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ヘミングウェイ短編集(一)
   - 新潮文庫(1970)
ヘミングウェイ短編集(一)


インディアン部落 Indian Campp/ヘミングウェイ Ernest Hemingway 訳:大久保康雄のあらすじ

ニックは父とジョージおじさんと一緒にインディアン部落に行った。
ボートは、入り江を進んだ。

入り江の反対側に着いた。
インディアンの男達が、タバコを吸いながら、彼らを見ていた。

彼らは先へ進んだ。
部落に入ると、犬が一斉に、彼らに向かって吠えた。

老婆がランプを片手に、案内に出てきた。

父は医者だ。
小屋に入ると、女が苦しがっていた。

隣の棚には、男が寝ていた。タバコをふかしながら、寝ていた。
男は、数日前に斧で脚を大怪我したそうだ。部屋には、その悪臭が立ち込めていた。

女は、苦しみ。叫びを上げていた。

「なあ、ニック。この人は今、子供を産もうとしている。子供は頭から出てくる。でも、
   そうじゃない場合もある。その時は、とても苦しいんだ。赤ん坊が出たがっている。しかし、
   出られない。その苦しみの叫びなんだ。手術が必要だ。お前は今日、インターンをするんだ」

女の周りには部落の女性達が看病していた。

父はお湯を沸かし、石鹸で手を洗った。準備が済むと、父は女の部屋に入った。女は、父を見て叫んだ。
父の腕に噛み付いた。父も叫んだ
「この、インディアンのくそったれ女!」


「これから切って子供を出し、また縫い合わせるんだ。お前は、見なくても良いぞ」
ニックはとても見ていられなかった。好奇心は吹き飛んでいた。


「さあ、消毒しておしまいだ」
女は、ようやく、落ち着いていた。


「いや、うまく行った。こりゃ論文ものだ。なんせ、ジャックナイフで切開して、テグスで縫ったんだから」
父は満足していた。そして、ふと、赤ん坊の父親の方が気になった。
(こんな、時に、父親って奴は、何も出来ずに、おろおろしてるもんだ)

父は、隣の棚で、毛布を被って寝ていた男の、顔の布を取った。

その顔は、血でべっとり染まっていた。
喉から、耳までが、ナイフで裂かれていた。

父は驚いた。
「ニック、見るんじゃない。見るんじゃない」

ジョージおじさんが、後始末をした。


「すまん、お前を連れてくるんじゃなかった」
「ねえ、女の人は、子供を産む時、いつも、あんなに苦しむの?」
「いや、あれは例外中の例外さ」
「なぜ、あの男の人は自殺したの」
「わからない」
「自殺する人は男のほうが多いの?」
「ああ、自殺するの男の方が多い、女はあまり自殺しない」
「ねえ、死ぬって苦しい事かなあ?」
「そんなには、苦しくないだろう。そんなには...」

僕達は、腰掛けて入り江を見ていた。魚が跳ねるのが見えた。
僕は、自分が死ぬ事などないと確信していた。

..............


これは、ヘミングウェイにとって、何か、とても本質的な話の様な気がします

記:2012.11.10


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三分 小説 備忘録

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