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 地図にない町 ディック幻想短編集(1976)-早川文庫
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輪廻の豚 Beyond Lies the Wub (1953) / フィリップＫディック 訳：仁賀克雄のあらすじ 初出 Planet Stories(1952.7) 原稿到着1951 短編 第２作 フランコ船長は、オプタス人から交易荷物を買い、地球へ戻ろうとしていた。 もう、これで充分だ。 そこにピーターソンが、デカイ生物を連れて戻って来た。 「船長、原住民が大事にしている生物、ワブを手にいれました」 「ワブだと？見たところ汚らしい大豚じゃないか」 「食べたら、うまいと思いますよ」 宇宙に飛び立ってから、フランコ船長は、思いついて、ワブを船倉から連れてきた。 「さて、こいつだが、充分太って食べ頃に思えるが、どうだろう？」 「船長、もっと別の話題にしませんか？」 一同はシーンとした。 「誰だ？いま喋ったのは？」 「ワブですよ」 「で、何と言ったんだ？」 「だから、話題を変えよう．．．と」 「きっと、こいつは縫いぐるみで、中に誰かいるに違いない！解剖しろ！」 「あなた方は、人を切ったり食べたり、そんな事しかできないんですか？」 「いいか、お前はワブ。我々の食料だ。それを忘れるな！」 「貴方と私とでは見解の相違があるようです。まずはゆっくりと話しましょう」 「いいだろう。まず質問だ。お前は何故、英語を喋る？誰に習った？」 「習いはしませんが、私は貴方の心を読む事が出来ます。それで語彙を探って、言葉にしているのです」 「なるほど、テレパシーって奴だな。わしにも、その位はわかる」 「また、我々は、争いや戦いを好みません。この太った体もそのためで、 穏やかに暮らしているのです。食べ物は雑食、好き嫌いもありません」 「さて、本題に戻ろう。料理法についてだ」 「それより、哲学や芸術について、語りませんか。きっと実のある話になると思います」 「ともかく、来月、食糧難になったら食うからな」 ピーターソンはワブと話をしていた。 「つまり、我々も人間と似た様な神話を持っています、イシュタルやオデッセイ なんか、そっくりです。つまり宇宙には、神話の共通タイプがあると言う事です」 「なるほど」 「オデッセイの話も『個人の独立から、故郷への回帰』の物語であると言えます。 放浪者は一時的に姿を変えますが、また魂は戻って来るのです．．．」 そこでドアが開いた。ワブは話を止めた。フランコ船長だった。 フランコ船長は、部下達とワブを取り囲んだ。 ピーターソンは叫んだ。 「食うつもりなのか？やめてくれ！これは俺が乗せたんだ」 「船長、あなたは私を食べると言う考えに固まっています。落ち着いて下さい」 ワブが言った。その意見にうなづく船員もいた。 「頭を撃ってやる。味が落ちないようにな」 「貴方の心の中にある、救世主キリストを思い出して下さい。それでも貴方は、私を撃てますか？」 「俺が思い出すのは、家の裏の庭で飼っていた、小汚いブタの事だけさ」 味は極上だった。 「いやあ、実にうまい！みんな、お替わりは済んだか？」 「いや．．．もうたくさんです。部屋に戻ります」 「私も．．．」 「いったい、どうしたって言うんだ。船旅中、こんなうまい肉はめったに食えんぞ。 しかし、このうまさは最高だ。いやいや、愉快だ。今晩は、語り明かそうじゃないか」 皆が、食欲もそこそこに、うんざりした気分で座っていると、 一人、愉快な船長は、こう切り出した。 「さて、諸君。君達は人間の神話をどう思うかね？私の理解する所では、 宇宙の神話には共通のタイプがあり．．．」 ．．．．．．．．．．．．．．
「ミイラ取りがミイラになる」落ちで良いんでしょうか？
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三分 小説 備忘録 [どんな落ちだっけ？] |
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