ドイツ周遊
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■ スターライト・エクスプレスの日
3/11(水)
■ボーベック城
 朝5時頃に目が覚める。8時間ほどたっぷり寝たようで、途中で一度も起きなかった。それでもそのあともう一度寝てから、7時前に本格的に起きる。今日の夜はボーフムという隣町に行き、ミュージカル「スターライト・エクスプレス」を見るのだ。
 スケジュールをいろいろと検討したすえ、朝から昼過ぎまではエッセンで過ごし、その後、宿には戻らずにボーフムまで行くことにする。このため、弁当を昼夜2食分作ることになった。昨日の朝市で買ったソーセージを焼く。生のソーセージを焼くのは今回初めての経験だ。あでりーは慎重にじっくり火を通し、最後は蒸し焼きにしていた。サラダを作り、ゆうべ持ち帰った夕食も詰める。僕はコーヒーを淹れて水筒に入れ、パンを切る。時間をかけて準備をした結果、いつもよりやや遅めの出発となった。

乗り換えのベルリナー・プラッツ駅
 103番のトラムで行けるはずがこの時間帯は動いていないらしく、109番でベルリナー・プラッツ駅まで行き、乗り換えてボーベック・シュロス駅で降りる。よく見るとここは、昨日の夕食のために降りた駅の一つ手前だった。
 閑静な住宅街といった感じで、周辺はとても静かだ。穏やかな日が差し、気持ちがいい。少し歩くと、めざすボーベック城が見えてきた。ここは、エッセンで宿を経営する日本人の方が、ブログで紹介されていたところ。小さいが、白くてきれいなお城である。横手を回り込み、裏の緑地に入る。池にはマガモやバンが泳いでいて、遠くにカナダガンも見える。ベンチを見つけたので、早めの昼食をとることにする。持ってきた弁当は、やっぱりとても美味しい。食べていると、カササギやクロウタドリがそばにやってくる。けっこうおなか一杯になるも、食後のコーヒー&おやつまでしっかりたいらげる。

ボーベック・シュロス駅

小さいけれどきれいな、ボーベック城

周辺の緑地

カナダガン

昼食のお弁当
 食後は林の中を歩く。ヨーロッパコマドリクロウタドリは当たり前のようにいる。リスも見えた。ウサギもいた気がするが、はっきりとはわからない。あでりーは座って絵を描き、僕は周りを見て歩く。きれいな鳥の声がするので、頭上を探す。大きな鳥だ、と思って双眼鏡を覗くと、なんとアカゲラ! 詳しい種類はわからないが、確かにいる。あまり動きそうにないので、あでりーを呼びに行く。あでりーは「えー!」という声とともに立ち上がり、二人してさっきの場所に戻る。でももうどこかへ行ってしまったようで見つからず、あでりーはふたたび絵を描きに戻り、僕は散策を続ける。

 敷地の端のあたりまで歩き、ぐるりと回って引き返す。かなり広くて歩きがいがある。一周して同じ場所に戻り、ふたたび声を頼りにアカゲラを探す。ようやく見つかったのであでりーを呼びに行ったが、またもや見失う。それでも粘り強く探すと、飛び立つ姿が見え、そちらに双眼鏡を向けてようやく発見。あでりーもしっかり見ることができた。あとで調べてみるとこの鳥は、ヨーロッパアオゲラという種類だった。
 あでりーと一緒に、さっきと同じようなルートを歩く。途中、キバシリのような小さな鳥を発見。その後、3羽ほどの小鳥と一緒に、野ネズミも見る。リスやウサギも出てきた。最後に元の池のあたりに戻ると、悠々と泳ぐエジプトガンを1羽見つけた。ここからお城のあたりに抜ける芝生の感じが、ロンドンのケンウッドハウスにとてもよく似ている。今日も天気は最高で気持ちがいい。近くで男性が集まってペタンクをやっていた。相変わらずルールはわからないが、しばらく眺める。

林の中の道を進む

エジプトガン

お城の前に戻ったところ。ロンドンのケンウッドハウス周辺によく似ている
■スターライト・エクスプレス

ボーフムに向かう電車にて
 トラムに乗り、エッセン中央駅へ向かう。自販機でボーフム往復グループチケットを購入する。3つ先くらいの駅だ。10分ほどで着く。
 ボーフムの駅前は、エッセンと同じように歩行者天国が広がり、いろんな店が集まっている。あでりーがカフェ・マキアートを飲みたいと言うのでカフェを探していたが、通りすがりにアイス屋さんが目に入り、アイスに変更する。あでりーはピスタチオ、僕がナッツのアイス。どちらも美味しい。やっぱり牛乳がいいのだと思う。しっかり休み、トイレ休憩にもなった。あでりーはいったん外に出て、向かいにあったお茶屋さんに入る。ハーブティーを買ったようで、前に働いていた西尾市の抹茶も置いてあったと驚いていた。僕は、持ってきていた星野道夫さんの本、「長い旅の途上」を少し読む。

ボーフム駅前周辺

休憩で食べたアイス
 店を出てからまた周辺を散策する。けっこう広いので途中で引き返し、インフォメーションで劇場までのルートを確認する。駅の自販機で切符を買おうとするも、よくわからない。切符売り場で聞いてみると、ここまでの切符を見せてくださいと言われ、差し出す。すると、エッセン〜ボーフムの往復チケットでボーフム市内は自由に乗り降りできることが判明した。聞いてみてよかった。
 Uバーンに乗り、2駅先で降りる。サッカースタジアムのそばを抜け、けっこう歩いた先に、目指すスターライト・エクスプレスの劇場が姿を現した。
 ついにここまで来た! いつかあでりーと一緒にドイツ公演を見たい、とは僕がずっと前から抱いていた夢だった。場所を何度も変えながら、写真とビデオを散々撮って歩く。落ち着いたところで、早めに夕食をとることにした。段差に座り、本日二つ目の弁当を広げる。今回は、朝市で買ったソーセージがメイン。ハーブ入りの太いのと、ぐるぐる巻きになった細めのほう、どちらもくどくなくて美味しい。しっかり食べて、観劇に備える。


 劇場は既に開いているようなので、中に入る。待合いスペースはかなり広く、いろんな映像のモニターがあったり、店がいくつかあったり、人形が立っていたり。時間をかけてじっくり撮影をしていく。僕はおみやげにしばらく悩んだすえ、CDだけを買うことにした。
 ステージへの入口が開いた時点で、中に入る。広い! 座席の周りにローラースケートのレーンがしっかり作ってある。1991年の名古屋公演と似たようなセットだ。この雰囲気はたまらない。わくわく感が止まらない。それにしてもたくさんの客で、ほぼ満席だ。事前に予約をしておいて本当によかったと胸をなで下ろす。



 そして開演の時。ボッパの顔の映像で注意事項などがアナウンスされる。面白い演出だ。その後、唐突にショーが始まる。最初の曲が聞こえ、演者たちがローラースケートで登場する。かっこいい! 既にして涙が溢れ、止まらない。グリースボールが現れ、ラスティが現れ、女性陣もやってきた。目の前にレーンがあるので、そこを通るたびに凝視する。迫力が素晴らしい。演出は、日本公演によく似た展開だ。だからたっぷりと歌がある。そして女性陣紹介の歌はドイツ公演のみで歌われる、僕にとっては“新曲”だ。一曲ごとにかみしめるように全身で感じる。
 やがて、僕の大好きなテーマ曲に合わせ、エレクトラの登場となる。レーザー光線がトンネルのような空間をつくりだす。ステージ上のレーンが動いて傾き、そこから滑って現れるのはロンドンと同じ演出だ。また涙があふれてくる。グリースボールの曲があり、ボッパも登場し、これで役者はそろった。
 レースのシーンは本当に迫力があり、これまで見た中で一番の出来だ。イギリスのサンダーランド公演では、レースの大半がモニターで3D映像を見るというやり方だったが、ここではすべてを実演で見せてくれる。たまらない。そして、ラスティの歌うテーマ曲で静かに一幕が終了する。興奮がとまらない。
 トイレに行き、また唐突に二幕目が始まる。イギリス公演と同様、かなりヒップホップを意識した作りだ。ただ、貨車たちが歌うのはこれまで通りだが、主要メンバーもラップを歌い踊るのは初めて見た。これがなかなか盛り上がって楽しい。そしてついにスターライト・エクスプレスが登場する。出た! レーザー光線の雨。名古屋公演の再現だ。これだ! これが見たかったのだ! 光に包まれ、自分が浮いているような感覚。あの時の感動がよみがえる。
 あとは怒涛のように曲が進み、あっという間にラストの曲までたどりつく。いったん盛り上がって終わったと思ったら、すぐにアンコールが始まる。ラスティとパールがデュエットでもう一度歌ってくれて、各キャラクターごとの短い曲紹介での踊りなど、盛りだくさんな演出が続く。そして最後は客も立ち上がってのりのりのエンディング。始まりから終わりまで、本当に楽しませてくれた。
 終わったあと、僕はもう放心状態だった。11年ぶりに見るスターライト・エクスプレスに酔いしれていた。遂に見られた。実は当初、明日もう一度見ようかという思いはあったのが、明日は終了がかなり遅くなるし、もういい席は残っていないだろうから諦めることにした。終わってからまた見たいと思うのは、きっと何度繰り返しても同じだろう。だから、今日は最初から一夜かぎりの覚悟で楽しもうと決めていたのだ。
 帰りはトラムでボーフム中央駅まで戻り、そこからエッセン中央駅、さらに宿までのバス、とスムーズに乗り継ぐことができた。帰ったら僕はもう速攻で布団に入る。あでりーは風呂に入っていた。
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