)
 BASCOM-AVR用 ソースファイル
 (KS0108チップ用ライブラリが必要です)
 AOsci103.bas (32KB)
 インテルHEX形式 オブジェクトファイル  AOSCI103.HEX (11KB)
 
 注意! 著作権は放棄しておりませんので、販売目的での使用は絶対にしないで下さい。

       (記事の無断転載を除き、個人での使用は可能です。 改変、自作品の掲載、リンクもご自由に。)



 
 前面

 
 右側面

 
 後面

 
 左側面

 
部品面

 
ハンダ面

 
スイッチ部

 
ケース内部


使用前の準備
 
AVR ATmega88のシステム クロックは、工場出荷時に内蔵RC発振器の8MHzで、1/8前置
分周器がONに設定されているので、外部のクリスタルを使用するには、AVRのヒューズ ビットを
書き換える必要があります。

下記ページの書き換え方法 「6.」を、以下の様に変更して、ヒューズ ビットの書き換えを行います。

    ヒューズ ビット書き換え

 6.[ FusebitC ] の右欄 [ 0:Divide Clock by 8 Enabled ] をクリックすると、右側にプルダウン
   メニューが現れますから、 [ 1:Divide Clock by 8 Disabled ] を選択します。
 
   [ FusebitKLA987 ] の右欄 [ 100010: --- [CKSEL=0010 SUT=10];default value ] を
   クリックすると、右側にプルダウンメニューが現れますから、
   [ 110111: --- [CKSEL=0111 SUT=11] ] を選択します。



操作方法
1.画面のスケール表示について
 
 ・X軸のスケールは時間を表し、1ラインの間隔が
  画面右上のTIME/DIVの時間になります。
 
 ・Y軸のスケールは電圧を表し、一番下が0Vで、
  1ライン毎に1Vです。
 
  (2チャンネル表示の場合は、1ライン毎に2Vに
   変わります)

2.TIME/DIV
 
  ・TIME/DIVの、[SLOW] [FAST] ボタンは、サンプリング間隔を選択します。
  ・下記のように、X軸のスケール値が変化します。
 
1CH.表示 500mS・200mS・100mS・50mS・20mS・10mS・5mS・2mS・1mS・500uS・200uS・100uS
2CH.表示 1S・500mS・200mS・100mS・50mS・20mS・10mS・5mS・2mS・1mS

3.SLOPE +/−
 
 
 ・SLOPE +/−ボタンは、トリガー検出を、立ち上がりで行うか、立ち下がりで行うかを
   切り換えます。
  ・トリガー検出を行えるのは、Ch1.のみです。

4.AUTO/SINGLE と READY
 

 ・AUTOモードでは、トリガーが検出されれば、検出時点から表示を
  開始し、画面表示幅の時間以内にトリガーが検出されなくても、
  自動的に非同期で表示が繰り返されます。
 
 ・SINGLEモードでは、[READY]ボタンが押されると、画面中央に
  [READY]の文字が表示され、トリガーが検出されると、一画面分
  の表示を行った後、停止します。
 ・[READY]ボタンが押されるたびに、同じ動作を繰り返します。

5.DISPLAY 1Ch/2Ch
 
  ・画面表示を、1Ch.表示と2Ch.表示に切り換えます。
  ・2Ch.表示では、画面の制約上、Yスケール値を半分にして、2つの波形を表示します。

6.TRIGGER LEVEL ボリューム
 

  ・トリガーを検出する電圧を設定します。
  ・検出する値は、画面右下に0V〜5.1Vの範囲で表示されます。

7.Ch.2 OFFSET ボリューム
 

  ・2Ch.表示時に、Ch2.の波形表示位置を、上下に移動することができます。



○パーツの参考資料
 ・基板  「秋月電子通商」 片面ガラスエポキシ・ユニバーサル基板 Bタイプ (95x72mm)
 ・アクリルケース  「無印良品」 アクリルポケットティシューケース



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